新鮮できれいな野菜を捨て漬けに

Photo by 西村仁見

8. 捨て漬け用の野菜をぬか床全体に均等に漬ける

9. ポリ袋の中の空気を可能な限り抜き、しっかり閉めて温かい室内に置いておく

「料理で使った野菜の切れ端で結構ですが、その野菜自体がフレッシュできれいなものであることが大切です。良い菌をぬか床に与えるために、鮮度が高く、きれいに洗った野菜を捨て漬けに使うようにしてください。容量はぬか床の5~10%程度が目安です。野菜の種類はお好みで結構です」

Photo by 西村仁見

10. 翌日、野菜を取り出し、軽く絞るようにして、付着しているぬかと絞り汁を戻す

11. ぬか床を底からかき混ぜたあと、新しい捨て漬け用の野菜を漬け、9と同じようにする

「この工程を夏場なら2週間程度、今の季節なら3週間程度続けます。捨て漬け用の野菜にも個性があるので、毎日交換することで良い菌をぬか床が受け取れるようにするのがポイントです。やがてぬか床に大きな変化が現れます。そう、発酵がはじまるのです」

ガスで膨らむポリ袋。いよいよぬか床の完成へ

Photo by 西村仁見

「捨て漬け用の野菜からさまざまな微生物を受け取ったぬか床が自ら発酵し、その産物としてガスが発生します。そのガスによってポリ袋が膨らむので、見た目ですぐに変化がわかります。ポリ袋を使う利点のひとつです」

Photo by 西村仁見

「ポリ袋が膨らみ、ぬか床らしい匂いを感じたら、そのときの捨て漬け野菜を少し食べてみてください。ご自身の好みの味になっていたら完成です。捨て漬け野菜を取り出し、本漬けするための容器にぬか床を移し換えてください。上画像のような容器でも結構ですが、おうちで便利なのはチャック付きの保存用ポリ袋です。本漬けは冷蔵庫での保管になるので、やわらかく形状が自在になる容器がおすすめです」

さあ、完成したぬか床で、いよいよ本漬けです。でも食材をそのまま漬けるのではおいしいぬか漬けにはなりません。そのための下準備を、平井さんに教えてもらいました。

本漬け

ここでは、ぬか漬けにするとおいしい野菜の代表格、なすを使って本漬けを教わりました。

材料

Photo by 西村仁見

・なす……1~2本
・塩(みょうばんを混ぜたもの)……適量
※みょうばんの量は塩100に対しみょうばん6の割合

手順

下準備にもポリ袋が活躍

Photo by 西村仁見

1. ポリ袋になすを入れ、塩を適量まぶす

「塩揉みの工程も、ポリ袋を使うとスムーズです。塩にみょうばんを加えて揉むことで、漬け上がりのなすの色味が鮮やかになります」

Photo by 西村仁見

2. なす全体を塩でやさしく洗うような感じで塩揉みする

Photo by 西村仁見

3. 揉み終えたら、なすの表面に付いた余分な塩を落とす

Photo by 西村仁見

4. ぬか床の上側を掘り起こしてなすを埋め、ぬか床をかぶせて漬け込み、冷蔵庫で保管する

「チャック付きの保存用ポリ袋を使う場合は、なす全体をぬか床で包み込むように漬けるのがポイントです。ぬか床の量に合わせて漬けるなすの量も調整しましょう。欲ばらず、適量を漬けるのが基本です」

9~12時間でおいしく漬かる

Photo by 西利

5. 食べ頃になったら、なすに付いたぬかを払いながら取り出す

6. 余分なぬかを流水でさっと流し、水気をふき、食べやすい大きさに切る

わずか半日で、おいしいなすのぬか漬けが完成です。ほかの野菜を漬ける場合の下準備についても伺ったので、ご紹介します。

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