9. コクと旨味とさっぱりと。Wスープの華やかな味「スープカリーキング」(2007年)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

名前こそ似ていますが、ストイックでミニマルな味を追求する「コング」とは対照的に、こちら「SOUP CURRY KING(スープカリーキング)」の味は華やかそのもの。旨み、コク、サッパリを共存させたWスープが掛け値なしにおいしいのです。

ここのスープカレーをいただくと、ラーメン文化華やかな札幌で、スープカレー文化が栄えている理由が腑に落ちます。技巧を重ねたスープを極めていく、その点においてラーメンとスープカレーは同じなのですよね。

札幌市街の中心部、狸小路にも支店があるので、観光時にはそちらを利用するのも良いでしょう。

ラム野菜カリー

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,550円(税込) 納豆 +100円、チーズ ライスON +200円、辛さ 8番 +100円(税込)
羊の肉塊に驚愕!しかも風味もやわらかさも最高で素晴らしい。羊好きは絶対頼むべき品です。そしてスープはハッキリとすごい旨味。けれど重くはないんです。その秘密は、お店独自のWスープ。

鶏ガラ、ゲンコツを2日間かけてじっくり煮込み、香味野菜を加えた「コクスープ」と、昆布・煮干し・かつおぶしを贅沢にとった和風一番だしの「旨みスープ」。このふたつを合わせることで、「サッパリ」「コク」「旨み」が共存する、華やかな仕上がりになっているというわけです。

さらに納豆のトッピングもマスト。味や食感がさらに立体的になり、思わず「めっちゃうまい!」と言ってしまいますよ。
店舗情報

10. ヒゲを生やしたお客には割引アリ!?「すーぷかりー ひげ男爵」(2007年)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

店名のみならず、コンセプトもユニークな「すーぷかりー ひげ男爵」。ヒゲをたくわえた方、もしくはひげをつけている方はカレー100円引きという「ひげ割」が!(ちなみに私のような無精ひげは対象外のよう)

ただおもしろいだけではありません。和のテイストを取り入れた出汁感たっぷりのスープカレーには固定ファンも多数。油断してはならない実力店なのです。

シーフード

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

辛さ3 1,408円(税込) 仁淀川山椒(強)+110円(税込)
ぜひ頼んでいただきたいのが「シーフード」。ライスの上にイカリングフライ、フィッシュフライ、海苔。そう、「ひげ男爵」の顔になっているんですね。

スープ自体は出汁の旨味たっぷりで、油っこさがなくサラリとしたタッチ。食べ進むにつれて味わいが増すタイプですね。たっぷりの削り節がのっているのもポイントです。そしてもちろん、スープカレーの要というべき野菜もしっかりとした味わい。

お好みで仁淀川山椒をプラスすれば、口の中がスースービリビリ。ほかでは味わえない和の刺激も楽しめます。
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スープカレーは、札幌に欠かせないカルチャーに

札幌の街で進化してきたスープカレーの奥深さが、少しでも伝わったなら幸いです。けれども今回ご紹介したのは、氷山のほんの一角。なにせ札幌市内だけで200以上のお店があるのですから!

ご紹介したほか、「木多郎」「らっきょ」「ピカンティ」といった不動の老舗から、「ドミニカ」「奥芝商店」「Samurai.(サムライ)」「GARAKU(ガラク)」「SUAGE(スアゲ)」「ラマイ」など全国区の有名店、さらに「gop(ゴップ)のアナグラ」「トムトムキキル」といった気鋭のお店まで。

さらに歓楽街すすきのへ行けば、ラーメン店のように朝までやっているスープカレー店もあちこちに。スープカレーはもはや、札幌に欠かせないカルチャーの一部なんですよね。

※ 記事の内容は、公開時点の情報です。記事公開後、メニュー内容や価格、店舗情報に変更がある場合があります。来店の際は、事前に店舗にご確認いただくようお願いします。

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