エネルギー産生や皮膚の健康維持を支える「ナイアシン」

カニ100gあたりのナイアシン含有量は、8.0mgです。ナイアシンはビタミンB群の仲間です。糖質・脂質・たんぱく質からエネルギーを産生する酵素を補助するはたらきがあります。

不足すると、食欲が落ちたり、皮膚に発疹が起きたりするおそれが。サプリメントなどにより過剰に摂りすぎると消化不良、肝臓の障害が起きるため、食品から適切に摂りたい栄養素です。(※1,8)

コレステロールの消費に役立つ「タウリン」

タウリンは、たんぱく質が分解する過程で生成されるアミノ酸の一種です。貝類や軟体動物、カニなどに多く含まれています。

胆汁酸と結びついたタウリンは、コレステロールの消費を促したり、心臓や肝臓の機能を高めたりするはたらきがあります。また、視力の回復、インスリン分泌の促進作用なども。(※9,10)

抗酸化作用のある「アスタキサンチン」

アスタキサンチンは、カニ、エビ、サケなどに含まれる赤色の天然色素成分です。大量に発生すると細胞を酸化させて、体の組織にダメージを与える「活性酸素」。アスタキサンチンにはこの活性酸素のはたらきを抑制する、抗酸化作用があります。

ほかにも肌の潤いを守る、紫外線から体を守る、運動疲労を軽減するなどの作用が確認されている注目の成分です。(※11)

種類によって変わる?カニの栄養価を比較

たんぱく質亜鉛カルシウムビタミンB12ナイアシン当量
ズワイガニ13.9g2.6mg90mg0.35mg4.3μg10.0mg
タラバガニ13.0g3.2mg51mg0.43mg5.8μg4.3mg
毛ガニ15.8g3.3mg61mg0.47mg1.9μg4.5mg
ワタリガニ(ガザミ)14.4g3.7mg110mg1.10mg4.7μg6.3mg
(※1,12,13,14)
カニの種類別に栄養価を100gあたりで比較すると、たんぱく質がもっとも多いのは毛ガニ。

一方でビタミンB12を豊富に含むのはズワイガニ、タラバガニ、ワタリガニです。ナイアシンについてはズワイガニがほかのカニの2倍近く含んでいます。摂りたい栄養に合わせてカニの種類を選ぶとよいでしょう。

カニのカロリーと糖質量

重量カロリー糖質量
カニ1杯/可食部90g57kcal0.1g
カニの脚1本/可食部17g10kcal0g
カニの水煮缶1個/可食部125g77kcal3.6g
(※1,15,16,17)
(※糖質量の記載がないものは炭水化物量を参照しています。)
カニ1杯あたりのカロリーは57kcal、糖質量は0.1gです。

また、イカやエビと100gあたりで比べるとカニのほうが低カロリー。カニは魚介類のなかでもカロリーが低い食材であると言えます。(※18,19)

カニの栄養を効率よく摂り入れる食べ方

ビタミンB12やタウリンなど、カニに含まれる多くの栄養素は水に溶けやすい性質です。カニ鍋や、カニのゆで汁を利用した炊き込みご飯やスープなどにすることで、水に溶け出た栄養素を効率よく摂り入れることができますよ。

カニは高価で、手に入りづらいイメージをお持ちの方もいるかもしれません。そんなときは、スーパーで手軽に入手できるカニの缶詰を使用するのもおすすめです。(※7,10)
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