緑色野菜を色鮮やかにゆでるために

重曹のアルカリ性は、野菜の緑色を保つはたらきがあります。枝豆やそら豆、ほうれん草や小松菜などをゆでる際、お湯に重曹を加えると色鮮やかに仕上がります。なお、重曹には繊維をやわらかくする作用もあるため、ゆですぎには注意が必要です。(※1,10)
▼重曹の使い方まとめ【調理編】
用途具体的な使い方
アク抜きに水1Lに対して重曹を小さじ1杯程度加えて、ゆでたり浸けたりする
肉をやわらかく鶏むね肉や塊肉などをあらかじめ重曹水に浸けてから調理する
膨張剤として蒸しパンやお好み焼きに加える
(ベーキングパウダーにくらべてもっちり食感に)
緑色野菜を色鮮やかに緑色野菜をゆでる際、お湯に重曹を加える

重曹に向くこと・向かないことをまとめてチェック!

重曹に向くこと
(得意なこと)
・酸性の汚れを落とすこと
(油汚れ、皮脂汚れ、食べこぼし、焦げ付きなど)
・研磨作用を使って頑固な汚れを落とすこと
・イヤなにおいを消臭すること
・湿気の除去をおこなうこと
・食用はアク抜きや膨張剤などとして活用可能
重曹に向かないこと
(苦手なこと)
・アルカリ性の汚れには向かない
(水垢、石けんカスなど)
・トイレの悪臭にはクエン酸のほうが効果大
使用時の注意点・粒子が粗いので、手荒れ防止に手袋着用推奨
・やわらかい素材に使うと傷付く可能性あり
(漆器、プラスチック製容器など)
・湿気を吸うと固まるので、保管時は密閉容器に入れる

ベーキングパウダーやクエン酸との違い

ベーキングパウダーとの違い

重曹とベーキングパウダーにはどんな違いがあるのでしょうか。まず、重曹の成分は炭酸水素ナトリウムのみですが、ベーキングパウダーには炭酸水素ナトリウムに酸性剤や分散剤などが加わります。

また、重曹は “横に膨らむ性質” 、ベーキングパウダーは “縦に膨らむ性質” があります。重曹をお菓子作りに使うと焼き色がやや黄色味がかったり、多く使うと苦味が出たりしますが、ベーキングパウダーは焼き色や風味に影響を与えないという違いもありますよ。
重曹・横に膨らむ性質
・焼き色がやや黄色味がかる
・たくさん入れると苦味が出る
・素朴なお菓子や和菓子に向く
ベーキングパウダー・縦に膨らむ性質
・焼き色に影響を与えない
・風味を損なわない
・洋菓子に向く

クエン酸との違い

重曹と並んで「汚れ落としのアイテム」として活用されるクエン酸。両者の大きな違いは、重曹がアルカリ性なのに対し、クエン酸は酸性であるということ。

クエン酸は酸性のため、水垢や石けんカス、トイレの悪臭やアンモニア汚れ、電気ポット内部のカルシウム汚れなどに効果を発揮します。また、重曹と混ぜることで発砲するため、それを利用して排水溝のドロドロ汚れを落とすことも可能です。
重曹・アルカリ性
・酸性の汚れ(油汚れ、皮脂汚れなど)に使う
・消臭、吸湿作用がある
・研磨作用あり
クエン酸・酸性
・アルカリ性の汚れ(水垢や石けんカスなど)に使う
・アルカリ性の悪臭(トイレのにおいなど)に効果あり
・重曹と混ぜることで発泡する(排水溝の汚れに効果発揮)

重曹を掃除や調理に大活用!

重曹は掃除にも調理にも活用できる万能さが魅力です。重曹水やペーストがあれば、毎日の掃除に使えて便利ですね。また、むずかしいイメージのある山菜のアク抜きも、重曹を使えば失敗なくできますよ。ぜひいろいろなシーンで重曹を使ってみてくださいね。
【参考文献】
(2023/07/28参照)
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