余った梅の活用法

Photo by 渡邊康昭/UP inc.

「使いきれずに残ってしまった梅干しのもうひとつの活用法として、お米と一緒に梅干しと塩昆布を炊きこむ『梅昆布ごはん』もおすすめです。梅干しと一緒にごはんを炊くことで、ごはんの腐敗防止にもなります。食中毒が気になる夏の時期のお弁当に最適ですよ」

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「作り方はいたってシンプル。浸水させたお米に梅干し1個と塩昆布を大さじ1杯入れて炊き、炊きあがったらよく混ぜ込むだけです。

梅昆布ごはんは、絶妙な塩気が口の中をさっぱりとさせてくれるので、蒸し暑い夏でも自然とごはんが進みます。ほどよい塩気はありながらもシンプルな味わいなので、どんなおかずにも合う万能な主食ですよ。

また梅干しは腐敗防止だけでなく、疲労回復効果もあります。夏は体力を消耗して疲れが溜まりやすい時期なので、梅昆布ごはんは夏の疲れを解消するのにもおすすめです」

手仕事は季節の移ろいを楽しむための先人たちの知恵

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日本には四季折々の豊かな自然の恵みと、人々の知恵によって育まれた食文化があります。しかし栽培技術の向上や輸入食品の増加によって、ほとんどの食品がスーパーで1年中手に入るようになった昨今。異常気象も相まって、旬や春夏秋冬の季節感がわかりにくくなっているように感じます。

「手仕事」と聞くと、むずかしそう、面倒くさそう、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、本来手仕事とは暮らしを豊かに楽しむための先人たちの知恵。真夏のうだるような暑さや真冬の厳しい寒さなどを快適に乗り切るためのヒントが、たくさん詰まっています。

この連載では、古くから受け継がれる手仕事を通した季節ごとの楽しみ方を1年間お伝えしました。何気なく過ぎ去っていく日々も、神谷さんのレシピを通じて少しでも思い出に残る毎日に変わったらうれしく思います。


取材・文/鎌上織愛

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