ローストビーフは炊飯器で作れる？

しっとりやわらかな食感が魅力のローストビーフ。オーブンを使わず、炊飯器で調理できるか気になる方も多いのではないでしょうか？じつはローストビーフを低温調理で仕上げるにはさまざまな注意ポイントがあるため、炊飯器での調理はおすすめできません。

この記事では「低温調理」とは何か、また炊飯器で低温調理は可能なのか、ローストビーフ作りにはおすすめできない理由を管理栄養士が詳しく解説します。

ローストビーフの調理法「低温調理」とは

Photo by Uli

ローストビーフは、表面の焼き色と中心がローズ色をした赤身肉が特徴の料理です。加熱すると固くパサパサになる赤身肉ですが、低温で時間をかけて加熱することでしっとりやわらかく仕上げることが可能に。このように低い温度でゆっくりと加熱する調理法を「低温調理」と言います。

低温調理はただ低温で加熱すればよいわけではありません。厚生労働省は「特定加熱食肉製品」として、ローストビーフを製造販売する際に規格基準を設けています。特定加熱食肉製品とは、63℃で30分加熱する方法、またはこれと同じ以上の効力を有する方法以外の方法による加熱殺菌をおこなった食肉製品のこと。

家庭で調理する場合も、安全に食べるにはこのような温度管理が重要と言えます。（※1,2）

炊飯器でローストビーフを作るのをおすすめできない理由

注意ポイント

炊飯器の保温温度は機器によって異なる
炊飯器ではしっかりと温度管理ができない

炊飯器の保温温度は機器によって異なる

炊飯器の保温機能はお使いの機器によって異なります。約60～75℃が一般的ですが、タイミングによって50℃から74℃まで温度が変わるものも。

ローストビーフを低温調理するときは、中心温度を一定時間維持することが重要です。低温調理機能の付いていない炊飯器の、保温機能での調理はおすすめできません。（※1,2,3,4）

炊飯器ではしっかりと温度管理ができない

炊飯器の保温温度は一般的に約60〜75℃の間で設定されています。これはごはんの変色をや菌の増殖を抑えられる温度帯だからです。

一方低温調理器は、食品を中心まで加熱するために細かく温度や時間を設定して調理できるのが特徴。一般的な炊飯器には低温調理器のような温度・時間設定の機能はないため、低温調理の加熱条件を満たせるとは限りません。（※4）