ライター : 川島 尚子

管理栄養士 / パティシエ

食物繊維とは

食物繊維の種類とはたらき

種類はたらき
水溶性食物繊維・小腸で栄養素の吸収速度を緩やかにする
・食後の血糖値の上昇を抑える
・コレステロールを吸着して排出する
不溶性食物繊維・水分を吸収して便の容積を増やす
・大腸を刺激して排便をスムーズにする
・有害物質を吸着して排泄する
(※1,2)
食物繊維は人の消化酵素で消化できない栄養素を指し、第6の栄養素とも呼ばれています。水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2種に分かれ、上記の表のようにそれぞれ異なるはたらきをもつのが特徴です。(※1,2)

一日の摂取量の目安

成人(18歳以上)における食物繊維の一日の摂取量の目安は成人男性が21g以上(65歳以上は20g以上)、成人女性が18g以上(65歳以上は17g以上)とされています。

妊婦や授乳婦であっても特に付加量は定められておらず、一般的な成人女性と同じ18gです。食品から摂取するためにも、まず自身の1日あたりの目標量を把握しておきましょう。(※3)

過不足があると

食物繊維が不足することで起こる症状の代表的なものは便秘です。食物繊維はビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やし、腸内環境を整えるはたらきをもつため、不足することで腸内環境が悪化します。

逆に摂り過ぎた場合にもおなかの調子が悪くなったり、ほかの栄養素の吸収を妨げたりするため、注意が必要です。ただし、食品から摂る分には過剰摂取にはなりにくいため、サプリメントなどを利用する際に注意しましょう。(※2,4)

食物繊維の多い食品

食物繊維の多い穀類

食品名食物繊維総量(g)
押麦12.2
オートミール9.4
そば(生)6.0
ライ麦パン56
中華麺(生)5.4
マカロニ5.4
発芽玄米3.1
※それぞれ可食部100g あたりの含有量を記載しています。
※数値は食物繊維総量(水溶性・不溶性の総量)を参照しています。

(※5,6,7,8,9,10,11)
穀類で上位にランクインしている食品はいずれも精製されていない食品です。穀類から食物繊維を摂りたい場合は、精製されているかどうかを基準に選ぶとよいでしょう。

食物繊維の多い野菜

食品名食物繊維総量(g)
らっきょう(生)20.7
グリーンピース(生)7.7
しょうが(おろし)7.4
大葉(葉)7.3
パセリ6.8
にんにく(生)6.2
モロヘイヤ5.9
ごぼう5.7
ブロッコリー5.1
えだまめ5.0
オクラ5.0
※それぞれ可食部100g あたりの含有量を記載しています。
※数値は食物繊維総量(水溶性・不溶性の総量)を参照しています。

(※12,13,14,15,16,17,18,19,20,21)
食物繊維を多く含む野菜の中にはらっきょうやしょうが、大葉、にんにくなど、一度に食べる量がそれほど多くない香味野菜も多く見られます。

野菜からたっぷり食物繊維を摂りたい場合は、モロヘイヤやごぼう、ブロッコリーなど、まとめてある程度の量を食べられるものを選ぶと効率がよいでしょう。
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