ライター : ☆ゴン

サバランとはどんなお菓子なの?

サバランはフランス生まれのケーキです。ケーキといってもスポンジ生地ではなく、イーストで発酵させ焼き上げる、ブリオッシュのような生地が特徴。その生地に、ラム酒やキルシュ入りのシロップを染みこませ、生クリームやフルーツをトッピングします。

お菓子の形状は、ホールなら穴があいたリング形、小さいものは中央をくぼませた王冠形にするのが一般的。アルミ製やシリコン製のものが、サバラン型として販売されています。

ひとくち食べるだけで、酒の芳醇な香りとシロップの甘さが口の中いっぱいに広がる、大人の味わいが魅力のスイーツです。

サバランとババの違いは形状

サバランはババを原型として、よりリッチなビジュアルに仕上げたお菓子です。どちらもブリオッシュ生地を使用し、酒入りの甘いシロップに浸すなど、材料や作り方はほとんど同じ。

また当初のババは生地にレーズンを加え、とくにトッピングしないのが特徴でした。いまはサバランの生地にレーズンが入っていたり、ババに生クリームをトッピングしたりと、両者に大きな違いは見られません。

一番の違いは、その形状に尽きるといえます。サバランはリング形や王冠形などの、洗練されたかわいい形が多いです。ババは小さいものが円筒形、ホールは寝かせたコルク形やボート形など、やや武骨な感じがします。

ババとサバランの由来について

ババが生まれた歴史と名前の由来

ババは、いまでもフランスやイタリアで人気のある発酵ケーキ。18世紀初頭にポーランド国王を追われ、ロレーヌ公に封じられた、スタニスワフ・レシチニスキが考案したとされます。

同氏のお抱え菓子職人が、アルザス名物のクグロフが硬くなったとき、ラム酒をかけてやわらかくしたのがはじまりなのだとか。その後に同氏の娘がルイ15世に嫁ぐと、フランス宮廷からパリ、ナポリへと徐々に広まっていきました。

菓子名の由来には諸説あり、本当のところは定かではありません。同氏の愛読書「千夜一夜物語」の登場人物、アリババが起源だとの説がありますが、これも俗説の域を出ないようです。

サバラン発祥の歴史と名前の由来

パリの菓子職人であるオーギュスト・ジュリアンによって、1840年代に考案されたケーキです。当時、彼はすでに菓子作りの第一人者で、サントノレというお菓子を世に出したことでも有名。

サバランはババをもとにしたお菓子なので、当初は「ババ」として販売していました。しかしすでに亡くなっていた『美味礼賛』の著者、ブリア・サバランに薫陶を受けていたのか、菓子名を突然「サバラン」と改名。それ以降、一躍脚光を浴びるようになりました。

日本ではサバランのほうが知られていて、ブリオッシュはもちろん、パンやバゲットなどを生地にするアレンジレシピがあります。

【生地別】サバランのアレンジレシピ5選

1. 生地から手作りする。コーヒー風味サバラン

小麦粉とバター、卵、牛乳、イーストで生地を作り、ブリオッシュにする本格的なレシピです。シロップは本来のラム酒やキルシュ入りではなく、コーヒーとコーヒーリキュールを使用。コーヒー尽くしのこだわりの味わいがたまりません。

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