ライター : FOODIE

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この記事は、三越伊勢丹が運営する、「FOODIE」の提供でお送りします。
中国料理の定番、ピーマンと牛肉の細切りを炒めた青椒肉絲(チンジャオロース)。ご家庭でも登場することが多い人気のメニューですが、いざ作ってみると、ピーマンがクタクタになったり、肉がちりちりに縮んでかたくなってしまったりと、なかなか難しいもの…。やはりお店のように強い火力のコンロや鉄の中華鍋がないと、おいしく作るのは無理なのでしょうか?
「そんなことはありません! フッ素樹脂加工のフライパン、かつご家庭のコンロでも、食材の切り方や炒め方に気をつければ、ピーマンがシャキシャキの青椒肉絲を作ることは可能です」
そう教えてくれたのは、<銀座アスター>伊勢丹新宿店料理長、安蒜(あんびる)義政シェフ。ポイントを押さえれば、家庭でもお店のような仕上がりになるのだとか。
フッ素樹脂加工のフライパンで作れるなんてうれしい! 早速、レシピのコツを詳しく聞いてみましょう。

<銀座アスター>流、青椒肉絲の極意とは?

その① 牛肉とピーマンは繊維の方向を見極めて切り、歯ごたえよく仕上げる!

肉や野菜にはそれぞれ繊維の走っている方向があります。その繊維を断つように切ってしまうと、加熱した際に肉が縮んだり、野菜から水分が出やすくなったりしてしまうので、炒め物には向きません。きちんと繊維の走る方向を見極めて、沿うように切ることが重要です。

その② 牛肉と野菜はあらかじめ別々で炒め、最後に合わせて!

食材はあらかじめ、多めの油で炒めて「油通し(※本来は、たっぷりの油に野菜や肉などをくぐらせる下ごしらえのこと。今回は多めの油で炒めることで代用)」しておきます。
そのとき、それぞれ食材の火を通しすぎないことが大切。余熱と仕上げのタイミングでも火が入ることを想定し、牛肉は8割程度、ピーマンは6割程度火が通ったら、いったん取り出します。最後に具材をフライパンに戻して炒めるときは、加熱するのではなく「合わせる」イメージで。ピーマンのシャキッとした食感を残します。

その③ 味付けはオイスターソースを使わず、しょうゆと鶏がらスープでシンプルに素材の風味を活かす!

一般的に青椒肉絲というと、オイスターソースで味付けるイメージが強いですが、<銀座アスター>では使用しません。オイスターソースは旨みの強い調味料ですが、その分存在感が強く、どの料理も画一的な味わいになってしまうからです。味付けはシンプルにしょうゆと鶏がらスープのみ。アクセントとして黒こしょうを効かせることで、素朴ながらも素材の味が引き立つ炒め物に仕上がります。
確かに炒め物をするとき、余熱で火が入るところまで計算していませんでした。実際に火が通ったと思うより、手前で取り出していいんですね。参考になります!  
それでは、実際にレシピを見ていきましょう。

<銀座アスター>料理長が伝授! 青椒肉絲の作り方

<材料>(2人分)

緑ピーマン……3個(正味90g)
赤ピーマン……1個(正味30g)
※緑ピーマンで代用可
牛もも肉(塊)……200g
(下味用:しょうゆ、こしょう、溶き卵、紹興酒、片栗粉各少々)
たけのこの水煮(長さ5〜6cmの細切り)……60g
あれば、黄ニラ(5〜6cm長さに切る)……30g
長ねぎのみじん切り)……大さじ1杯
生姜(しょうが)のみじん切り……小さじ1杯
しょうゆ……小さじ2杯
紹興酒……小さじ1と1/2杯
鶏がらスープ……40ml
※鶏がらスープの素(顆粒)を袋の指示通りに湯で溶いたものでも可
水溶き片栗粉……小さじ2杯(片栗粉と水を1:1の割合で溶いたもの)
粗挽き黒こしょう……少々
「牛肉は脂の少ない赤身肉(もも肉)を選びましょう。好みによりますが、脂がのった霜ふりの和牛よりも外国産の牛肉のほうが炒めたときに縮みにくいのでおすすめ。赤ピーマンと黄ニラは彩りのために入れているので、ない場合は入れなくても問題ありません。紹興酒は風味とコクをアップする働きがあり、中国料理には欠かせない調味料。なるべく使うようにしましょう」

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