1. セビーチェ

Photo by 小田中雅子

「魚のセビーチェ」 2,320円(税込) 手前の白い粒は日本ではジャイアントコーンと呼ばれるもの
白身魚やタコ、イカ、貝類などを刻み、紫玉ねぎなどと共に柑橘系果汁、塩、トウガラシなどでマリネした、海岸砂漠地域を代表する料理です。人気のある料理のひとつで、ペルーではセビーチェの専門店もあるのだそう。

店ごとに個性があり、黄色いトウガラシを使った黄色いセビーチェや、赤身魚や川魚を使ったものなどレシピのバリエーションも豊富にあります。

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付け合わせにはサツマイモも使われています。ひとつの皿の中に、酸味、辛味、塩味、甘味といろんな味わいがあるのも特徴です
「ALDO」のセビーチェは伝統的なスタイル。レモン汁でマリネした白身魚にレチェ・デ・ティグレ、トラのミルクという魚のだしににんにくなどを入れた白いスープを合わせています。

酸味の爽やかな味わいのあとに、ピリッとしたほのかな辛みが効いています。塩味もしっかりあるので、夏の暑いときに冷やしたワインやビールとよく合いそうです。

2. ロモサルタード(ビーフと野菜のペルー風炒め)

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「ビーフと野菜のペルー風炒め」 2,650円(税込) ライスが添えてあるのも定番スタイル
牛肉と野菜の炒め料理で、こちらもセビーチェと並ぶペルーの代表的な料理。

特徴は味付けが中華風なこと。しょうゆが使われていることから日本人にも親しみやすい味で、「ALDO」でも訪れた人のほとんどが頼むという人気料理です。

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肉を炒め始めると豪快に火があがります
ペルーには“チファ”と呼ばれるペルー風中華料理があり、この料理もそのひとつ。調理しているところを見せてもらいましたが、中華鍋を豪快に振り、調理風景も中華料理そのものです。

しょうゆとニンニクが効いて、中華の炒め物の味わいにとてもよく似ています。ゴロっと厚みのある牛肉の切り身、甘みのある紫玉ねぎにタレが良くからみ、皿に添えてあるご飯がすすみます。「ALDO」では別添えになっているポテトフライを、一緒に炒めるレシピもあります。

3. アンティクーチョ(牛ハツの串焼き)

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「牛ハツの串焼き」 1,350円(税込) 肉の上にトッピングされているのは、パセリ、にんにく、たまねぎで作った薬味
トウガラシやニンニク、クミン、塩コショウといったマリネ液にひと晩漬けこんだ牛ハツを、串焼きにした料理。ペルーでは屋台で売られている大人気のストリートフードです。

「ALDO」ではマリネ液に黒ビールを使い、肉をやわらかくしています。スパイス類でしっかり味付けされているので臭みもまったくなく、ホルモン系が苦手な人にも食べやすい料理です。

皿に模様のように描かれている淡いグリーンのソースは、ペルーの黄色いトウガラシ(アヒ・アマリージョ)とブラックミントのピリ辛ソース。肉に少し付けていただけば、爽やかな辛みが味のアクセントになります。

ストリートフードとあって、パンチのある味わいでビールにぴったり。こんがりと香ばしい匂いが食欲をそそります。噛み応えがあるハツは、肉々しい味わいで旨みがあふれます。

4. スダード・デ・ペスカード(魚のペルー風煮込み)

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「魚のペルー風煮込み」 2,350円(税込)
スダードとは「汗をかいた」という意味で、魚からとっただしで魚を煮る、もしくは蒸す料理。使われているのは白身魚で、本日は真鯛。調味料にペルーならではのアヒソースというトウガラシのペーストが使われています。

アヒソースは、アヒ・パンカ(赤いトウガラシ)やアヒ・アマリージョ(黄色いトウガラシ)に玉ねぎやニンニクを合わせてペースト状にした調味料。ペルーでは家庭で手作りされ、いろいろな料理の味付けに使われるのだそう。

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魚の身がしっとり、ふっくら。スパイシーな料理が多いなかでやさしい味わいの料理
この料理にもアヒソースを使っていますが辛みはほとんどありません。魚の旨みたっぷりのスープがやわらかい魚によくなじみ、ほっこり和むようなやさしい味わいです。

付け合わせにも注目。ゴロッと大きなフライは、前述したユカイモ(キャッサバ)のフライ。サトイモとヤマイモの中間のようなホックリとした味わいです。

ユカイモのフライはペルーではポピュラーな食べ物で、このフライをつまみにお酒を飲むことも多いそうです。

5. チュペ・デ・カマロネス(ペルー風エビのチャウダー)

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「ペルー風エビのチャウダー」 2,700円(税込) 生クリームやチーズが入り、クリーミーなおいしさ
チュペとは具だくさんで濃厚なスープのこと。このエビを使ったチュペは、アレキパという山岳地域にある街の名物料理です。現地では川エビが使われますが、「ALDO」では海でとれるエビを使っています。

スープをひと口飲めば、濃厚なエビの味わいに思わずうっとりします。フレンチのエビのソース、ソース・アメリケーヌに通じるおいしさです。

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具材もボイルしたエビのほか、そら豆、トウモロコシ、ジャガイモとたっぷり。スープにコクを添えているのがゴーダとケソフレスコの2種類のチーズ。ケソフレスコは静岡でペルー人の兄弟が作っているフレッシュチーズで、ミルキーでさっぱりとした味わいです。

濃厚なスープを夢中で食べていると底から米が現れます。米が入るのも特徴で、スープの旨みをたっぷり吸った米は、まるでリゾットのようなおいしさです。

6. ピカロネス

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「ピカロネス」 820円(税込) 揚げ菓子ですが、生地が軽く食後のデザートにぴったり
かぼちゃとサツマイモで作った揚げドーナツ。ペルーでは屋台などでも売られている人気スイーツです。野菜の甘みがほんのりと広がり、外側がカリッと、中がフカフカ、モチモチとした食感がたまりません。

黒砂糖とフルーツジュースなどで作ったシロップには、風味付けとして乾燥したイチジクの葉が使われています。
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