ライター : macaroni 編集部

監修者 : 上田 悠理

医師(形成外科医・在宅訪問診療医) ヘルステックプロモーター

にんにくを食べると違和感…?その理由はアレルギー?

にんにくをたっぷり使った料理を食べたとき、口の中がピリピリしたり、お腹が痛くなったりしたら要注意。もしかするとアレルギーの症状かもしれません。

食べる機会の多い食材だからこそ気を付けたい「にんにくアレルギー」。

その原因や症状、対処法について医師の上田悠理先生に教えていただきました。

にんにくを食べて違和感があれば食物アレルギーかも?

にんにくは、食物アレルギーの原因となることがある食材です。にんにくに含まれるたんぱく質(アレルゲン)に対し、体に備わっている免疫が過剰に反応してしまうことで、アレルギーの諸症状が起こります。

にんにくアレルギーと考えられる症状は以下の通りです。

にんにくアレルギーと考えられる症状

  1. 口のまわりや喉のかゆみ
  2. 息苦しさ
  3. 蕁麻疹
  4. 唇やまぶたの腫れ
  5. 下痢や嘔吐 など
上記を見てもわかるように多種多様です。重度の場合は、呼吸困難や意識障害など、いわゆるアナフィラキシーを起こすこともあります。

にんにくを食べたときに何らかの違和感があれば、アレルギーを発症している可能性があります。おかしいと思ったらすぐに摂取を中止してください。

にんにくの「におい成分」が原因の可能性も

にんにくやねぎに含まれるにおいや辛味の成分が原因で、下痢や腹痛など食中毒のような症状をきたすことがあります。

腹痛の原因となる代表的な成分は、硫化プロピルや二硫化アリル(ジアリルジスルフィド)など。二硫化アリルは、にんにく特有のにおいのもとであるアリシンが分解され生成されたものです。

硫化プロピルや二硫化アリルは、優れた抗菌・殺菌作用を持っている一方で、胃腸にとっては刺激が強すぎることも。これらの成分に対する分解酵素の作用がもともと弱い体質の人もいて、にんにくを食べ過ぎるとお腹が痛くなることがあります

硫化プロピルは加熱することで分解されますが、二硫化アリルは加熱しても成分が変性しません。つまり、二硫化アリルに反応してしまう人は、しっかり加熱したにんにくでも症状が出てしまう場合があります。

にんにくを食べると起こるアレルギー症状

にんにくアレルギーの症状

  1. 口の中や喉奥、唇などに生じるかゆみやチクチク、イガイガ感
  2. かゆみをともなう蕁麻疹や湿疹が出る
  3. 息苦しさや呼吸のしづらさを感じる
  4. 腹痛や吐き気、下痢や嘔吐 など
にんにくによって引き起こされる可能性のあるアレルギー症状は上記の通りです。

また、胃や腸にも浮腫(むくみ)が生じると、腹痛や吐き気などの症状があらわれます。にんにくを食べてお腹の調子が悪くなるのは、にんにくに含まれる二硫化アリルなどの刺激の強い物質が原因のこともあります。

「アナフィラキシーショック」が起こる可能性も

アナフィラキシーショックは、ショック症状をともなう重篤なアレルギー反応のことです。

多くの場合はアレルゲンを摂取した直後から数時間以内に、急激に血圧が低下したり、意識を失ったりしてショック状態に陥ります。すぐに対処しないと命にかかわる場合がある危険な状態です。

アナフィラキシーショックは、たまごや甲殻類など身近な食材が原因で起こり得ます。にんにくは、数ある食材の中で特別アナフィラキシーショックを起こしやすい食べ物とは言えないものの、注意しておくべき食材です。

にんにくを食べてアレルギー症状が出た場合の対処法

かゆみや蕁麻疹が出た場合

口の中や体にかゆみや蕁麻疹が出た場合は、にんにくそのものはもちろん、にんにくを使った料理をそれ以上食べるのをやめてください。口の中に残っているにんにくも除去しましょう。

イガイガ感やチクチク感などの不快な症状がなかなかおさまらない場合、水で口の中をゆすいだり、うがいをしたりして気を紛らわすのも効果的です。

かゆみを我慢できないときは、保冷材や濡れタオルなどで患部を冷やすと楽になりますよ。
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