連載

旅する台所の異国風生姜(しょうが)レシピ。季節に合わせてスパイスを。

季節に合わせたハーブとスパイスの使い方を提案する連載第一回。ハーブとして、伝統医学の薬として、食材として。今回は世界中で幅広く愛用されている生姜(しょうが)を使った健康になれる異国風レシピを、料理にまつわる旅のエピソードとともに紹介します。

2016年3月9日 更新

日中式 椎茸とれんこんの蒸し餃子風

故郷にある日本料理の店で祖父や家族と食卓を囲んで食べた、お弁当のなかのおかず。法事のあと大人たちに混ざって正座しながら食べた、お膳のなかのおかず。少し特別な場所で食べるものであったそのおかずが、私は好きでした。

ある日、家にある余りもので料理したところ意図せずに出来あがった、椎茸やれんこんにお肉の餡をのせ蒸したもの。それは、子どもの頃に好きだったそのおかずに通じるものを感じました。

お肉と豆腐と野菜の餡が餃子の種に似ているし、友人が中華街から持ち帰ってきてくれた蒸篭で蒸した料理なので、蒸し餃子風。

私が子どもの頃に故郷で食べた味と、中国から日本へ伝わった「生姜」と「餃子」の旅の連想を重ね合わせ、ほんのり中華風の日中式と名付けました。

五香粉(ウーシャンフェン)を使うことで異国の香りが増しますが、手に入らなければそれはそれで美味しく出来あがります。食材や調味料などお家にある材料で色んな組み合わせを試して、お気に入りのレシピを見つけてください。

「日中式 椎茸とれんこんの蒸し餃子風」のレシピ

材料
・塩
・こしょう
・五香粉(手に入らなければ、八角やシナモンなどで代用できます)
・みりん(なければ、お酒ときび砂糖などで代用)
・酒
・胡麻油
・生姜
・ひき肉(豚・鶏・牛など、好きなものを)
・豆腐(挽肉の1/3くらいの量を、水切りしておく)
・野菜のみじん切り(お好みの野菜で。今回はセロリと人参を)
・椎茸(かさの部分と軸の部分を分けて、軸はみじん切りに)
・れんこん(好みの厚さに切っておく)
・彩りのきれいな野菜
・香菜(シャンツァイ。パクチー、コリアンダーのことです。)
作り方
1. ボウルなどにひき肉と水切りした豆腐を入れ、塩、こしょう、五香粉をふり、みりん、胡麻油をまわしかけ、手のひらを使って混ぜこねする。
2. 野菜のみじん切りと椎茸の軸、ほんのり香りづけに酒を加え、さらに混ぜこねする。
3. 適度にまとまってきたら、混ぜこねしたての餡を椎茸の軸にこんもりとのせたり、れんこんとれんこんの間にはさむ。
4. 彩りの野菜といっしょに、蒸し器で蒸す。蒸し器のない場合は、フライパンなどで蒸し焼きにしても美味しいです。
5. それらすべてを器に盛りつけ、香菜を添える。
6. お好みで、こしょうや山椒、七味などをふりかける(分量外)。最後に胡麻油をまわしかけると、香りがたってさらに美味しくいただけます。

地中海風 あさりのジンジャーワイン蒸し

これまでの人生で、2回ほど地中海沿岸を旅したことがあります。初めての地中海の旅は、イタリア。ナポリからローマにかけてを鉄道で、途中ソレントという港町から離島をいくつか巡る旅。

「こんにちは」「ありがとう」「ビール(それと、ワインも)を一杯ください」
出発前に覚えたイタリアの言葉は、たったのそれだけ。とにかく歩いて、歩いて、食べて、飲んで、食べて、また歩いて。そんな旅の時間を過ごしました。

2度目の旅は、トルコ。カッパドキアからイスタンブールへ戻るまでのバスの旅。苦手だったオリーブが好きになったのは、トルコの旅で山ほどのオリーブを食べたから。バスの中から眺めた地中海、レモンの木々を背景に海が見えたのを憶えています。

イタリアの港町ソレントから船で渡ったカプリ島、そして漁師さんの島といわれるプロチダ島で食べた、大皿にドカっと盛られた貝のワイン蒸し。

生きてきたなかで一番うつくしいと感じた夕陽を見た直後だったからなのか、思いのほか大きなグラスで差し出されたビールを飲んだせいだったのか、なんの貝だかよくわからないまま食べたその貝は、思わず「ボーノ!」と叫びだしたくなるほどに美味しかったのです。

あの旅で食べたお皿をイメージして、そこに生姜を加え調理してみました。最後にふりかけたこしょうには、咳を鎮める効能があります。

「地中海風 あさりのジンジャーワイン蒸し」のレシピ

材料
・塩
・こしょう
・オリーブ油
・白ワイン
・にんにく(だいたい4人分の量で一片くらいの量。細かく刻んでおく)
・生姜
・あさり(塩水で砂抜きしておく)
・イタリアンパセリなど(刻んでおく)
作り方
1. フライパンなどにオリーブ油を注ぎ弱火にかけ、 にんにくを加える。
2. 油ににんにくの香りが移ったら、あさりを加え、白ワインを注ぎ、強火にする。
3. 白ワインが煮たってきたら、中弱火にして蓋をし、蒸し焼きする。
4. あさりの殻がパカっと開いて身に火が通ったら、ごく弱火にして、味をみる。
5. 塩で味を調え、火を止め、器に供する。
6. イタリアンパセリとこしょうをふりかけ、最後にオリーブ油をまわしかけ完成です。
イタリアのワインとパセリを使って、あたまの中はすっかりあの時の旅のなか。私はいつも台所で、そんな風に空想の旅をしながら料理を楽しんでいます。

今回のあさりのワイン蒸しにはオリーブ油、白ワイン、イタリアンパセリを使いましたが、胡麻油、日本酒、大葉で代用しても美味しいです。台所で自分流の旅を楽しんでみてください。
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WRITER

ピリカタント 西野優

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