ライター : macaroni_repro

たかが漬物、されど漬物。

この記事は、三越伊勢丹が運営する、食メディア「FOODIE」の提供でお送りします。
伊勢丹新宿店の食品フロアに、週替わりで各地の名店が出店するフードコレクション。ここで、漬物の量り売りをする<マルタケ>の「長芋本たまり漬け」は、1日200袋以上もの数を売り上げる大人気商品です。 漬物の脇役的イメージを見事に裏切る、美味しさの理由に迫ります。

人気ナンバーワン「長芋本たまり漬け」が作られるまで

歴史の面影を残す鎌倉市由比ヶ浜エリアに店をかまえる<マルタケ>。製法やこだわりの秘密を探りに店頭を訪ねました。

加工からパッケージまで、手作業だから生まれる味わい

創業から30年来、<マルタケ>の漬物はすべての工程を手作業で行っているそう。皮むきやカットはもちろん、なんとパッケージに至るまで一切、機械を使用しないんだとか。 「細かいことですが、包丁で切るのと機械で切るのとでは歯触りが変わってきます。一つひとつ、些細なことが積み重なって『うまく説明できないけどマルタケさんの漬物は美味しい』というお客さまからのうれしい言葉につながるのかなと思っています」と、代表の嶋村一弥さん。
<マルタケ>長芋本たまり漬け(100gあたり)411円(税込)
長芋本たまり漬けの製法は、まずタワシを使ってゴシゴシと念入りに洗うことから始まります。 ピーラーを使って皮をむき、割れやすい長芋は大きめの短冊切りにして、食感と見栄えをよくする工夫をしているのだそう。 それを変色防止のためにまず一度ミョウバンに一晩漬け込んだあと、さらにもう1日調味液に漬けるという手の込みよう。これらの作業のいずれが欠けても、美味しさは成立しないのかもしれません。

うまみが凝縮された希少な「味噌たまり」を使用

たまり漬けと聞くと、たまり醤油で漬けられたものをイメージしがちですが、長芋本たまり漬けに使用されているのは「味噌たまり」。それも国産原料を使用した味噌1トンからわずか約10kg(約1%)しか抽出できない、貴重な貴重なエキスなのだとか! 「味の決め手はやはり『味噌たまり』でしょうか。濁りを抑えるため、圧力を加えず重力に任せてにじみ出たものを使用しています。添加物も一切使用していませんので、口に入れたときにやさしくまろやかなうまみを感じていただけると思います」

オリーブやオレンジ大根などの漬物もおすすめ!

こだわりを聞きながら店内を見渡すと、「かぼちゃサラダ」や「オレンジ大根」など、ちょっと変わったカラフルな漬物がずらり。 なかでも目を引いたのが、長芋本たまり漬けに次ぐ人気商品だという「フレッシュオリーブ」です。果肉の味が濃いイタリア産のオリーブを塩のみで味付け。 種の周囲にこそうまみがある、とのことで種ぬきはしていません。噛めば噛むほどオリーブの風味を感じられるジューシーな漬物です。

<マルタケ>直伝! 家庭でできる長芋の漬物レシピ

訪問の最後に<マルタケ>の看板商品、「長芋本たまり漬け」が家庭で作れるレシピを教えていただきました。 「材料が違うのでまったく同じとは言えませんが、十分美味しく仕上がるはずですよ」と嶋村さんも自信たっぷり。 ちなみにプロが教えるよい長芋とは、皮が白くヒゲが少なめで太いもの。皮が白いほうがやわらかでシャキッとした歯ごたえになり、ヒゲが少ないとエグみが出にくいのだとか。

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