黒糖と楽しむ、島ならではのペアリング

徳之島コーヒーのおすすめのペアリングは、徳之島産の黒糖です。ポイントは、コーヒーに溶かすのではなく、黒糖を別に味わうこと。黒糖の香りと甘み、コーヒーのすっきり感が互いを引き立て、島の素材同士が自然にマッチングします。

“コーヒー栽培が学べる産地”としての徳之島

徳之島コーヒーが見据える未来は、ひとつではありません。まずは生産量を伸ばし、一定のロットを満たして全国へ届けられる体制を整えること。同時に技術を磨き、いつか世界の舞台で評価される一杯に近づいていくこと。実際に昨年は、一部の生産者が沖縄の品評会で結果を残しています。

その挑戦を下支えしているのが、徳之島の環境そのものです。過酷な自然環境ではあるものの、水はけが良くコーヒー栽培に適した弱酸性の土壌や、ミネラルを含んだ水は、徳之島コーヒーの“伸びしろ”ともいえるでしょう。

さらに徳之島は、コーヒーを「学ぶ場所」としての価値も持ち始めています。国内で栽培現場を体験でき、言葉の壁がなく、アクセスもしやすい。そんな利点を活かせば、コーヒー栽培の研修や学習の場として発展するでしょう。産地として育てるだけでなく、コーヒーの未来を担う人材が集い、学び、手を動かせる場所へ――徳之島は、そんな役割も担おうとしています。

徳之島コーヒーを飲むことで物語に参加できる

台風や豪雨に揺さぶられ、乾季のない気候に翻弄されながら、それでも栽培を続け、少しずつ味を磨いてきた徳之島コーヒー。その歩みのそばには、個人の夢から始まった物語と島内外のたくさんの仲間、そして支える仕組みがありました。

だからこそ徳之島コーヒーの一番の味わいは、まさにこの「発展途上」にあるかもしれません。島で重ねられる工夫や試行錯誤が少しずつ味わいに加わり、年を追うごとに風味も変化する。同じ銘柄を同じように淹れているのに、去年と今年でどこか違う。その差は決して偶然ではなく、徳之島が積み重ねてきた努力の輪郭。

徳之島コーヒーを飲むと、味の奥にある「成長の気配」まで感じられるかもしれません。
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