ライター : Uli

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リスドォルで本格。フランスパンのレシピ

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調理時間 360
リスドォルは、伝統的なフランスパンの風味を目指して作られた準強力粉で、皮がパリッと香ばしく焼き上がるのが特徴です。パン屋やパン教室で使われることがあるほど、おいしさに定評があります。

ご紹介するのは、リスドォルで作る比較的簡単で失敗しにくいフランスパンのレシピ。パンシェルジュである筆者が何度も焼いて気付いた、家庭でおいしく焼けるポイントもあわせてご覧ください。難易度の高いフランスパンですが、ポイントを押さえれば大きな失敗なくおいしく焼き上がりますよ。

材料(2本分)

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  • 準強力粉(リスドォル) 250g
  • 5g
  • モルトパウダー(省略可) 0.5g
  • ドライイースト 1.5g
  • 170~175cc

作り方

1.準強力粉、モルトパウダー、水を混ぜる

粉類に水を注ぐ様子

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ボウルに準強力粉(リスドォル)とモルトパウダー、水を入れ、粉気がなくなるまで混ぜます。

2.ドライイーストをふりかけて30分置く(オートリーズ)

ドライイーストをふりかけた生地をボウルに入れて休ませる様子

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生地の表面にドライイーストをふりかけ、ラップをして30分室温で置きます。オートリーズをすることで、準強力粉と水がなじんで生地が扱いやすくなります。 ※ドライイーストは生地と混ぜません。生地の表面にふりかけることでドライイーストを湿らせ、こねる工程で生地となじみやすくするのが目的です。

3.台の上でこねる

生地を台にこすりつけてこねる様子

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台に生地を出し、ドライイーストがなじむまで1分ほどこすりつけるようにこねます。

4.塩を加えてこねる

生地に塩を加える様子

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塩を加えてさらにこねます。生地に弾力が出て、台や手につきにくくなるまで5~10分こねます。生地の一部をゆっくり引っ張って伸ばし、薄めの膜ができてゆっくり破れるくらいの状態になれば次の工程に進みます。ソフト系のパンほどこねる必要はありません。

5.室温で置く(一次発酵前半)

生地をボウルの中で発酵させる様子

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生地の表面がなるべく張るようにまとめてボウルに入れ、ラップをかけて室温(25℃前後)で90~100分置きます。

6.取り出して折りたたむ(パンチ)

三つ折りにした生地

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台に打ち粉(分量外)をして生地をやさしく出し、かるく空気を抜いて上下に三つ折りし、さらに左右に三つ折りします。表面が張るようにまるめて、ボウルに戻します。

7.2倍に膨らむまで置く(二次発酵後半)

ボウルの中の生地がふっくら膨らんだ様子

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ラップをかけて室温で60~90分ほど、生地が約2倍に膨らむまで置きます。

8.分割する

生地をカードでふたつに分割する様子

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生地を2つに分割します。べたつきのある生地のため、ここからは適量の打ち粉(分量外)をしながら作業します。

9.生地を休ませる(ベンチタイム)

三つ折りにした生地がふたつ並ぶ様子

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生地の表面が張るように左右に三つ折りし、さらに上下に三つ折りをします。とじ目を下にして置き、かたく絞った濡れ布巾をかけて20分ほど休ませます。

10.細長く成形する

生地の上1/3を中心に向かって折る様子

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生地を押さえてかるくガスを抜き、上下の三つ折りにします。上1/3を中心に折って指先(もしくは親指のつけ根)でやさしく生地を押してなじませます。このとき、生地表面を張らせるように指を上に押し込むとより良いです。同様に下1/3の生地も中心に折ります。
生地を上下の二つ折りにする様子

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上下の二つ折りにします。親指を生地に食い込ませるようにして折り、片方の指先(もしくは親指のつけ根)でとじめを押さえてなじませます。表面を張らせることを意識して作業します。ここであまり表面が張っていないと感じたら、もう一度上下の二つ折りします。
細長く伸ばした生地

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28cm前後になるよう、とじめを上にしたまま生地の中心から端に向かって、揺するように伸ばします。伸ばしたら、とじめをつまんで一直線になるように形をととのえます。

11.ふっくらするまで置く(最終発酵)

パンマットの上に生地を並べた様子

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パンマット(クッキングシートでも可)にとじめが下になるよう生地を移し、まっすぐ発酵するように畝(溝)を作ります。かたく絞った濡れ布巾をかけ、生地がふっくら膨らむまで室温で50~60分ほど置きます。 ※発酵完了の目安は、生地の表面を指でやや強めに押してみて、ゆっくり生地が戻ってくるくらいです。

12.オーブンを予熱する

天板ごとオーブンを予熱する様子

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最終発酵をしている間にオーブンに天板を入れ、230~300℃に予熱します。温度はお使いのオーブンが出せる最高温度に設定します。スチーム機能がある場合は使用します。 ※オーブンの天板を逆さにして入れているのは、天板の段差をなくして生地を入れやすくするためです。必須ではありませんので、慣れている方法で天板をお使いください。

13.クープを入れる

生地にクープを入れる様子

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生地に取り板やまな板を添えてころがすように移し、とじめが下になるようにクッキングシートにのせます。生地にかるく打ち粉(分量外)をふり、縦中心にやや斜めのクープを3~4本入れます。刃を45度くらいに寝かせて皮を1枚削ぐイメージです。深さは3~5mmが目安です。 ※クープを入れることで空気の逃げ場を作り、膨らみを良くしたり破裂したりするのを防ぎます。3~4本入れるのがむずかしければ、縦に1本入れるだけでも十分です。

14.表面に霧吹きをする

生地に霧吹きをする様子

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表面に霧吹きをして、まんべんなくうっすら濡らします。スチーム機能を使う場合であっても霧吹きしておくのがおすすめです。

15.オーブンで焼く

オーブン庫内でフランスパンが焼ける様子

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熱した天板に生地をクッキングシートごとすばやく移します。250℃以上出るオーブンを使う場合は、最高温度(250~300℃)で8~10分焼き、温度を230℃に下げて12~15分焼きます。最高温度が250℃未満の場合は、230~240℃で20~25分焼いて完成です。 ※途中で焦げそうになったら温度を200℃まで下げるか、天板の前後を入れ替えます。

パンシェルジュが解説!レシピのコツ・ポイント

コツ・ポイント

  1. 生地表面を張らせるように意識して成形する
  2. オーブンの天板ごと予熱して熱しておく
  3. 霧吹きやスチーム機能を利用して膨らませる

生地表面を張らせるように意識して成形する

成形する際は形をととのえるだけでなく、中心に芯を作って表面を張らせるイメージでおこないます。表面に張りがあるとクープが入れやすく、しっかり膨らむきれいなフランスパンが焼けますよ。とじめを下にして焼くため、とじめの位置を見失わないようにするのも重要です。

オーブンの天板ごと予熱して熱しておく

オーブン予熱時に天板も一緒に熱しておきましょう。生地を熱い天板にのせることで、底からも熱が入って均一に火が通ります。さらに、オーブン庫内の温度が下がりにくくなるのもメリットです。冷たい天板に生地をのせて焼くと、生地内部の目が詰まったり、底が割れたりするので注意しましょう。

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