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この記事は、三越伊勢丹が運営する、「FOODIE」の提供でお送りします。
あさりの砂抜き、自信を持ってできていますか? 「海水と同じ3%濃度の塩水につける」とはわかっていても、実際に計算するのも、はかりを取り出すのも面倒! しかし、ペットボトルを使えばその手間を省いて適切な砂抜きができるという、驚きの方法があるのだとか。教えてくれるのは鮮魚のプロ、日本橋三越本店<吉川水産>の岡部悠人さんです。
Q&Aで徹底解説! あさりの正しい砂抜き方法
岡部さん曰く、「簡単に3%濃度の塩水を作るなら、ペットボトルで計量するといいですよ」とのアドバイスが。というのも500㎖の水に対し、キャップ2杯分の塩(約15g)を加えると、ちょうど海水と同じ3%の塩水になるのだそう。この割合さえ知っておけば、面倒な計量を行わなくてもすぐに砂抜きに必要な塩水が作れます。
使用する道具はペットボトルのほかにザル、ボウル、アルミホイルのみ。
【用意するもの】
◯あさり ◯ザル
◯塩 ◯ボウル
◯水 ◯500㎖のペットボトル
◯アルミホイル
実際に砂抜きの手順を見ていきましょう。あわせて、あさりの砂抜きに関する素朴な疑問も解決!
手順
1. あさりをこすり洗いする
殻の表面の汚れを取り除くため、あさりを両手で挟み、こすり合わせるようにして水で洗います。
「スーパーで購入したあさりはそれほど汚れていないので、さっと洗えば大丈夫です。潮干狩りでとってきたあさりを使う場合は、しっかり洗いましょう」
2. ボウルに、ペットボトルで計量した水とキャップで計量した塩を入れ、混ぜて溶かす
ボウルに水、塩を入れて溶かし混ぜ、海水と同じ3%の塩水を作ります。
3. ボウルにザルを重ね、あさりを浸ける
2のボウルにザルを重ねてあさりを入れます。塩水はあさりがひたひたになるくらいがベスト。あさりを入れたとき、塩水がひたひたよりも多いようであれば、捨てるなどして量を調整してください。少なければ、再度ペットボトルで計量して塩水を追加で作り、ちょうどいい量を目指します。ボウルの代わりにバットを使用しても問題ありません。
Q. ザルは必要?
A.「ボウルにザルを重ねると、砂がザルの下に落ちます。あさりが吐いた砂をもう1回吸わないために、ザルを重ねるのがおすすめです。バットで砂抜きする場合も同様に、網を重ねてあさりを入れるといいでしょう」
Q. 水の量は関係あるの?
A.「水に深く浸かっていると、あさりが酸欠になり死んでしまう場合があります。頭が少し出るくらいのひたひたの水分量にすれば、あさりが殻を開け閉めする時に塩水が適度に混ざり酸欠になるのを防いでくれます」
4. アルミホイルをかぶせて、そのまま1時間ほどおく
3にアルミホイル、もしくは新聞紙をかぶせ、常温のまま、スーパーで購入したあさりは1時間ほど、潮干狩りでとってきたあさりは半日ほどおきます。
Q. なぜアルミホイルをかぶせるの?
A.「砂の中の状態を再現するため、アルミホイルや新聞紙をかぶせて暗くします。光を遮ると同時に、あさりが水管から吐き出した水が勢いよく飛び出ることもあるので、周囲が汚れるのを防いでくれます」
Q. 冷蔵庫に入れなくていいの?
A.「あさりがもっとも活発になる温度は20℃といわれています。冷蔵庫に入れると冷たすぎて、あさりが砂を吐きません。ただし夏場は気温が高いので、涼しい場所におくか、ときどき冷蔵庫に入れるなどして、水温が20℃になるよう調整してください」
5. 水からあげて30分ほどおく
砂抜きしたあさりは水を捨ててザルにあげ、そのまま30分ほどおきましょう。塩分調整のため、しばらくおいて砂抜きで吸ってしまった余分な塩水を吐かせます。
Q. 砂抜きできたか確認する方法は?
A.「ボウルの水に砂が落ちていれば、確実に砂抜きはできています。また途中でアルミホイルをめくってみて水管が出ていれば、砂出ししている証拠です」
Q. あさりが砂を吐かないのは時間が足りないせい?
A.「正しい方法であさりを浸ければ、基本的に、1時間ほどで砂は抜けるはず。鮮度がいいあさりであれば、30分ほどでも十分です。1時間たっても砂が抜けないあさりは、鮮度がよくない可能性が。残念ながら生きのよくないものは、長時間塩水につけても、砂が抜けることはありません」
砂抜きしたあさりはシンプルに「酒蒸し」に!
あさりのうまみをシンプルに味わうなら「酒蒸し」がおすすめ。あさりと酒だけでパパッと簡単にひと品できあがるのが魅力です。
「うまみが溶け出た煮汁がまたおいしいので、捨てずにみそ汁に入れたりするのもおすすめですよ」
あさりの酒蒸し【レシピ】
材料(2人分)
◯あさり(砂抜きしたもの)…400g
◯酒…大さじ3 ※あさりの1/3が浸るぐらいが目安
◯万能ねぎ(小口切り、あれば)…適宜
作り方
ポイントは、火を通しすぎないこと。あさりは口がぱかっと開いた瞬間が一番おいしいのだそう。あさりがもともと持っている塩分があるので、調味料は不要です。
「今回はいちばんシンプルな酒蒸しのレシピをご紹介しました。ほかにもオリーブオイル、にんにく、唐辛子を入れて白ワインで蒸せば洋風の酒蒸しに。ごま油、にんにくを入れて紹興酒で蒸す中華風のアレンジにしてもおいしいですよ!」
毎日、魚介を取り扱うプロならではのスピーディで簡単なあさりの砂抜き法。ぜひ、ご家庭でも取り入れてみてくださいね。
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