ライター : つゆくぼみえ

料理探求人&フードライター

愛知県出身&在住。三河と尾張地方を縦横無尽に動き回り、美味しいものを求めて食べ、自宅で再現し、書き記すことがライフワーク。お酒全般にも目がありません。

1. 江戸時代から旅人に愛され続ける「きく宗」

創業は文政年間とされる「きく宗」。吉田宿の名物料理「なめし田楽」を提供する店として、200年以上にわたって旅人や地元の人々に愛されています。

吉田宿といえば、東海道きっての宿場町。旅籠や遊郭が軒を連ね、大きな賑わいを見せました。「きく宗」はこの旧東海道沿いに位置し、白壁や格子戸などの設えから当時の情緒が漂います。

のれんをくぐると趣向を凝らした中庭が現れ、落ち着いた雰囲気を演出。旅人や客人たちをもてなす姿勢が、随所にみられます。

菜飯田楽定食

1,903円(税込)
豆腐や蒟蒻に味噌を塗って焼いたものを「田楽」と呼ぶようになったのは、豊作を祈って田の神に奉納した田楽を舞う姿が、串に刺した豆腐料理に似ていたためと言われているんです。

「きく宗」では国産大豆を100%用いて使った自家製豆腐に、三河地方特有の豆味噌を使った秘伝の味噌を塗り、香ばしく焼き上げています。

田楽に合わせるのは、大根の葉を刻んで混ぜ込んだ菜飯。ほんのりとした渋みと塩味が、甘辛い味噌と相性抜群です。田楽には溶き辛子がついているので、ピリッとした刺激が絶妙なアクセントに。シンプル極まりない料理ながら、一度食べたら忘れられない味になること請け合いです。
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2. 大正から続くうなぎ料理店「のぼりや」

大正13年から、うなぎ料理ひと筋を貫いている「のぼりや」。背開きにして蒸してから焼き上げる関東風と、腹開きして直焼きする関西風の焼き方が混在する東海地区ですが、「のぼりや」が踏襲するのは関東風

ふっくら香ばしく焼き上げたうなぎと、初代から継ぎ足し使っているタレがマッチし、豊橋市内外の食通から愛されている老舗の味わいです。

うなぎ丼

Photo by つゆくぼみえ

2,800円(税込)
「のぼりや」のお品書のメインはふたつ。蒲焼とご飯や肝吸い、漬物がセットになった定食と丼で、それぞれに上と並があります。

写真は「うなぎ丼・並」ですが、蒲焼が6切れも盛られてボリューム満点。蒸して脂を落としてから炭火で焼き上げた蒲焼は、香ばしくて後味はサッパリとしています。

秘伝のタレは三河のたまり醤油をベースにしており、キリッとシャープな味わい。しつこさがなく、最後まで飽きずに食べられます。タレは夏は辛めに、冬は甘めに調整し、年間を通じておいしく食べられる工夫をしているとか。お客様の反応を見ながら常に改良を重ねてきた、老舗ならではの歴史と心遣いが感じられます。
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3. 掲げ餃一本で勝負「赤のれん」

豊橋駅の西の玄関口、通称「西駅」で60年以上続く「赤のれん」。その名の通り、真っ赤な店構えとのれんが目標です。三代目を引き継いだ高井隆光さんが、初代が考案した素朴でしみじみおいしい餃子の味を守り続けています。

メニューはとてもシンプルで餃子のみ、白いご飯も提供していません。お客から「並!」「大!」「特大!」とオーダーが入るや否や、アツアツの餃子がテーブルへと運ばれます。

餃子(大11個)

560円(税込)
「赤のれん」の餃子の特徴は、なんといっても自家製の皮です。初代が導入した形成機を使って仕上げた皮は、ぽってりと厚みがあってモチモチ食感。たっぷりのキャベツと豚のひき肉、ニラ、塩こしょうというシンプルな具を包み、ラードを使ってこんがり焼き上げます。

7つのフライパンをフル稼働させているので、焼き立てをスピーディーに提供。待たされない理由は、ここにあるのです。

お値段もリーズナブルかつテイクアウト可能なので、食べ盛りのお子様がいるご家庭では、持ち帰ってご飯と合わせるケースが多いよう。店内でアツアツ焼き立てとビールを楽しむのはもちろん、おうちでおかずのひとつとして楽しむのも良さそうですね。
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