ライター : とも

子育てフードライター

火鍋はどこの国の食べ物?

火鍋の読み方は「ひなべ」で、中国を中心に香港や台湾、マレーシア、シンガポールなどアジアで親しまれている鍋料理を指します。中国語で「火にかけて煮込みながら食べる鍋料理」という意味がありますよ。

日本でもブームになっているように、アジア圏以外でも専門店が登場するほど注目されている料理のひとつです。

火鍋の歴史

火鍋のルーツには諸説あり、明確な歴史は分かっていません。一説によると、中国の青銅器「鼎(かなえ)」で煮た肉を神に捧げたのが始まりといわれています。

ほかにも、現在の内モンゴルや中国四川省が発祥という説も。古くから羊肉を食べる文化があり、羊肉料理が進化して火鍋になったともいわれています。

火鍋の特徴・食べ方

※画像はイメージです

日本で「火鍋」というと、中央に仕切りが入った鍋で作られるのが一般的。これは中国式の火鍋で、「白湯(パイタン)」と呼ばれる白いスープと、赤唐辛子や豆板醤などで味付けされた「麻辣(マーラー)」という赤いスープが入っているのが特徴です。それぞれのスープに野菜や魚介類などを入れて食べます。

どんな味?

白湯スープは、魚介の旨みが染み出たやさしい味わい。麻辣スープは豆板醤やみそ、ごま油などが入っていてこっくりとしたピリ辛味が特徴です。具材や味付けは、地域や家庭、店によってさまざまで、明確な定義はありません

鍋の仕切りは「陰陽」を意味しているという説も

火鍋に使われる鍋の仕切りは、まっすぐだけでなく波型になっているものがあります。一説によると、対極である辛いスープと辛くないスープを同時に味わうことから「陰陽」に見立てて考案されたといわれています。この形の鍋は、別名「鴛鴦(おしどり)鍋」「ユエンヤン鍋」とも呼ばれています。

別の説では、三国時代に鍋を5つに分け、甜(甘味)・酸(酸味)・咸(塩味)・苦(苦味)・辣(辛味)の「五味」の食材を入れたのが起源ともいわれています。

火鍋は種類が豊富!

前述の通り、火鍋は地域によってさまざまな種類があります。ここでは、主に中国で食べられている伝統的な火鍋の特徴を地域別にご紹介しますね。

◆重慶・四川省
花椒と赤唐辛子を効かせる辛いスープが特徴です。肉や野菜のほか、鶏の内臓を入れることも。

◆広東省
海に面している広東では、えびやかカニ、貝類などを具材にする火鍋が主流。スープは辛くなく、あっさりしていて食べやすいです。

◆雲南省
特産のきのこをふんだんに使うのが特徴です。野菜や肉も使い、比較的あっさりしたスープでいただきます。

◆江蘇省・浙江省
食用菊を入れるのが特徴。スープは魚でだしを取り、豆腐や肉、野菜などを入れて食べます。辛くないので日本人にもなじみのある味わいです。
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