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体を温める食材、冷やす食材
「冷え」は万病のもととはよくいったもので、体が冷えると血の巡りが悪くなり代謝が落ちてしまううえに頭痛や疲れなどの諸症状も引き起こしてしまいます。気づいていないことも多いのですが、じつは暑い夏こそ「冷え」に気をつけたい季節です。
東洋医学では陰陽といって、食材を「体を温めるもの」と「冷やすもの」に分けて考えます。
陰:体を冷やすもの
陽:体を温めるもの
(どちらにも属さない中間の「中庸」に属するものもあります。)
体を温めるためには陽のものをなるべく摂取し、夏場の暑いときは陰の食材を摂取して体の中にたまった熱を逃がすという考え方です。
かなり大まかではありますが、私が目安でお伝えしているのは、暖かい土地でとれるものや夏に収穫される食材は、体の熱を逃がすために「陰」の食材が多いということ。逆に、寒い土地でとれるものや冬に収穫される食材には体を温める「陽」の食材が多いといえます。
例えば、陰陽の代表的な食材を挙げてみましょう。
陰の食材:精製した小麦、トマト、きゅうり、ゴーヤ、スイカ、メロン、バター、白砂糖、コーヒー、緑茶など
陽の食材:玄米、かぼちゃ、れんこん、桃、くるみ、しょうが、赤唐辛子、黒糖、紅茶など
もうひとつの目安は、食材の「色」。お米やお砂糖がわかりやすいですが、精製されたもの(白米、白砂糖など)は陰となり、精製されていないもの(玄米、未精製の砂糖)は陽となります。ほかに、同じごまでも白ごまは「陰」、黒ごまは「陽」と分類されるなど、色が目安になることもあります。
今回は、一年中出回っていて手に入りやすい陽の代表的な食材「しょうが」を使って、簡単に作れて、飲み物にもお料理にもアレンジがきくジンジャーシロップの作り方をご紹介します。作り置きもできておすすめですよ。
陽の食材、しょうがの効能
しょうがは、加熱したり乾燥させると、辛味の主成分であるジンゲロールがショウガオールに変化し、血液の循環をスムーズにし、身体を温めてくれる効果があります。
そのため、しょうがを砂糖と香辛料で煮込むことにより、ショウガオールを多く含むジンジャーシロップは、風邪予防や冷え性対策に最適なうえ、しょうがの香り成分が食欲増進などの働きがあるとされ、冬だけでなく夏にもおすすめの保存食です。作り方さえマスターすれば夏だけでなく一年中楽しめますよ!
自家製ジンジャーシロップの作り方
材料(自宅で作りやすい量)
・しょうが(皮をむいた状態)300g
・きび砂糖 300g
・お好みのスパイス 適量(※)
・水 300cc
・レモン果汁 大さじ1 程度
※ スパイスは、バラバラにならないように、お茶パックのようなものに入れておくと便利です。
・シナモンスティック(半分〜1本程度。適当な大きさに割っておく) / クローブ(3〜5粒)
・そのほか、カルダモン(中の粒のみを使用)や、唐辛子などもおすすめです。
◎ここがポイント
精製されていない砂糖や、香辛料(クローブ、シナモン、ナツメグ、フェンネル、赤唐辛子など)も、しょうがと同じく「陽」の食材です。
手順
1. しょうがをよく洗い、皮をスプーンなどでこそげとり、薄く(1mm程度に)スライスする。
◎ここでポイント
なるべく薄くしたほうが、表面積が大きくなり、しょうがの成分がシロップにうつりやすくなります。
2. 厚手の鍋に、スライスしたしょうが、きび砂糖、お茶パックに入れたスパイスを入れ、中火にかけ沸騰したら弱火にし、アクをとる。
3. しょうがが柔らかくなるまで30〜40分程度煮たら、最後にレモン果汁を加え火をとめる。
4. 煮沸消毒した瓶に入れて保存。あら熱がとれたら冷蔵庫へ。冷蔵庫で2〜3週間程度保存できます。
辛めのドライジンジャーがお好きな方は
しょうがを全量スライスにせず、一部をすりおろして使うとよりドライな味わいのシロップに仕上がります。
あとは、レモン果汁を入れる際に一緒に、すりおろししょうがを足すか、もしくは、できあがったシロップを水や炭酸で割る際にすりおろしを少し足すと、より辛み成分の強いジンジャーシロップができあがります。(ただし、すりおろしを加えることでシロップが多少濁ります)
いろいろな使い方で楽しもう
炭酸で割れば、自家製ジンジャーエールに。ビールで割れば、シャンディーガフになります。
夏場はアイスドリンクとして楽しめますし、冬場は、お湯割りやホットティーなど割って飲むのもおすすめ。
アイスやかき氷にシロップとしてかけて召し上がるのもおすすめです。
また、ジンジャーシロップはお料理にも使えます。オリーブオイル、マスタードなどとあわせて手作りドレッシングにしたり、お料理やお菓子づくりの際に砂糖の代わりに使うなどのアレンジができます。
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