ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

発芽玄米とは

発芽玄米とは、玄米を少しだけ発芽させた状態の米を指します。白米のように精白されていないことから、胚芽、胚乳、糠が残った状態です。発芽玄米は出芽の準備のため、玄米よりもかたい糠がやわらかくなることで、玄米より扱いやすく、食べやすくなっています。(※1)

白米や玄米との栄養価の違い

栄養素発芽玄米白米玄米
エネルギー(kcal)161156152
たんぱく質(g)3.02.52.8
脂質(g)1.40.31.0
糖質(g)33.235.634.2
食物繊維(g)1.81.51.4
カリウム(mg)682995
ビタミンE(mg)0.3Tr0.5
ビタミンB1(mg)0.130.020.16
※可食部100gあたり(※2,3,4)
可食部100gあたりそれぞれの米を比較すると、たんぱく質と脂質がそれぞれ発芽玄米に多く含まれています。ミネラル、ビタミンは玄米には劣りますが、白米と比べると多く含まれているのが特徴です。

発芽玄米に含まれる成分とその効果

発芽玄米に含まれる成分とその効果

  1. 注目のアミノ酸「GABA」
  2. 腸内環境を整える「食物繊維」
  3. コレステロール対策に「オリザノール」
  4. 白米では摂れない「ビタミン」

注目のアミノ酸「GABA」

発芽玄米には白米や玄米よりも豊富にGABAが含まれます。GABAはアミノ酸の一種で、アドレナリンの分泌を抑え、リラックス作用があると言われる成分です。

副交感神経を活発にしてくれるはたらきももつことから、心と体を落ち着かせ、ストレス対策としても注目されています。興奮して寝つきが悪いような場合にも役立つことから、睡眠に入りにくい方にもおすすめです。(※5)

腸内環境を整える「食物繊維」

発芽玄米には食物繊維が白米の1.2倍含まれます。食物繊維は小腸で消化も吸収もされず、大腸に届く成分です。大腸に運ばれた食物繊維は便の体積を増やし、大腸の環境を良くする細菌を増やすのに役立ちます。

日本人の食物繊維の摂取量は減少傾向にあるとされ、日常的に積極的な摂取が必要です。主食を発芽玄米に置き換えることで手軽に食物繊維の摂取量を増やすことができます。(※2,3,6)

コレステロール対策に「オリザノール」

オリザノールは発芽玄米に含まれるポリフェノールの一種です。血管を広げて血行を良くする作用のほかに善玉(HDL)コレステロールを増やして悪玉(LDL)コレステロールを減らすはたらきももちます。また、脳の視床下部にはたらきかけることで、自律神経のはたらきをサポートする作用も期待できます。(※1,7)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ