ライター : 長曽我部 真未

管理栄養士

モロヘイヤの毒性や症状について

モロヘイヤの種子には、毒成分であるストロフェチジンが含まれています。ストロフェチジンには強心作用があり、めまいや嘔吐などの中毒症状が出るおそれが。

過去には、牛がモロヘイヤの実が付いた枝を食べ、死亡したという事例があります。またアフリカでは、かつて矢毒の成分として利用されていたという歴史がありますよ。モロヘイヤの種子は、絶対に食べないようにしてください。(※1,2)

モロヘイヤの毒性に注意したい部位

めまいや下痢などの中毒症状を引き起こすストロフェチジンは、モロヘイヤの成熟した種子にもっとも豊富です。ほかにも成熟した種子のさや、未成熟の種子、発芽してから日が浅い若い葉などにも含まれています。

一方、食用とされるモロヘイヤの葉に、ストロフェチジンは含まれていません。

野菜として販売されているモロヘイヤや、モロヘイヤ茶をはじめとする健康食品からはストロフェチジンが検出されないことが明らかになっています。(※1,2)

家庭菜園のモロヘイヤは要注意

前述した通り、小売店で野菜として流通しているモロヘイヤには、中毒症状を引き起こす成分が含まれていないため、問題なく食べられます。しかし、家庭でモロヘイヤを育てる場合は注意が必要です。

モロヘイヤの種を植える際は、子どもが誤食しないよう十分に注意してください。また、モロヘイヤを収穫するときは、種子・さやなどストロフェチジンが含まれる部位が混入しないようにしましょう。やわらかい葉の部分だけを採るようにするとよいですよ。(※3)

モロヘイヤの上手な下処理方法

モロヘイヤは下ゆでをして、アクを抜いてから料理に使いましょう。アクが抜けるだけでなく、モロヘイヤ独特のくせがやわらぎますよ。

モロヘイヤは沸騰した湯に入れ、色が鮮やかになればザルにあげて水にさらします。下ゆでする時間は、数秒程度でかまいません。

モロヘイヤには、鉄やカルシウムの吸収を阻害する「シュウ酸」が含まれています。シュウ酸は水に溶ける性質があるため、下ゆでして水にさらすことで、含有量を減らせますよ。(※4,5,6,7,8)

毒に気をつければモロヘイヤは栄養満点!

モロヘイヤには、ビタミンA、ビタミンC、葉酸、カルシウム、食物繊維など、さまざまな栄養が含まれています。

とくに、皮膚や粘膜の健康を保ち、抗酸化作用をもつβ-カロテンは、100gあたり10,000μgとほうれん草の2倍以上です。β-カロテンは生食よりも加熱したほうが、吸収がよくなります。また、油と一緒に調理することでも吸収がよくなりますよ。(※9,10,11,12,13)

モロヘイヤのおすすめレシピ4選

※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ