ライター : 佐久間愛子

管理栄養士/糖尿病療養指導士/Webライター

タンパク質が多い食べ物には何がある?

タンパク質は筋肉や皮膚、髪などの体を構成する成分だけでなく、酵素や抗体といった体の調整機能にかかわる栄養素です。

そんなタンパク質は肉や魚、卵、豆、乳、穀類などに多く含まれます。食べ物から取り入れたタンパク質は、アミノ酸に分解・吸収されたあとに体に必要なタンパク質に再合成されます。(※1,2)

良質なタンパク質は動物性食品に豊富

タンパク質のなかでも、動物性食品や豆類には良質なタンパク質が豊富です。「良質なタンパク質」とは、食べ物から摂る必要のある、必須アミノ酸のバランスがよい状態の食べ物のことを指します。

そんな良質なタンパク質は肉や魚、卵、大豆、乳類に多く含まれています。(※1,2)

肉や魚以外からもタンパク質が摂れる

肉や魚には良質なタンパク質が豊富とされていますが、大豆や乳類もアミノ酸バランスが良好です。そのほかではオートミールやそば、ブロッコリーといった穀類や野菜類にもタンパク質が含まれているんですよ。

次からは、具体的なタンパク質の多い食べ物を見ていきましょう。(※2,3,4,5)

含有量をチェック!タンパク質が多い食べ物一覧

カロリータンパク質量
鶏むね肉(皮なし)105kcal23.3g
豚ロース肉248kcal19.3g
牛もも肉117kcal21.2g
142kcal12.2g
まぐろ102kcal24.3g
かつお108kcal25.8g
ししゃも152kcal21.0g
プロセスチーズ313kcal22.7g
(※100gあたり)
(※6,7,8,9,10,11,12,13)
まぐろやかつおは、肉類に比べて低カロリーで高たんぱく質です。さらに魚類、とくにまぐろにはEPAやDHAが豊富で、中性脂肪の低下作用も期待できますよ。

肉類は良質なタンパク質が豊富ですが、脂身が多いとその分カロリーも高くなりやすいため、ダイエット中は注意が必要ですね。

例として、豚ロース肉(脂身つき)と豚ヒレ肉(赤身)で比べると豚ヒレ肉のほうが低カロリーで、100gあたりで130kcalものカロリーの差がありますよ。(※2,14,15)

植物性タンパク質が豊富な食べ物

カロリータンパク質量
ブロッコリー37kcal5.4g
枝豆125kcal11.7g
木綿豆腐73kcal7.0g
糸引き納豆184kcal16.5g
高野豆腐104kcal10.7g
そば130kcal4.8g
オートミール350kcal13.7g
(※100gあたり)
(※3,4,5,16,17,18,19)
豆腐や納豆に、タンパク質が豊富なのはご存知のひとも多いでしょう。実はブロッコリーやそば、オートミールにもタンパク質が多く含まれているんです。

また、食物繊維は動物性食品ではほとんど含まれないため、植物性食品もバランスよく取り入れていきたいですね。(※20)

管理栄養士おすすめ!タンパク質が豊富な食べ物5選

タンパク質を手軽に摂りたい人向けの食べ物

  1. サラダチキン
  2. さばの水煮缶
  3. 納豆
  4. きな粉
納豆や卵をそのままごはんにのせれば、簡単にタンパク質が補給しやすいですよ。また、さばには中性脂肪低下作用が期待できる、EPAとDHAが豊富です。味噌汁やサラダに加えるなど、アレンジしやすいのも、さばの水煮缶をおすすめする理由のひとつです。

きな粉は、大さじ1杯でタンパク質が2.6g摂れるため、タンパク質のちょい足しにおすすめ。ヨーグルトや牛乳、豆乳といった食べ物に加えてみてはいかがでしょうか。(※9,14,18,21,22)

筋肉を増やしたい人向けの食べ物

  1. 赤身の牛肉
  2. 鶏むね肉
  3. まぐろ
  4. 木綿豆腐
  5. ブロッコリー
筋肉を増やすにはタンパク質が必要ですが、そのなかでもロイシンを意識すると、より筋肉増加が期待できるでしょう。

ロイシンは必須アミノ酸のひとつで、筋肉量を増やしたり維持したりするのにかかわるためです。ロイシンを多く含む食べ物は、牛肉や鶏肉のほか、まぐろやかつお、大豆類などです。

しかし、それだけで食べるのではなく、体の調子を整えるはたらきのある、ビタミンやミネラルが豊富な食べ物もしっかり摂ってくださいね。(※23,24)

ダイエット中の人向けの食べ物

  1. ブロッコリー
  2. 木綿豆腐
  3. 納豆
  4. さばの水煮缶
高たんぱく質で低カロリーなものを、ダイエット中は取り入れたいですね。またダイエットをするにあたって、極端な摂取量の制限や特定の食品のみの摂取は、必須栄養素が不足するおそれがあるため、避けたいものです。

ブロッコリーや納豆は食物繊維が、さばは鉄やカルシウムが豊富です。タンパク質を補給しながら、ほかの栄養素もおぎなえるものを選んでくださいね。(※25)
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