ライター : ヤマモトマコ

製菓衛生士・現役パティシエール

カスタードクリームは冷凍できる?

Photo by ヤマモトマコ

小麦粉やコーンスターチを使用して作ったカスタードクリームの冷凍は、おすすめしません。解凍すると離水してボソボソした食感になり、カスタードクリームの醍醐味であるとろけるような舌触りを失ってしまいます。

市販のカスタードクリーム入りのパンやシュークリームなどのお菓子も、冷凍はやめましょう。冷凍保存を想定せずに作られているカスタードクリームは、冷凍&解凍で離水してしまい、本来のおいしさが半減します。

手作りする場合は米粉を使用するのがおすすめ!

カスタードクリームを作る場合は、ホイップした生クリームを合わせてディプロマットクリームにするのもおすすめですが、根本的に離水問題を解決する方法は米粉を使用して作ること。カスタードクリームを米粉で作れば、冷凍&解凍しても離水せず、なめらかな状態を保つことができるんです。

米粉を使えばカスタードクリームで作るお菓子の幅がグンと広がります。小分けにして必要な分だけ必要なときに使ったり、手作りカスタードクリームパンを冷凍&解凍してもおいしくいただくことができますよ。

冷凍OK!米粉のカスタードクリームの作り方

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調理時間 10
保存期間:冷蔵で1~2日、冷凍で2週間

米粉を使うカスタードクリームのレシピです。冷凍により適した状態にするために、糖度と粘度を少し高めに作りましょう。炊き方は通常のカスタードクリームと同じなので、コツやポイントを押さえれば、どんなカスタードクリームも上手に炊けるようになりますよ。

材料(2人分)

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作り方

1.牛乳と無塩バターを火にかける

片手鍋に入った牛乳、無塩バターが、木製テーブルの上に置かれている様子

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牛乳と無塩バターを鍋に入れ、沸騰直前まで温めます。

2.卵黄とグラニュー糖を混ぜる

透明なボウルに入った卵黄、グラニュー糖を、泡立て器で混ぜ合わせようとしている様子

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卵黄とグラニュー糖をホイッパーで混ぜます。
透明なボウルに入った卵黄とグラニュー糖を混ぜたものに、泡立て器が入っている様子

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写真のように少し白っぽくなるまで混ぜましょう。含ませた空気がクッション代わりとなり、アツアツの牛乳を加えたときに卵黄が凝固してしまうのを防ぎます。

3.米粉、バニラエッセンスを加える

透明なボウルに入った卵液と米粉に泡立て器が入っており、木製のテーブルに置かれている様子

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米粉を加え、ダマがなくなるまでしっかり混ぜます。
透明なボウルに入った卵液に泡立て器が入っており、バニラエッセンスを振りかけている様子

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バニラエッセンスも加えます。

4.牛乳を加えて濾す

透明なボウルに入った卵液に、鍋で温めた牛乳を注ぎ入れている様子

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沸騰直前まで温めた牛乳を2~3回に分けて加えます。一度に加えると、卵黄が凝固してダマになるおそれがあるので止めましょう。
濾しながら鍋に入れるカスタードクリーム液が、ケーキラックの上に置かれている様子

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カスタードクリーム液を鍋に濾しながら戻します。

5.炊く

ホイッパーで混ぜている、鍋の中のカスタードクリーム

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鍋を中火にかけ、ホイッパーで絶えず混ぜながら火入れしていきます。全体を手早く混ぜて底が焦げないように注意してください。全体的にツヤが出て、カスタードクリームがポコポコと煮立ったら完成です。
ゴムベラですくったカスタードクリームの奥に、ケーキラックの上に置かれた片手鍋が写っている様子

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写真のように、なめらかでツヤがある状態になるまでしっかり炊きましょう。炊きが甘いとカスタードクリームがゆるくなったり、雑菌が繁殖しやすく食中毒の原因になったりします。

コツ・ポイント

米粉はキメの細かい製菓用を使う

米粉は製菓用の粒子の細かいものを使いましょう。キメ細かい米粉を使えば、カスタードクリームのなめらかさが段違いにアップします。製菓用米粉は、製菓材料のネットショップやAmazonなどで簡単に買うことができますよ。

ちなみに業務スーパーで売られている米粉は粒子が粗く、パウンドケーキやクッキーなどの焼き菓子には活躍しますが、カスタードクリームには不向きなので注意しましょう。

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