ライター : Raico

製菓衛生師 / スイーツ&フードアナリスト / フードライター

準強力粉とは?

Photo by macaroni 料理家 えも

準強力粉とは、強力粉と中力粉の中間程度のはたらきをもつ小麦粉です。硬質小麦を原料とし、たんぱく質の割合は約10~11.5%。強力粉に近い性質がありつつもグルテンは強すぎず、灰分と呼ばれるミネラル分が多いのが特徴です。

適度な弾力があって歯切れがよい仕上がりに向いており、ハード系のパン、クロワッサン、スコーン、パウンドケーキなどにおすすめ。フランスパンに使われることも多く、「フランスパン専用粉」と呼ばれることもあります。(※1)

強力粉・中力粉・薄力粉と準強力粉との違い

強力粉

強力粉は準強力粉と同じく硬質小麦を主原料とし、たんぱく質の割合は約11.5~13%と高いです。グルテンの質がとても強く、粒子は粗め。生地の弾力が強くてよくのびるため、ふっくら焼けてもっちりした食感に仕上がります。

向いている用途は、食パンやベーグル、ピザ生地、ナンなどのほか、中華麺やパスタ、水餃子の生地など。手触りはさらっとしているため、打ち粉としても使われます。(※1)

中力粉

中力粉は、硬質と軟質の間程度の硬さをもつ中間質小麦が原料です。たんぱく質の割合は約8.5~10.5%で、準強力粉よりもたんぱく質が少なくグルテンはやや弱めです。適度に弾力があって生地が伸びます。

主にうどんに用いられ、「うどん粉」と呼ばれることも。そうめんや餃子の皮、お好み焼きにも使われます。(※1)

薄力粉

薄力粉は、たんぱく質量が少ない軟質小麦が原料です。準強力粉よりもたんぱく質がとても少なく、たんぱく質の割合は7.0~8.5%。グルテンが弱く、粒子がとても細かいのが特徴です。

主にお菓子全般や天ぷらなどに使われることが多く、ケーキはふんわりやわらかくクッキーはサクサクになり、天ぷらはさっくりと軽く揚がります。ダマになりやすいのでふるいにかけたり、粘りを出さないよう切るように混ぜたりして使用するのがポイントです。(※1)

強力粉・準強力粉・中力粉・薄力粉の違いまとめ

小麦粉は、たんぱく質の含有量によって分類されています。たんぱく質の割合が高い順に、強力粉・準強力粉・中力粉・薄力粉で分けられ、たんぱく質の割合が高いほど弾力や粘りが出やすいです。

小麦粉は多くの食品に使われており、用途によって使用する種類は変わります。それぞれの特徴や用途を、以下の表にまとめました。
種類特徴用途
準強力粉グルテンがやや強く粒子がやや粗いフランスパンといったハード系のパン、クロワッサン、スコーン、パウンドケーキなど
強力粉グルテンがとても強く粒子が粗い食パンやベーグル、ピザ生地、ナンなどのほか、中華麺やパスタ、水餃子の生地など
中力粉グルテンがやや弱く粒子が細かいうどん、そうめん、餃子の皮、お好み焼きなど
薄力粉グルテンが弱く粒子がとても細かいケーキやクッキーなどのお菓子全般、天ぷらなど

よくある質問

ほかの小麦粉で準強力粉を代用できますか?

ほかの小麦粉で代用する場合、強力粉と薄力粉を8:2で混ぜる方法があります。割合は目安で、使用する小麦粉によってたんぱく質の含有量が異なるため、混ぜる量を調整することが必要です。

ただ厳密にはたんぱく質の量を同じにして混ぜても、準強力粉にはなりません。小麦の風味が劣る、酵素が少なく膨らみにくくなるなど、仕上がりが変わってくるため気をつけてください。
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