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りんごの「蜜」…実は甘くない?
ビタミンCが豊富に含まれていて、風邪予防にもよいとされているりんご。「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」というイギリスのことわざがあるほど、健康にもよいイメージが定着していますよね。
スーパーなどで1年中手軽に購入できますが、秋から冬にかけてがりんごの旬とされており、特に多く出回っていますよね。
そんなりんごですが、りんごを切った時に芯の周りについている「蜜」。この蜜が入っているほうが甘いと言われており、よいりんごの目安でもあります。でも、甘いと思ってその部分だけを食べても実は甘さを感じられないのだそうです。
これはいったいどういうことなのでしょうか。また、この「蜜」とは何なのでしょう。ここでは、りんごの蜜にまつわるお話とおいしいりんごの見分け方についてご説明していきます。
正体は「ソルビトール」という物質だった
実は、りんごの蜜の正体は「ソルビトール」という糖質アルコールの一種です。
ソルビトールは、砂糖に比べカロリーが低く、ダイエット食品や低カロリー飲料の甘味料などの添加物としても広く使われています。
りんごのソルビトールは、葉の光合成によって作られる物質で、葉から軸を通って果実のなかに運ばれていきます。そして、果実の中でソルビトールがりんごの本来の甘味である果糖やしょ糖に変換されます。これがりんごの甘みの元となっていたんですね。
りんごが完熟すると、ソルビトールは糖分に変換するのをやめ、水分を吸収して「蜜」になるのです。つまり、りんごに蜜が入っているということは、熟度がすすんでソルビトールが果実の中に蓄積された状態で、完熟しているのでおいしいりんごというわけです。
ただ、ソルビトール自体はしょ糖や果糖の5割〜6割程度の甘さしかないので、その部分だけを食べてもあまり甘くは感じないのです。甘くないりんごの蜜の正体はこういうことだったんですね。
りんごは虫歯になりにくい?
りんごに含まれるソルビトールは砂糖の約5割〜6割程度の甘味で、口腔内で細菌、酵素による有機酸の生成がほとんど無いので、虫歯の発生原因にならないと言われています。こういった理由から、ソルビトールはガムなどにもよく使われているんですよ。
また、りんごなどの果物は繊維も豊富に含まれているので、お菓子などと違って歯にくっつきにくいという点からも虫歯になりにくいのだそうです。
さらに、りんごに豊富に含まれているビタミンCは風邪予防にいいのですが、実は歯にもとてもいいんです。ビタミンCが足りていない場合、歯茎の出血が起こる場合があります。つまり、美肌や風邪だけでなく、歯茎を健康的な状態を保つなど、健康的な口内環境を作るうえでもビタミンCを摂取することが大切になります。
食べ過ぎには注意しながら、1日1個程度をいただくと歯にもからだにもいいですね!
蜜が茶色くなるのはなぜ?
時間が経つと、りんごは蜜の部分が茶色くなっていきますよね。それはどうしてなのでしょうか。
そもそも、りんごの果実の中でソルビトールが飽和状態になり、余分になった分が細胞と細胞の隙間にたまり、「蜜」のような状態になります。この部分も、日にちが経つとやがては果肉全体に吸収されて消えるのですが、一部が変色し茶色になることもあります。 その原因として「蜜褐変(みつかっぺん)障害」といって、ポリフェノールが活性酸素によって酸化することで褐変することが挙げられています。
高温の年に起こりやすく、早めの収穫をしてるところもあるようですよ。蜜入りりんごを買ったら、あまり長期保存せずにすぐに食べた方がよさそうですね!
酵素の働きを押さえるには、ビタミンC液、食塩水に浸すとよいそうですよ。食塩水はあまり濃いと味が落ちるので、0.85%くらいの濃度に約15分間浸すぐらいにしておくのがおすすめです。皮をむいたりんごをすぐに食べない場合も、食塩水に浸しておくと、色がかわりにくくなり、見た目もきれいなのでよいですよ。
甘くておいしいりんごの見分け方
スーパーや八百屋などでよく見かけるりんごですが、どれも同じおいしさとは限りません。ですが、せっかく買うのであれば食感がよく、たっぷりと蜜の詰まった甘くておいしいりんごが食べたいですよね。そこで、おいしいりんごの見分け方をご紹介します。
・同じ大きさのものでも重い方
・ツルが太くてしっかりしている
・全体が鮮やかな赤い色をしている
・りんごのお尻のほうが少し透き通ったような黄色みをおびている
こちらのポイントをおさえて、甘くておいしいりんごを選んでくださいね!
食べ頃のりんごの見分け方
せっかく買ったりんごも食べ頃を分かっていないと、早すぎて渋みが残っていたり、逆に日が経ちすぎて鮮度が落ちてしまったりすることがあります。このポイントをおさえて、食べごろのりんごをおいしくいただきましょう。
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