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食欲が抑えられないのはなぜ?
原因
- ストレス
- ホルモンバランスの乱れ
- 食生活の乱れや欠食
- 睡眠不足
- 糖質不足
ストレス
ストレスと食欲は密接に関係しています。ストレスを感じると食欲を増すホルモンである「ドーパミン」の分泌が増える一方で、食欲を抑える作用がある「レプチン」というホルモンのはたらきが悪くなります。
また、ストレスをやけ食いで発散していると肥満につながるため、注意が必要です。(※1,2)
また、ストレスをやけ食いで発散していると肥満につながるため、注意が必要です。(※1,2)
ホルモンバランスの乱れ
生理前に食欲が増える場合、女性ホルモンが原因の可能性があります。排卵後は食欲の増加に関わる「プロゲステロン」の分泌量が増えるからです。
また、女性ホルモンの変動により食欲を抑えてくれるセロトニンが不足し、満足感が得られにくくなることも。これらが原因の場合は、生理が開始すると食欲が治まることが多いです。(※3,4)
また、女性ホルモンの変動により食欲を抑えてくれるセロトニンが不足し、満足感が得られにくくなることも。これらが原因の場合は、生理が開始すると食欲が治まることが多いです。(※3,4)
食生活の乱れや欠食
朝食を抜いて昼食に糖質量の多い料理を食べると、食後血糖値が普段より高くなります。その後は血糖値が急激に下がりますが、この血糖値の変動によって強い空腹感をおぼえるおそれが。
朝食の欠食だけでなく、食事の間隔が長く空く際にも同じことが起こります。食事の時間が乱れている人は注意が必要です。(※5)
朝食の欠食だけでなく、食事の間隔が長く空く際にも同じことが起こります。食事の時間が乱れている人は注意が必要です。(※5)
睡眠不足
睡眠不足の人は、しっかり睡眠時間を取っている人に比べると、食欲増進に関わるグレリンというホルモンの分泌量が増加することがわかっています。一方で、食欲を抑えるホルモンの量が減ることが明らかになっています。つまり、睡眠不足は食欲を増すというわけです。
実際、睡眠不足の人は肥満率が高いという研究結果もあります。(※3)
実際、睡眠不足の人は肥満率が高いという研究結果もあります。(※3)
糖質不足
やけに甘いものが食べたい……というときは炭水化物(糖質)やたんぱく質といったエネルギーとなる栄養素が不足しているかもしれません。どうしても食欲が抑えられないときは、必要な栄養素が足りていないことが考えられます。
糖質は摂り過ぎると中性脂肪を作る原因になりますが、過剰に制限するのは避け、適量を摂ることが大切です。(※6,7)
糖質は摂り過ぎると中性脂肪を作る原因になりますが、過剰に制限するのは避け、適量を摂ることが大切です。(※6,7)
【食習慣】食欲を抑える方法
ポイント
- 一日3食バランスよく食べる
- よく噛んで食べる
- 「ベジファースト」を意識する
- 間食を上手に摂り入れる
- 白湯を飲む
一日3食バランスよく食べる
食欲を抑えるには一日3食を基本に食事のリズムを意識し、栄養バランスのよい食事を摂ることが大切。
前述したようにエネルギーの元となる栄養素の不足により甘いものを求めるようになるほか、ミネラル不足だと塩辛いものが食べたくなるという説があります。栄養不足が食欲増進につながるため、必要な栄養をしっかり摂ってくださいね。(※5,6)
前述したようにエネルギーの元となる栄養素の不足により甘いものを求めるようになるほか、ミネラル不足だと塩辛いものが食べたくなるという説があります。栄養不足が食欲増進につながるため、必要な栄養をしっかり摂ってくださいね。(※5,6)
よく噛んで食べる
食べ物をよく噛んで食べると、咀嚼の刺激が脳に伝わり、満腹中枢が興奮します。この反応によって満腹感が増すため、食べ過ぎ対策につながりますよ。
こんにゃくや根菜などを使う噛み応えのあるおかずを摂ると、自然と噛む回数を増やせます。(※8)
こんにゃくや根菜などを使う噛み応えのあるおかずを摂ると、自然と噛む回数を増やせます。(※8)
「ベジファースト」を意識する
食事の最初に野菜のおかずを食べ、次にたんぱく質が摂れるおかず、最後に主食を適量摂る食べ方を「ベジファースト」といいます。
野菜をゆっくりよく噛んで食べると、満腹感が得られて食べ過ぎ対策になりますよ。食べる順番を変えるだけなので実践しやすいのもうれしいですね。(※9)
野菜をゆっくりよく噛んで食べると、満腹感が得られて食べ過ぎ対策になりますよ。食べる順番を変えるだけなので実践しやすいのもうれしいですね。(※9)
間食を上手に摂り入れる
食事と食事の時間が空いてしまうときは、間食を上手に摂り入れて血糖値の変動による食欲増進を対策しましょう。
砂糖を多く含むスイーツではなく、血糖値が上がりにくいものを選ぶのがポイント。一日200kcal以内を目安に、ゆで卵や無塩のナッツ、大豆製品などを摂り入れましょう。(※5,10)
砂糖を多く含むスイーツではなく、血糖値が上がりにくいものを選ぶのがポイント。一日200kcal以内を目安に、ゆで卵や無塩のナッツ、大豆製品などを摂り入れましょう。(※5,10)
白湯を飲む
湯をわかし、50度ほどに冷まして作る白湯。白湯のように温かい飲み物を摂ると、満腹中枢を刺激できるため食べ過ぎ対策になります。この白湯の作用を活かすには、食事の前に白湯を飲むのがおすすめです。(※11)
【生活習慣】食欲を抑える方法
ポイント
- しっかりと睡眠をとる
- 身体を動かす・ストレスを発散する
- 食後はすぐに歯磨きをする
しっかりと睡眠をとる
前述したように、睡眠不足は食欲を増す原因のひとつ。ある研究では、5時間睡眠の人は8時間睡眠の人より食欲を増すホルモンの分泌量が多くなることが明らかになっています。日中に眠くならない程度の睡眠時間を確保しましょう。
また、しっかり眠るとストレス対策にもつながりますよ。(※1,3)
また、しっかり眠るとストレス対策にもつながりますよ。(※1,3)
身体を動かす・ストレスを発散する
食欲増進につながらないよう、ストレスはこまめに取り除くのをおすすめします。食べることをストレス発散の手段としている場合は、ほかの方法を見つけてくださいね。
好きなスポーツをして身体を動かすほか、お笑い番組を見て笑うのもひとつの手。趣味に打ち込むのもいいですね。(※1,2)
好きなスポーツをして身体を動かすほか、お笑い番組を見て笑うのもひとつの手。趣味に打ち込むのもいいですね。(※1,2)
食後はすぐに歯磨きをする
食後についデザートを食べてしまうという場合は、食事を終えたら早めに歯磨きをしましょう。歯磨きの際に口に受ける刺激は、脳に食事終了の合図として伝わりますよ。食欲を抑えるのに役立ちます。
そのほか、ミント系の歯磨き粉の刺激は食欲抑制に向いていますよ。ぜひ試してみてくださいね。(※12)
そのほか、ミント系の歯磨き粉の刺激は食欲抑制に向いていますよ。ぜひ試してみてくださいね。(※12)
食欲抑制に役立つ栄養素と食べ物
トリプトファンを含む食べ物
- バナナ
- ヨーグルト・牛乳・チーズ
- 豆腐・納豆・大豆
女性ホルモンの変動によってセロトニンが減少しているときは、トリプトファンの摂取が重要。トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、食欲を抑えてくれる作用があるセロトニンの材料です。
セロトニンを作るにはビタミンB6と炭水化物も必要。バナナにはこれらすべてが含まれていますよ。(※3,4,13)
セロトニンを作るにはビタミンB6と炭水化物も必要。バナナにはこれらすべてが含まれていますよ。(※3,4,13)
ヒスチジンを含む食べ物
- マグロ
- カツオ
- ぶり
- さんま
- さば
必須アミノ酸のひとつであるヒスチジンは、体内でヒスタミンを作るのに必要です。ヒスタミンは脳の満腹中枢にはたらきかけて、食欲を抑えるはたらきがあります。
なお、ヒスタミンの分泌は咀嚼によって高まるため、ヒスチジンを含む食材を摂り入れるほか、しっかり噛んで食べることも大切です。(※14)
なお、ヒスタミンの分泌は咀嚼によって高まるため、ヒスチジンを含む食材を摂り入れるほか、しっかり噛んで食べることも大切です。(※14)
たんぱく質が豊富な食べ物
- 鶏肉・豚肉・牛肉
- かつお・まぐろ・しらす干し
- 卵
- ヨーグルト・チーズ
- 豆腐・納豆
たんぱく質をしっかり摂ると、消化管ホルモンのひとつであるコレシストキニンが分泌されます。コレシストキニンは満腹中枢を興奮させる作用があり、満腹感を得るのにつながりますよ。
また、たんぱく質が豊富な食品は血糖値を上げにくいため、間食に摂り入れるのもひとつの手。チーズやゆで卵はコンビニで購入でき、間食にぴったりです。(※10,15)
また、たんぱく質が豊富な食品は血糖値を上げにくいため、間食に摂り入れるのもひとつの手。チーズやゆで卵はコンビニで購入でき、間食にぴったりです。(※10,15)
食物繊維が豊富な食べ物
- ごぼう・れんこん・ブロッコリー
- 大豆・ひよこ豆・レンズ豆
- しめじ・エリンギ・えのきだけ
- こんにゃく
- じゃがいも・里芋・さつまいも
食物繊維には、糖質の吸収をおだやかにして、血糖値の急上昇を抑えてくれる作用があります。また、食物繊維が豊富な食品は噛みごたえがあるため、満腹中枢を刺激するのにも役立ちますよ。
野菜やきのこなど食物繊維が豊富なものは、食事のはじめに摂るのがおすすめです。ベジファーストを意識しましょう。(※9,16)
野菜やきのこなど食物繊維が豊富なものは、食事のはじめに摂るのがおすすめです。ベジファーストを意識しましょう。(※9,16)
食べ過ぎ注意!食欲を高める食べ物
食欲を促す食べ物
- 香味野菜や香辛料
- 酢や酸味のあるもの
- 塩分の多いもの
- 脂肪の多いもの
食欲を高める食べ物には、胃液の分泌を促すはたらきのあるもの、塩分や脂肪の多いものが挙げられます。胃液の分泌を促す食べ物として、具体的にはしょうがやにんにくなどの香味野菜やカレー粉、こしょうといった香辛料、酢や酸味のあるトマトなどです。
また、塩分や脂肪が多いものはどちらも食欲を増す作用があり、どちらも合わさった場合、食欲が異常に高まるおそれがあります。(※17,18)
また、塩分や脂肪が多いものはどちらも食欲を増す作用があり、どちらも合わさった場合、食欲が異常に高まるおそれがあります。(※17,18)
【Q&A】すぐに食欲を抑える方法はある?
A:歯を磨いたり、温かいものを飲んだりすると、食欲を抑えることにつながります。
口寂しいときはガムを噛むのもおすすめ。食べる以外の行動で紛らわすとよいですよ。(※11,12,19)
口寂しいときはガムを噛むのもおすすめ。食べる以外の行動で紛らわすとよいですよ。(※11,12,19)
【Q&A】食欲が抑えられないときに摂って良い食べ物は?
A:たんぱく質や食物繊維が多いものを選びましょう。
たんぱく質や食物繊維が多いものは血糖値が急上昇しにくい、腹持ちがよいといったメリットがあります。ゆで卵や魚肉ソーセージ、無塩ナッツや果物などがおすすめです。(※10,16)
たんぱく質や食物繊維が多いものは血糖値が急上昇しにくい、腹持ちがよいといったメリットがあります。ゆで卵や魚肉ソーセージ、無塩ナッツや果物などがおすすめです。(※10,16)
【Q&A】夜中にお腹が空いたときに摂って良い食べ物は?
A:たんぱく質が多いものを選びましょう。
お腹が空いて眠れないようなときは、糖質が少なく、たんぱく質が豊富なものを摂るとよいですよ。ヨーグルトやゆで卵などがおすすめです。(※10)
お腹が空いて眠れないようなときは、糖質が少なく、たんぱく質が豊富なものを摂るとよいですよ。ヨーグルトやゆで卵などがおすすめです。(※10)
食欲を抑える方法を実践してみよう!
食欲を抑えるには、食欲を増す原因を取り除くことが大切です。ストレスや睡眠不足を対策したり、規則正しく栄養バランスのよい食事を心がけたりしましょう。そのうえで、トリプトファンやヒスチジンなど、食欲を抑えるのに役立つ栄養素を摂り入れてみてくださいね。
【参考文献】
(2024/02/29参照)
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。