上旬・中旬・下旬でニュアンスを使い分けよう

時候の挨拶では月ごとのポイントとは別に、上旬・中旬・下旬ごとの表現の使い分けが求められます。10月の時候の挨拶も同様で、手紙やメールを送るタイミングによって適切な単語を選んでいきましょう。

たとえば上旬では、夏が終わり秋の涼しさをようやく感じられるようになります。中旬は秋が深まり、涼しさや快適さが安定してきます。下旬では、地域によっては肌寒さを感じるシーズンになっているでしょう。同じ10月でも「残暑が明けた時期」と「秋が深まり夜が肌寒い時期」とでは、言葉選びが異なります。

季節に合わせた風物詩を取り入れよう

時候の挨拶では、季節に合わせた風物詩をぜひ取り入れてみましょう。10月の風物詩といえば、まずハロウィンを連想する人も多いのではないでしょうか。相手との関係性にもよりますが、特別なイベントに浮足立つ街の雰囲気を表現するのもよいでしょう。

また紅葉狩りやコスモス狩りも、10月らしい風物詩です。お子さんがいる人は、運動会や文化祭など学校行事をキーワードにするのもおすすめです。もちろん、ぶどう狩り・りんご狩り・栗拾いなど、秋ならではのグルメに関連する行事・イベントも時候の挨拶に使えます。

9月・11月の時候の挨拶と違う点は?

同じ秋の時候の挨拶でも、10月の挨拶のポイントは9月や11月とは異なります。

9月は、立秋の時期とはいえまだまだ残暑が厳しいシーズン。10月では深まる秋を堂々と表現できますが、とくに近年の9月の場合は「秋とは名ばかりの暑い時期が続きますが」のような肌感のある表現が求められます。しかし暦上は秋であるため、残暑や猛暑のような単語は使えません。

11月の時候の挨拶では、10月以上の秋の深まりや肌寒さの表現が用いられます。また11月の上旬では立冬があるため、冬に関連する季語が使えるようになるのも特徴です。10月以上に、秋から冬への移り変わりを表現する単語選びが求められます。

10月の時候に使える秋の言葉

以下に、10月の時候の挨拶に使いやすい単語を記載します。漢語調・和語調に応じて、適切な単語をピックアップして記載してみましょう。

秋晴の候・紅葉の候・清秋の候・寒露の候・錦秋の候・十三夜・衣替え・神嘗祭・夕焼け・紅葉狩り・読書・月待ち・銀杏並木・稲刈り・風炉の名残・新酒・露時雨・野山の錦・新米・果物狩り・芸術・ハロウィン・秋祭り・いわし雲

秋時雨・秋雪・後の月・秋惜しむ・秋土用・秋寒・野山の色・刈田・秋分の日・紅葉たなご・栗羊羹・文化の日・火恋し・雁・猪・薊・金木製・松茸・山ぶどう・薔薇・リンドウ・銀杏・菊・藤袴・残る虫・萩の実・胡桃・柿・茨の実・山梨・柚子など

10月の時候の挨拶|コピペで使える!例文50選

10月の時候の挨拶の例文を、上旬・中旬・下旬ごとにご紹介します。どの例文をコピペで使用できるため、時候の挨拶に迷った際はご活用ください。また例文を元に、オリジナルの時候の挨拶を考える際にもぜひ参考にしてくださいね。

10月上旬の時候の挨拶

・秋の気配を色濃く感じられる頃、いかがお過ごしでしょうか。
・月が美しい秋の夜長に、一筆申し上げます。
・秋晴れの陽気が心地よい頃となりました。
・清秋の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・秋冷の候、貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
・空が高く澄みわたり、気持ちのいい秋風が吹き渡るころとなりました。
・秋晴れの爽やかな日がつづいています。
・秋気さわやかな季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
・夏が終わり秋の涼しさを感じる季節となりました。
・秋晴の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・秋雨の候、日増しに寒いこの頃でございますが、貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
・味覚の秋を迎え、秋刀魚のおいしい季節になりました。
・心地よい秋風が吹き抜ける秋天の候、〇〇様にはご清福のこととお慶び申し上げます。
・初秋の候、貴社におかれましては爽やかな実りの季節を迎えられていることと存じます。
・秋冷が爽やかに感じられる好季節、ますますご活躍のことと存じます。
・秋の声が聞こえる美しい季節が到来しました。貴社にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
・味覚の秋、芸術の秋となり、より一層充実した日々をお過ごしのことと存じます。
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