ライター : 相羽 舞

管理栄養士

赤ちゃんの離乳食を始めるのはいつから?

離乳食の開始は生後5~6か月頃が適当とされていますが、発育や発達には個人差があるため、あくまでも月齢は目安です。月齢のほか、赤ちゃんの行動(サイン)が離乳食を始める判断基準となります。

どのような行動が見られたら離乳食開始のタイミングなのか、具体的に見てみましょう。(※1)

離乳食を始める参考に。赤ちゃんのサイン

離乳食開始のサイン

  1. 食べ物に興味を示すようになる
  2. 首がしっかりすわっている
  3. 寝返りができるようになる
  4. 支えてあげると5秒以上すわれる
  5. 口にスプーンを入れても押し出さなくなる
  6. 手にしたものを口に持っていく
  7. 大人が食べる様子に興味を示す
  8. 食べ物を見ると喜んでよだれが出る
首すわりや寝返り、おすわりができるといった体の発達のほか、赤ちゃんが食べ物に興味を示し始めたら、そろそろ離乳食開始のサインです。

スプーンを口に入れても押し出さなくなるという行動は、大脳の発達に伴い生まれつきもつ「哺乳反射」が減少するためにみられます。この行動が見られ、哺乳反射がなくなるのが生後5~7か月頃といわれていますよ。(※1,2)

離乳食の始め方と注意点

ポイント

  1. スプーン1さじのおかゆから始める
  2. 離乳食のほかにミルクや母乳を与える
  3. 初めての食材は病院に行ける時間に挑戦する
  4. 赤ちゃんの機嫌や体調が良いときにする
  5. できるだけ決まった時間にあげるようにする
まずは、すりつぶした10倍がゆをスプーン1さじから始めましょう。できるだけ決まった時間にあげるようにし、慣れたら少しずつ量を増やします。

初めて食べる食材は、万が一食べたあと体調に異変があった場合のために、病院に行ける時間に試すようにしてくださいね。一日1回の離乳食以外に、母乳やミルクはリズムに沿って欲しがるだけ与えましょう。(※1,3,4)

いつからいつまで?離乳食初期~完了期の進め方

初期中期後期完了期
離乳食の固さや大きさなめらかにすりつぶした状態舌でつぶせる固さ
みじんぎり程度の大きさ
歯ぐきでつぶせる固さ
5~8mm角程度の大きさ
歯ぐきで噛める固さ
1cm角程度の大きさ
月齢の目安生後5~6か月頃生後7~8か月頃生後9~11か月頃生後12~18か月頃
歯の生え方の目安乳歯が生え始める1歳前後で前歯8本が生えそろう
完了期の後半頃、奥歯が生え始める
食べ方(摂食機能)の目安口を閉じて飲み込む口唇が左右対称に動く
舌と上あごでつぶせるようになる
口唇が左右非対称に動く
歯や歯ぐきでつぶせるようになる
歯を使って食べるようになる
(※1,5)
初めはなめらかでトロトロの状態から、発達に応じて少しずつ形や固さを残して進めていきます。うまく食べられているかどうかは、口の動きをよく観察してみましょう。

舌の前後運動から、唇が左右対称に引っ張られる様子が見られるようになり、歯ぐきでつぶせるようになると、噛んでいる方向に唇が寄るようになります。

【Q&A】離乳食の開始は一般的に生後5ヶ月?6ヶ月?

A:生後6か月頃に始める人が多いようです。

厚生労働省による「平成27年乳幼児栄養調査」では、離乳の開始を6か月頃からとした人が約45%と、もっとも多かったとのことです。平成17年の調査では生後5か月から始める人がもっとも多かったものの、10年間で一般的な開始時期が1か月遅くなっているのがわかります。(※1)

【Q&A】生後4ヶ月の赤ちゃんには何を与えればいい?

A:離乳食開始前は母乳またはミルクを与えましょう。

生後4か月の赤ちゃんは、まだ離乳食開始前であり、最適な栄養源は母乳またはミルクとされています。以前推奨されていた離乳開始前に果汁を与えることについては、栄養学的な意義は認められていないため、あえて与える必要はありません。(※1,6)
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