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【結論】コンスターチの代用は片栗粉や小麦粉でOK!
| 調理名 | 片栗粉 | 小麦粉 | 米粉 |
| 揚げ物 (衣) | ◯ 厚い衣が付く 揚げたては カリッと香ばしい 冷めると油っぽい | △ 揚げたてはサクッ しっとりしやすい | ◎ 衣が薄づきで、 サクッと軽い食感 油っぽさがない |
|---|---|---|---|
| カスタード | △ 弾力と強い粘り クリームとしては不向き | ◎ しっかりと重たさがあり 扱いやすい | ◯ なめらかで 軽い仕上がり |
| クッキー | ◎ サクサクと 軽い食感 | △ カリッとした 硬い食感 | ◯ サクッとして キメ細かい食感 |
| とろみ付け | ◎ 透明感のある 強いとろみ | △ とろみが つきにくい | △ やさしいとろみが つくが白濁する |
なぜ代用できる?コンスターチと片栗粉・小麦粉の根本的な違い
原料(とうもろこし vs じゃがいも vs 小麦)の違い
コーンスターチの原料はとうもろこしのでんぷんです。片栗粉は本来はユリ科の多年草であるカタクリの地下鱗茎のでんぷんを精製したものですが、現在はほとんどがじゃがいもから精製されたばれいしょでんぷんです。
小麦粉は、小麦を製粉して作られた粉で、たんぱく質の含有量により、薄力粉、中力粉、強力粉などに分類されます。(※1,2)
小麦粉は、小麦を製粉して作られた粉で、たんぱく質の含有量により、薄力粉、中力粉、強力粉などに分類されます。(※1,2)
でんぷんの性質が「とろみ」と「食感」を決める
でんぷんは、アミロースとアミロペクチンという2つの分子によって構成されていて、それぞれの構造の違いや含まれる割合によって「とろみ」と「食感」の差が生まれます。
原料である植物の種類によってでんぷんの性質も大きく変わり、例えばばれいしょでんぷんは粒が大きく、透明度が高くとろみが強い傾向にあり、コーンスターチや小麦粉などは透明性が低くサラサラとしています。(※3,4)
原料である植物の種類によってでんぷんの性質も大きく変わり、例えばばれいしょでんぷんは粒が大きく、透明度が高くとろみが強い傾向にあり、コーンスターチや小麦粉などは透明性が低くサラサラとしています。(※3,4)
【揚げ物】衣の活用では米粉が一番代用としては使える!
食感(サクサク感)
一番サクサクカリカリッと食感がよいのは片栗粉です。揚げたてはカリッとして香ばしく、満足感がありました。
小麦粉は揚げたてはサクサクッとしていましたが、冷めるとしんなりとやわらか区なります。米粉が一番薄付きで、揚げたてはサクッと軽い仕上がりでした。冷めても軽い食感でした。
小麦粉は揚げたてはサクサクッとしていましたが、冷めるとしんなりとやわらか区なります。米粉が一番薄付きで、揚げたてはサクッと軽い仕上がりでした。冷めても軽い食感でした。
風味
片栗粉は、香りや風味はほとんど感じられません。揚げたては衣の香ばしさがありますが、冷めると油っぽさを感じました。片栗粉に関しては揚げたてが良いと思います。
小麦粉は、小麦の香ばしい風味や旨みを感じられ、冷めても風味がよかったです。米粉は油を吸いにくい特徴があるため、キッチンペーパーにもほとんど油染みがありませんでした。軽さと風味の良さも感じられました。
小麦粉は、小麦の香ばしい風味や旨みを感じられ、冷めても風味がよかったです。米粉は油を吸いにくい特徴があるため、キッチンペーパーにもほとんど油染みがありませんでした。軽さと風味の良さも感じられました。
【カスタード】小麦粉が一番代用としては使える!
食感
片栗粉は特有のぷるんっとした粘りや弾力を感じました。クリームというよりも、もっちりとした食感。
小麦粉は、適度な硬さでもったりとした重たさもありました。米粉は、サラッとした緩めの食感です。粘りは感じられず、プツンと切れる感じでした。
小麦粉は、適度な硬さでもったりとした重たさもありました。米粉は、サラッとした緩めの食感です。粘りは感じられず、プツンと切れる感じでした。
風味
片栗粉で作るとなめらかさがなくぽってりとしていて、ほかのものより強く甘みを感じました。
小麦粉はまったりとして濃厚な味わいです。米粉はサラッとしていてやさしい甘みを感じました。
小麦粉はまったりとして濃厚な味わいです。米粉はサラッとしていてやさしい甘みを感じました。
扱いやすさ
片栗粉はぷるんっとした弾力があり、クリームのように塗ったり絞ったりすることはむずかしいです。小麦粉は適度な弾力で、なめらかさもあり一番扱いやすかったです。
米粉はサラッとしていてゆるさがありました。なめらかで塗りやすいですが、絞るとダレてしまいそうでした。
米粉はサラッとしていてゆるさがありました。なめらかで塗りやすいですが、絞るとダレてしまいそうでした。
【クッキー】片栗粉が一番代用としては使える!
食感
片栗粉のクッキーはサクサクッと軽い食感で、コーンスターチの代用としては一番おすすめです。
小麦粉は、カリッとした硬い食感で噛みごたえがあります。米粉を加えると、崩れるようなホロッとしたきめ細かい食感になります。
小麦粉は、カリッとした硬い食感で噛みごたえがあります。米粉を加えると、崩れるようなホロッとしたきめ細かい食感になります。
風味
片栗粉、小麦粉、米粉ともそれぞれの粉の風味をしっかり感じられると共に、バターや卵などそのほかの素材の味も生きていました。小麦粉だけで作ったものが一番香ばしさがあり旨みを強く感じました。
扱いやすさ
片栗粉の生地が一番扱いやすかったです。米粉入りの生地はヒビの入りやすさを感じましたが、扱いにくさはありませんでした。
小麦粉の生地はグルテンが出やすいため、あまり混ぜすぎると硬くなる特徴があります。サッとまとめて焼くのがポイントです。
小麦粉の生地はグルテンが出やすいため、あまり混ぜすぎると硬くなる特徴があります。サッとまとめて焼くのがポイントです。
【とろみ付け】まろやかさを出すには片栗粉が一番代用としては使える!
風味
片栗粉は、一番透明感があり粘度が高いです。無味無臭で低温でとろみがつくので、素材の味や調味料の味を最大限に活かせます。
小麦粉はサラッとしていてなかなかとろみがつきにくい特徴があります。長時間加熱しすぎて焦げ付かせないように注意しましょう。
米粉はとろみがつく温度が高く時間がかかり、加熱しすぎて風味が飛んでしまいがちです。
小麦粉はサラッとしていてなかなかとろみがつきにくい特徴があります。長時間加熱しすぎて焦げ付かせないように注意しましょう。
米粉はとろみがつく温度が高く時間がかかり、加熱しすぎて風味が飛んでしまいがちです。
食感
片栗粉はとろんと粘度が高い口当たりの良いとろみがつきます。小麦粉は粘度が低く、サラッとした口当たりで、あんかけには不向きです。分量を間違えると固まらない場合もあるため、分量の調整が必要です。またダマにもなりやすく口当たりが悪くなることもあります。
米粉はダマにはなりにくくトロッとしたとろみがつきますが、白濁してきれいな仕上がりではありません。
米粉はダマにはなりにくくトロッとしたとろみがつきますが、白濁してきれいな仕上がりではありません。
保温性
片栗粉は粘り気が強く保温性は一番高いです。小麦粉は一番とろみがつきにくいため保温性は低く、米粉は片栗粉ほどではありませんが白濁したとろみがつきます。片栗粉の次に保湿性があります。
そのほかの代用品まとめ
タピオカ粉
タピオカ粉とは、南アメリカ原産のキャッサバという芋類の根茎部からとれるでんぷん。キャッサバには有毒な青酸生成物質が含まれますが、水にさらしたり天日干しを行ったりすることで無毒化し、食用にすることが可能です。
タピオカ粉に製造する工程中でシアン化物はほとんど消失します。
タピオカ粉は透明感があり片栗粉よりも粘度がやや高く、モチモチとした食感になります。とろみ付けやお菓子、パン作りにも使われます。(※5)
タピオカ粉に製造する工程中でシアン化物はほとんど消失します。
タピオカ粉は透明感があり片栗粉よりも粘度がやや高く、モチモチとした食感になります。とろみ付けやお菓子、パン作りにも使われます。(※5)
葛粉(くず粉)
葛粉とは山地に自生する葛の根からとれるでんぷんです。葛粉は水で溶いて加熱すると、透明感のあるとろみがつきます。
なめらかな口当たりで冷やすと固まりモチッとした食感になるため、葛餅や葛切りなど和菓子に活用されます。
なめらかな口当たりで冷やすと固まりモチッとした食感になるため、葛餅や葛切りなど和菓子に活用されます。
コンスターチがなくても大丈夫!特徴を理解して料理の幅を広げよう
コーンスターチ特有の口どけの良さや軽さ、絶妙なとろみは、ほかの粉類で完全に再現できるわけではありませんが、片栗粉や小麦粉、米粉などで十分に代用可能です。
とろみ付けには片栗粉、カスタードには小麦粉、のようにそれぞれの特徴や好みの食感に合わせて代用品をチョイスするのがおすすめです。ぜひ試してみてくださいね。
とろみ付けには片栗粉、カスタードには小麦粉、のようにそれぞれの特徴や好みの食感に合わせて代用品をチョイスするのがおすすめです。ぜひ試してみてくださいね。
【参考文献】
(2025/10/24参照)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
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