ライター : macaroni 編集部

4月の手仕事:「干したけのこ 」作り【神谷よしえさんの12カ月の手仕事 #10】

Photo by 渡邊康昭/UP inc.

4~5月は、たけのこがおいしい季節。毎年この時期には、たけのこ料理を必ず作るという方も少なくないでしょう。

毎月、生活の知恵ともいえる手仕事と季節のレシピを教えてくださっているフードアドバイザーの神谷よしえさんも、「この時期はたけのこが採れすぎたり、ご近所からたくさんもらったりして消費に困るという話をよく聞きます。そんなときは、干したけのこがおすすめですよ」と話します。

そこで連載の10回目は、たけのこのおいしさをそのまま保存できる「干したけのこ」の作り方と活用レシピをご紹介します。

Photo by 渡邊康昭/UP inc.

フードアドバイザー・調味料ソムリエプロ/神谷よしえさん 大分県宇佐市出身。伝承料理研究家の母が設立した台所だけの建物「生活工房とうがらし」を継承。「ごはんはエール」をテーマに人と人を繋ぎ、産地と料理人を繋ぐ活動や国内外でおにぎりや調味料の講演やセミナーなどをおこなっている。趣味はおにぎりを握ること
「春の味覚といえば、やっぱりたけのこ。でも、たけのこは鮮度が命で採ってから時間が経つほど硬くなって味が落ちるので、すぐに調理することが大事です。

我が家も昔は近所に竹林があり、まだ幼かった息子が毎年大量にたけのこを掘り当てていました。今振り返れば何をあんなに躍起になっていたのかとも思いますが、“もったいない”という気持ちで、春はたけのこのアク抜きに追われていたんですよ(笑)。

そうした経緯から、消費しきれないたけのこを上手に活用する方法として、干したけのこにたどり着きました。干したけのこは、熊本を中心に九州地方の特産品でもあるんです」

おいしい春の味覚をギュッと凝縮!干したけのこのレシピ

Photo by 渡邊康昭/UP inc.

調理時間:2〜3日(干す時間を含む)
保存期間:1年


「たけのこは、下処理がむずかしいイメージがありますよね。ゆでるのには時間がちょっとかかりますが、やり方は意外と簡単。干したけのこも最初こそ少し手間がかかるものの、できあがれば水で戻すだけでさまざまな料理に使えるので便利です。

ただし、保管には要注意。自宅で乾燥させたものは乾き具合にムラが出やすく、チャック付きのポリ袋や保存容器などで密閉するとカビが生える可能性も。紙製の箱や新聞紙など通気性のあるものに入れ、日の当たらない常温で保存するのが正解です。

逆に梅雨時期は、チャック付きポリ袋に乾燥剤を入れて密閉して保存するほうがよいでしょう」

材料

・たけのこ……2本(手持ちの鍋に入るくらいの大きさ)
・米ぬか……1/2カップ
・赤唐辛子……2本

「たけのこは、収穫から時間が経つにつれてえぐみが強くなるため、購入の際はできるだけ新鮮なものを選びましょう。

新鮮なたけのこは、穂先が黄色く、皮は薄茶色、切り口が真っ白でみずみずしいです。また伸びて大きくなったたけのこよりも、短くてずっしりと重いもののほうがおいしいので、選ぶ際の参考にしてください」

作り方

1. たけのこを洗い、切り込みを入れる

たけのこは皮ごとよく洗い、穂先を斜めに切り落とします。切り落とした部分から、包丁で縦に切り込みを入れます。

「包丁で縦に切り込みを入れるのは、あとで皮を剥きやすくするためです。包丁を入れる深さは、1~2cmほどがよいでしょう」

2. 鍋でゆでる

Photo by 渡邊康昭/UP inc.

深めの鍋に材料をすべて入れたら、ひたるほどの水を注ぎ中火にかけます。沸騰したら弱火に変え、吹きこぼれに注意しながら2時間弱ゆでます。

「根本に串を刺して、串がスーッとスムーズに通ったらゆで上がりのサイン。火を止めましょう」

3. 粗熱を取り、皮を剥く

Photo by 渡邊康昭/UP inc.

火から下ろしたら自然と冷めるのを待ちます。よく冷めたら、縦に入れた切り込みから丁寧に皮を剥きます。

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