いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日

原案:坂本 義喜 作:内田 美智子 絵:魚戸おさむとゆかいななかまたち 出版社:講談社
武田
食事は楽しい!ということを伝える一方で、小学生に入った頃からは“いのち”の話をすることも必要になってくると思います。この本は食肉センターで働く坂本さんの体験が書かれたお話。むやみに『ごはんは残しちゃいけません』『食べ物は粗末にしない』と言うのではなく、なぜ粗末にしてはいけないのかを子供たち自身が学べるような1冊です。

牛の屠殺について書かれているので、小さい子にとっては少し衝撃的な内容かもしれません。だからこそ読みっぱなしにするのではなく、親子で“いのちをいただく”ことついて話し合うきっかけになってほしいと思っています」

磯崎
「坂本さんが直面する食肉解体という仕事への葛藤や、息子さんとの会話は大人が読んでもハッとするような内容ですよね。この本では牛が出てきたけれど、ほかにはどんな“いのち”をいただいているだろう、じゃあどうして粗末にしてはいけないんだろう、というその先のステップを一緒に話してあげれるといいですね」

今こそ、食のあり方を親子で一緒に考えてみよう

じつは武田さんに選定していただいた本の中に『モモ』(作:ミヒャエル・エンデ)が作品が入っていました。記事ではご紹介できなかったのですが、こちらもぜひお子さんに読んでほしい1冊。お話のなかで2度出てくる対照的な食事シーンは、誰と食べるか・どんな状況で食べるのかで、心や体の状態は変化するんだということを教えてくれます。

便利なサービスが増え、飽食の時代と言われる今だからこそ、お子さんと一緒にお父さんお母さんも食事、食卓のあり方を見直してみてはいかがでしょうか?
取材・文 / 樋田由香(macaroni 編集部)
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