ライター : 大山 磨紗美

発酵食健康アドバイザー / 発酵文化人

酒粕とは

Photo by 大山磨紗美

酒粕は日本酒を作るときに出る絞りかすです。販売されているのは板状の板粕、おぼろ状のばら粕、保管しやすいように加工したペースト状があります。販売重量は数百グラムずつの小分けや4kgの大容量までと、形状もサイズもさまざま。正しい方法で保存すれば1年以上保管できるので、常備しておくと日々の料理で、酒粕独特の風味を楽しむことができます。

酒粕にはアルコールが含まれている

販売されている酒粕には、5~8%程度のアルコールが含まれます。調理をするときには、アルコールの沸騰温度である78℃以上でゆっくりと加熱をして、アルコールを飛ばすようにしてください。

酒粕の保存方法って?

常温保存

酒粕は保存温度が高いと熟成が進みます。それは酒粕に含まれる酵母が発酵を続けているためです。酒粕は未開封では常温で3ヶ月保存できます。常温で未開封の場合できるだけ直射日光のあたらない涼しいところで保存してください。常温で熟成が進むと、表面に粉が吹いたように見えたり、褐色が強くなったり、赤みが増したりします。これらは熟成段階の変化なので、食べても問題ありません。

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しかし、開封するとアルコールが飛んでしまい、雑菌が繁殖しカビが発生することも。開封後は表面をラップで密着させ密閉容器や保存袋に入れ、2週間以内に使い切りましょう。気温が高くなるなど保存環境の変化によって、思ったより早く発酵が進む場合も。袋が膨らんでいたら空気を抜くようにします。使い切れないときは冷蔵・冷凍保存に切り替えます。

冷蔵保存

酒粕は冷蔵で保存するのがおすすめです。保存袋に入れてできるだけ空気を抜き、冷蔵庫に入れます。冷蔵保存にすると、酵母の活動が抑えられるので熟成のスピードは落ちます。しかし、冷蔵でも少しずつ発酵は進んでいくので、ときどき様子を見て、常温保存と同じように、保存用の袋が膨らんでいたら空気を抜くようにします。色の変化も、常温保存に比べるとかなりゆっくりになります。

冷凍保存

長い期間保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。しっかりと空気を抜き冷凍庫で保存します。

酒粕は冷凍をしても硬くならないので、手でちぎることが可能。使うときに適宜、包丁で切ったり、手でちぎったりして取り出します。残りは再度ラップを密着させ、保存袋に入れましょう。

板粕の冷凍保存方法

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板粕はさまざまなサイズが販売されています。保存袋や冷凍庫のサイズに合わせて切ったあと、ラップを密着させるように包んで保存袋に入れます。硬くて薄いので立てて冷凍することも可能。冷凍するときに場所を取りません。

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