世界一硬い食べ物「鰹節」の作り方。120日かかるその工程がすごかった!

世界一硬い食べ物が「鰹節」だと言われているのをご存知でしょうか。その硬さの理由は、カビによって鰹節の水分を吸収させることにあります。できあがった鰹節は、拍子木のように高らかな乾いた音を鳴らすほど。鰹節ができるまでと、その削り方を紹介します。

2019年3月7日 更新

鰹節はどれくらい硬いのか

鰹節は世界で1番硬い食べ物と言われています。世界中の食べ物を全て調べたという報告は見当たりませんので、正確な順位は不明ですが、それにしても、カンナで削って食べるくらいですから、相当な硬さであることは間違いないでしょう。

鰹節の次に硬いと言われているのが、中国(中華人民共和国)の「カンパオ(干しアワビ)」、その次にヨーロッパにある干し肉が続きます。しかし、これらとも比にならないほど、鰹節は硬いと言われています。

一部の情報によると、もし鰹節の硬度を計測したならば、水晶ほどの硬さではないかという話があります。食べ物の硬さを鉱物と比べるというのはいかがなものかとも思いますが、対比できる食材がないということなのかもしれませんね。

ちなみに、ダイアモンドをモース硬度(硬度を表す単位)の値で言うと10.0、水晶は7.0です。この結果を参考にすれば、鰹節がどれほど硬いと言われているかが分かりやすくなりますね。

硬い鰹節ができたのはいつ?

みなさんも、生活の身近な食材として長く鰹節に慣れ親しんできたと思います。しかし、いつから鰹をこのように加工して食べるようになったのでしょうか。

大手調味料製造会社によると、その歴史は室町時代以降にあるといいます。それまでは素干しした鰹を食べるか、干した鰹を煮た煮汁を調味料として活用していたようです。上流階級の料理が充実するにしたがって、様々な素材の味付けに厚みが求められ、「焙乾」と呼ばれる鰹の燻し調理が盛んになりました。これ以降、素材を引き立てる「だし」としての鰹節が重宝されるようになったといいます。

鰹節の繁栄は、「焙乾」の手法を紀州(現在の和歌山)の漁民が土佐藩(現在の高知)へ伝えたことから始まったそうです。当初は傷みの早かった鰹節を、土佐藩は江戸や大坂への貿易品にするため、改良に力を注ぎました。これが、現在の鰹節の原点です。

鰹節ができるまで

長期保存ができるように、なんらかの形でカチカチの鰹節ができたということになりますが、どうしたらあのようような硬さにできるのでしょうか?大海原で悠々と動き回っていた鰹が、カチカチの鰹節になるまでを調べてみましたよ。
1. 水揚げ
鰹は、近海漁業と遠洋漁業があり、近海でとれた鰹は氷水で保存、遠洋漁業の場合には超低温で一気に冷却保存し、水揚げ港まで持ち帰ります。
2. 生切り
水揚げされた鰹は、頭部と内臓を取り除き3枚におろします。筋肉部分にそって刃を入れることで、通常だと一尾から4つの鰹節が作られます。
3. 籠立て(かごだて)
生切りした鰹は、金属の籠に横向きにして立てるように並べていきます。曲がったりねじれたりした状態ではできあがりが悪くなるため、慎重な作業が必要です。
4. 煮熟(しゃじゅく)
籠立てした鰹を身くずれしないように、75〜90度のやや低温のお湯でじっくり60〜90分煮熟します。
5. 骨抜き
煮熟を終えた鰹を専用の水槽に入れて、不要な部分を除いていきます。その後、1本ずつ手作業で骨抜きをしていきます。皮は全てそがずに一部残しますが、これは、この後の焙乾工程の際に、身崩れを起こさないようにするためと、シワの様子からできあがりの目安を見るためです。
6. 水抜き焙乾
次に、骨抜きが終わった鰹の焙乾(燻し作業)に移りますが、1番初めの焙乾を「水抜き焙乾」と言います。これは、骨抜きした後の鰹は7割近くが水分のため、最初の焙乾は、水抜きをつけて呼んでいます。
7. 修繕
最初の焙乾を終えた翌日、身が欠けてしまったり、傷ついた部分を鰹の頭部や中落ち部分の肉をペースト状にしたもので修繕します。修繕が終わると再び焙乾をしてきます。
8. 間歇焙乾(かんけつばいかん)
鰹の水分はとれにくいため、焙乾は、職人が様子を見ながら、10〜15回ほど繰り返し行われます。水抜き焙乾以降を、「間歇焙乾」と言います。焙乾工程が終わったものは、表面がざらざらしていることから荒節と呼びます。
9. 削り
荒節を乾かしてから放っておくと、湿気を吸って柔らかい状態になります。これを、「カビ付け」がしやすいように、表面のタール分やにじみ出た脂肪分を削って成形。削り終わったものは、「裸節(はだかぶし)」と呼ばれるようになります。
10. カビ付け
裸節ができたら、再び2〜3日干して、干し上がったものに専用のカビを植え付けていきます。カビ付けに適した温度と湿度を保った室で約半月貯蔵します。これを1番カビと呼び、最初のカビ付けが終わったら表面をブラシで丁寧に払い、再びカビ付けと、日乾しを繰り返します。鰹の節に均等にカビが育つことで、カビが表面の水分を吸収し、乾燥を進めます。数日乾しては再度カビ付けする工程を、個体差を見ながら3〜6回行います。
11. 本枯節
およそ、120日ほどの全行程を終了すると、ようやく本枯節の完成です。最終的に、鰹の水分量は当初の1.5割程度になり、節どうしを合わせると、拍子木のようにカンカンと乾いた音を鳴らします。

鰹節の正しい削り方

やっとできあがったカチカチの鰹節。削り方にもコツがあるんですよ。正しい削り方をすると、香りがいいだけでなく、より良いだしをとることができます。

削り方

1. 鰹節(本枯節)を、乾いた布巾などで拭いて表面のカビを落とす

2. 削り器(かんな)の歯を最もうすく削れる状態(0.1㎜程)に調整する

3. 削り器の歯を自分の方に向けて、鰹節は頭部を手前に、尾の方を先方に向ける
※皮が残っているのが尾の方

4. 皮が残っている面を上にし、頭部を刃先にあてる

5. 先方に向けた尾の方が少し浮く感じで頭部側を削り器に押し当てて削る
※頭部の中程から押すように削る

尾の方から削ると、削り節が粉状になってしまうので注意してくださいね。

保存方法

まるまる1本を削りきることはなかなかないと思います。残った鰹節は、フリーザーバッグなどに入れてしっかり密閉し、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
▼参考動画|You Tube
鰹節が、1年の約3分の1をかけて作られるとは知らなかったみなさんも多いのではないでしょうか。時間と労力を重ねた結果、旨みの塊となっていたんですね。機会があれば、ぜひご自宅で削りたての鰹節を味わってみてはいかがでしょう。

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kamomm

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