ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

トマトジュースを飲み過ぎるとどうなる?

トマトジュースを飲み過ぎると食事のバランスが崩れ、必要な栄養素が不足するおそれがあります。バランスのよい食事にするには、さまざまな食品からバランスよく食品を組み合わせて食事を摂ることが大切です。

トマトジュースにはたんぱく質がほとんど含まれておらず、トマトジュースの飲み過ぎで食事が食べられなくなってしまうと、たんぱく質不足が起こるおそれがあるため、注意しましょう。(※1,2)

トマトジュースを飲み過ぎたときに起こるリスク

トマトジュースの飲み過ぎによるリスク

  1. 塩分の摂り過ぎになる
  2. 糖質の摂り過ぎになる
  3. シュウ酸の摂り過ぎになる
  4. アレルギーを起こすおそれがある

塩分の摂り過ぎになる

トマトジュースには食塩が添加されているものがあります。商品によっても異なりますが、食品成分表に収載されてるものでは100gあたり0.3gの食塩相当量です。

成人女性の一日の目標量は6.5g未満、病気の重症化対策のためであれば6.0g未満とされています。組み合わせる食事や飲む量によっては塩分の摂り過ぎになるため、注意しましょう。(※3,4)

糖質の摂り過ぎになる

食品成分表に収載されているトマトジュースの糖質は食塩無添加のものも、添加されているものも、100gあたり3.3gとそれほど多くありません。しかし、製品によっては糖度の高いトマトを使用していることで、含まれている糖質量が多いものがあります。

野菜のトマトを食べているつもりで飲み過ぎないように、栄養成分表示を確認し、糖質の摂り過ぎにならない程度に抑えましょう。(※2,3,5)

シュウ酸の摂り過ぎになる

トマトにシュウ酸が含まれることから、トマトジュースの飲み過ぎでシュウ酸の摂り過ぎになると言われてしまったようです。シュウ酸は主に食品からの摂取によって体内に増えると言われます。動物性の食品にはほとんど含まれず、野菜に含まれる成分です。

シュウ酸が含まれる野菜として代表的なのはほうれん草ですが、トマトに含まれる量はほうれん草の1/60以下。ジュースで飲む量程度では摂り過ぎになりにくいと考えられますが、度を越えて飲むのは避けましょう。(※6,7)

アレルギーを起こすおそれがある

スギ花粉飛散期にスギ花粉症の患者がトマトジュースを飲用したことによるアレルギー反応が起きた事例が報告されています。これはスギ花粉とトマトに共通抗原が存在するためです。近年さまざまな花粉と野菜・果物の間の共通抗原があることが判明し、野菜や果物でのアレルギー反応が見られるようになったと言われています。

ただし、花粉症との合併症であるため、花粉症ではない方は極端に避ける必要はないでしょう。(※8)
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