ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

健康や子どものためにも「体にいいおやつ」を選ぼう

小腹がすいたときや気分転換がしたいとき、チョコレートやポテトチップスなどのお菓子につい手が伸びてしまう……という方は多いのではないでしょうか。

日々の楽しみのひとつとして取り入れる機会が多いお菓子ですが、好きなものを好きなだけ食べていると、糖質・脂質・食塩の摂り過ぎ肥満につながるおそれが。自分や子どもの健康のためには、上手におやつと付き合う必要があります。

理想的なおやつの食べ方は、一日の食事で不足しがちな栄養素を摂り入れるようにすることです。どうすれば体にいいおやつを摂れるのか、選び方を具体的に見ていきましょう。(※1)

体にいいおやつの選び方

不足しがちな栄養素が補える食べ物

一般的な日本人の食生活で不足しがちな栄養素のひとつが、便秘対策に必要な食物繊維です。ドライフルーツやナッツを間食にすると、無理なく食物繊維が摂れます。ダイエット中の女性では、筋肉の材料であるたんぱく質が不足していることも。大豆製品や乳製品で補給しましょう。

また、子どものおやつには、成長期に不足しやすいカルシウムが補えるものを選んでくださいね。カルシウムは骨を形成する栄養素で、乳製品や小魚に多く含まれます。鉄は成長期の血液量の増加に必要なミネラルであり、豆乳やプルーンなどに豊富です。(※2,3,4)

血糖値を上げにくい食べ物

ダイエット中におやつを食べる際は、食後血糖値を上げにくいものを活用しましょう。糖質の消化スピードを抑える作用がある水溶性食物繊維が豊富な、果物やドライフルーツがおすすめです。

糖質が多く含まれるおやつを摂って食後血糖値が急上昇すると、体に脂肪がつきやすくなるおそれが。また、血糖値の変動によって眠気を感じたり、精神的に不安定になる場合もあります。(※5)

噛む回数が増える食べ物

おやつはゆっくり噛んで食べることが大切です。糖質が吸収されるスピードが遅くなるため、血糖値の急上昇を抑えられます。ひと口に30回噛むのが理想的ですが、チョコレートやマシュマロのようにやわらかいお菓子ではむずかしいですよね。干しいもやさきいかなど、噛みごたえがあって自然と噛む回数が増えるものが適しています。

また、子どもがよく噛んでおやつを食べると、顎の発育や味覚の向上といったメリットが期待できますよ。(※5,6)

無添加のもの

健康にいいおやつといえば、無添加食品を連想する方も多いのではないでしょうか。食品添加物は安全が確認されているものがお菓子に入っていますが、アレルギー疾患との関連性も指摘されています。

食品添加物を控えたい場合は、原材料を確認してなるべく人工香料や着色料などが使われていないものを選びましょう。また、安心できる原材料を使っておやつを手作りするのもひとつの手です。(※7)

「カロリー」についても上限を知っておこう

体にいいおやつを選んでも、食べ過ぎると肥満につながるため注意が必要。間食から摂ってよいカロリー(エネルギー量)の目安は、一日に200kcalです。これは農林水産省が提唱している「食事バランスガイド」で示されているカロリーで、お菓子は「楽しく適度に」摂ることが勧められています。

なお、間食の目安カロリーにはお菓子だけでなく、ジュースやお酒などの嗜好飲料も含まれます。200kcalのお菓子を摂る際は、お茶や水を選んでカロリー調整しましょう。(※1,8)
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