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海老のビスクの「ビスク」とは
ビスクとは、フランス生まれのスープのこと。甲殻類を裏ごしした、クーリと呼ばれるソースをベースに作られるので、クリーミーな味わいやうま味を楽しむことができます。ビスクは、このクーリを玉ねぎや白ぶどう酒、魚の出汁とともに煮詰めて濾し、生クリームで仕上げます。
ビスクは、足が細いなどの理由で、市場に出荷できない甲殻類を使用して作られるそうです。伊勢海老、オマール海老、ざりがにの一種であるエクルビスなどの甲殻類を皮ごと使い、それらを煮詰めて作られるので濃厚な風味になるんです!
ビスクの語源
ビスクの語源は、フランス・ビスケー湾に由来するとされるものと、ビスキュイ(bis cuites)という言葉に由来するという説があります。
ビスキュイは、フランス語で二度焼きの意味。こちらはビスケット(biscuit)と同じ語源で、甲殻類を炒め、スープを入れて煮込んだものを濾すという、2度の工程を経る作り方からきているのかもしれません。
ビスクソースとアメリケーヌの違いとは?
結論から言うとビスクはスープ、アメリケーヌはソースです。
双方とも甲殻類を使い、作り方もほぼ同じですが、アメリケーヌの正式名称は、アメリケーヌ・ソース。オマールエビの殻を炒めて作るソースで、トマト・香味野菜・ワインなどを加えて煮込み濾したものです。必ずトマトが入ることがポイント。
アメリカという意味のアメリケーヌですが、名前の由来は、フランスのブルターニュ地方の旧称、アルメリケヌからという説と、アメリカ帰りの料理人、ピエール・フレースが持ち込んだという説があるといわれています。
ブイヤベースとは違うもの?
ビスクと同じフランス生まれのブイヤベースは、たっぷりの魚介類を煮込んで作る具だくさんスープです。
甲殻類だけでなく、魚や貝、トマトや玉ねぎも入り、ニンニクとサフランの風味がついていることも特徴です。そのボリュームから、鍋料理ともいわれることもあります。ビスクは甲殻類を裏ごししたもので作りますが、ブイヤベースは、鍋で材料をぐつぐつ煮込んで作ります。
南フランスの漁師町の郷土料理であり、発祥の地であるマルセイユでは、「ブイヤベース憲章」もあり、昔ながらのブイヤベースの味が守られています。
ポタージュとの違いは?
フランス語では「ポタージュ」というとスープ全般を指すんです。ビスクやブイヤベース、コンソメなどもすべて「ポタージュ」。食材を鍋で煮込みブイヨンを作る、というのが由来になっているそうですよ。
日本では、さらっとしたものはスープ、とろみがついているのはポタージュ、というイメージを持つ方も多いと思いますが、フランスでは澄んだスープのことは「ポタージュ・クレール(potage clair)」、とろみのついたスープのことを「ポタージュ・リエ(potage lie)といいます。
じゃあスープの意味は?
古くはヨーロッパで、肉や野菜を煮込んだもに浸して食べるパン切れのことをスープと呼んでいたそうなんです。その後、スープはブイヨン(出汁)の意味になりました。また、オランダ語のソップにも由来しているようです。
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