スリランカ

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

激辛(30番)1,230円(税込)
チキン、野菜、玉子が入った「ポレポレ」の看板メニュー。ちなみにこのようなスープカレーがスリランカにあるわけでは決してありません。 あくまでも、札幌で誕生した「スリランカカリ」なのです(マスターいわく「うちは和風スリランカ」)。

油ひかえめ、和風だしがベースのスープにスパイスがじんわり。辛さ30番といっても決して無茶な辛さではありません。

ボリュームたっぷりな鶏もも肉はホロホロになるまで煮込まれています。じゃがいも、にんじんといった野菜のおいしさも北海道ならでは。辛さをリセットしたいタイミングで温玉を投入しましょう。

ビローンと伸びる自家製ヨーグルトも、食後の胃腸を労わってくれます。なんだか、あったかい気分になれますね。
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4. スープカレーカルチャーはここから。元祖にしてパイオニア「マジックスパイス」(1993年)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

今や札幌のご当地グルメとして愛されるスープカレー。その元祖といえるのが1993年創業、通称「マジスパ」こと「マジックスパイス」です。

それ以前にも「アジャンタ」や「ポレポレ」など、スープカレーと呼べるお店はいくつかあったものの、実際に「スープカレー」という名前をつけ売り出したのはこのマジスパ。ブームに火がつくなかで、昔からある店もひとつのジャンルに括られた経緯があります。

つまり「マジスパなくしてスープカレーなし」。サイケデリックな世界観で、今も唯一無二の存在感を放っています。

マジスパのスープカレーのルーツは、創業シェフである下村泰山さんがインドネシアの屋台で出会ったソトアヤム(鶏肉スープ)。辛さを抑えていただけば、お茶漬けのごとき癒しに。辛さをブーストすれば、異世界へのトリップ体験に。どっちへ転んでもクセになるおいしさなんです。

北恵道

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

1,254円(税込) 辛さ:涅槃(ねはん)+209円(税込)
ユニークなメニュー名や辛さ表現も、マジスパの特徴。この「北恵道(ほっけいどう)」は、チキンと道産野菜たっぷりの札幌本店限定メニューです。

元々インドネシアの鶏肉スープがベースなだけに、チキンの旨さは言わずもがな。もちろん道産野菜もうまい。意外にもコーンがスープにマッチして、最高なんです。

この日の辛さは、「摩訶不思議世界への入り口」と説明される「涅槃(ねはん)」を。その上には「極楽」「天空」「虚空」と言う辛さがあるのですが、いろいろ試した挙句、私は「涅槃」に落ち着いています。

いい感じに辛いけれど、いい感じにマジスパならではの “お茶漬け感” も残っているんですよね(辛さの感覚には個人差があります)。
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5. ディープ空間で個性派スープカレーを「ベンベラ・ネットワークカンパニー」(1994年)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

札幌市街の中心部、古いビルの奥にある小さなスープカレー店です。そのカオスな雰囲気は独特で、SF映画「ブレードランナー」に出てきてもおかしくないほど。

味の方向性も、ほかのスープカレー店とはだいぶ違っていて、随所にタイ料理のテイストが感じられるんです(創業時とは味がだいぶ変化しているという話も聞きます)。

ディープで、けれどカジュアルで、他店とくっきり異なる個性。札幌市内だけで200軒以上あるスープカレー店のなかでも、独特の存在感を放っています。

なお、スープ売り切れによる早仕舞いもあるので、余裕をもっての訪問をおすすめします。

十勝餃子ベジダブル

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1,050円(税込) 辛さ3番 100円、ライスなし -100円(税込)
北海道の新鮮食材をいただけるスープカレーですが、十勝餃子を具材としていただけるなんてありがたい!

その日によってスープが変わるようですが、この日オーダーしたのは基本の「エピローグ」。トマトの酸味と甘味、そしてナンプラーの旨味が加わって、タイのトムヤムのごとし。さらに、具材に混じってタイの幅広米麺「センヤイ」まで入っているんです。

麺と餃子が入っているので、ライスなしでも満足度は充分です。ちなみに、ライスをつけると半熟卵がのります。辛さ緩和に役立ちますよ。
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6. 納豆×スープカレーを発見した個性派レジェンド「村上カレー店プルプル」(1995年)

Photo by 松 宏彰(カレー細胞)

今日の札幌スープカレーの特徴である、“メイン具材を選び、辛さを数字で選び、ライスの量を選び、トッピングを選ぶスタイル” を最初に始めたのは、1984年創業の「スリランカ狂我国」だと言われています。もちろん当時は「スープカレー」という言葉もなく「スリランカカリ」として提供されていたのですが。

今はなき「スリランカ狂我国」から暖簾分けをされ、今もそのスピリットを継承しているのが「村上カレー店 PULU2(プルプル)」。スリランカカリを継承しつつも、レゲエ好き店主の好みで全面的にラスタ&ジャマイカに。

そして、実はこのお店、札幌では納豆カレーの元祖とも言われているんです。今やスープカレー店の定番トッピングに並ぶ納豆ですが、最初はここの名物だったんですね。

この店の味を受け継いだ「カレー魂 デストロイヤー」も大人気で、「スリランカ狂我国」からの系譜はまだまだ続くのです。
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