これぞ笠間流!華やかな栗ごはんのいなり寿司

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

じつは笠間では、ほかにも栗ごはんの楽しみ方があるそうです。笠間市は日本三大稲荷のひとつとも言われる「笠間稲荷神社」の門前町として栄えてきたため、昔からいなり寿司が市民に広く愛されているのだとか。

「笠間のいなり寿司は、そばやクルミなど変わり種の具が特徴。笠間の名産である栗ごはんをいなり寿司にする家庭も多いんですよ。栗ごはんのいなり寿司は、甘辛く煮込んだジューシーなお揚げと栗のホクホクとした甘さが絶妙に合わさって、とってもおいしくて食べやすいです。

また、お赤飯にして食べることも。栗ごはんを炊くときに小豆によく似たささげを一緒に入れると自然な赤色がついて、栗入りのお赤飯ができます」

栗ごはんがきれいに炊けると喜びはひとしお

Photo by Nobuyoshi Miyamoto

ふたを開けた瞬間に、立ち昇る湯気の間からクリーム色のつややかな栗が見えると、それだけでテンションが上がります。

「はじめのうちは栗剥きは大変だと思いますが、コツを掴めば誰でもきれいに剥けるようになります。自分で剥いた栗で炊いた栗ごはんは、きっと一段とおいしく感じると思いますよ」と箱田さん。

むずかしいというイメージからこれまで栗剥きを避けていた方も、アバウトに栗ごはんを炊いていた方も、ぜひこの秋はご自身で剥いた栗で栗ごはんにチャレンジしてみてください。あまりの美しさとおいしさに、ついつい誰かに教えたくなるはずです。

取材・文/鎌上織愛
撮影/宮本信義

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