ライター : macaroni編集部

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記事を書いたのは……

macaroni 編集部 マネージャー / 大河内 美弥
野菜ソムリエの資格をもつ健康オタクマネージャー。ヨガトレーニングを10年続け、ぶれない体幹を手に入れたが、通い続けたジムが閉鎖してから運動不足気味。体力不足が目に見えてきたので、筋トレやジョギングで適度に汗を流している。

この状況でも前を向く、食のプロフェッショナルたち。

こんにちは。macaroni編集部のスタッフコラム、第3回目となりました。今回は、私がとあるお店で体験したエピソードについて。コロナ禍における緊急事態宣言の中でも奮闘する、飲食店の姿を通して感じたことを、少しだけお話させてください。

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年が明けて早々の1月7日、2回目の緊急事態宣言が出されました。

「感染者数の状況を考えれば仕方がない」と納得しつつも、まだまだ先の見えない世の中に不安を抱き、自分の中にさまざまな感情が渦巻いたのも事実です。

そこで頭によぎったのが、私がmacaroniで連載を担当している料理店『分とく山』さんのこと。

昨年、料理長の野﨑さんに何度か取材をさせていただいたのですが、実はコロナの影響はそこまで大きくは受けていない、とおっしゃっていたんです。

感染症対策を徹底されているのはもちろんのこと、こういった状況にあっても野﨑さんの人柄と料理に惹かれるお客様がいて、そういったお客様を大切に商売を続けてこられた証なんだろうな……と感じました。
▼『分とく山』野﨑さんのレシピ集 詳しくはこちら

再びの緊急事態宣言

ですが、ここにきて2度めの緊急事態宣言が発令。「お店は大丈夫だろうか……」と、いてもたってもいられず、分とく山さんに連絡を入れました。

そこで伝えられたのは「今回の緊急事態宣言は、さすがに打撃が大きい」という言葉。もちろん、人命が最優先ではありますが、人の流れが戻り始めたタイミングでの再発令による影響は計り知れないものがある、ということでした。

そして「この状況なので、2月7日までの期間限定でランチ営業を行います」と、普段はないお昼のコース料理についてもご紹介を受け、私はとっさに「食べに伺います」とふたつ返事で返答。

もちろん自粛は必要ですが、お世話になっているお店が厳しい状況の中、少しでも何かできることはないか……食のメディアに携わるものとして、そんな思いに駆られ、1月の三連休中日にお伺いする運びとなったんです。

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正直、コースの会席料理を食べる機会なんて、ほとんどありません。

少し心がざわつきましたが、一番安いコース料理を予約し、前日はどんな服装で行こうかと頭を悩ませながら、普段ほとんど着ることのない服をクローゼットから引っ張り出し、装いを変えてお店へ。

到着すると、取材でお世話になっている広報さんが出迎えてくださり、エレベーターを使って最上階に位置する3階奥の一番広い個室へ案内してくださいました。

ほかにもお客様がいらっしゃるのに、こんなにいい席を……と、恐縮した気持ちで席に座りつつ、細やかな心遣いを感じました。

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前菜から出される手の込んだ料理の数々、そのすべてに施された、素材のおいしさを引き立たせる一流の技。

一品ずつ、綿密に計算し尽くされたお料理たちには、終始ワクワクと感動が止まず、とてもおいしく楽しいひとときを過ごしました。

そしてコース料理の途中、なんと野﨑さんがわざわざ席までご挨拶に来られ、深々と頭を下げ「お越しいただきありがとうございます」と。その際に、コロナ禍の飲食店の状況などについてもお話してくださいました。

食事を終えた後のお見送りでは、野﨑さんはもちろん、広報の方や、食事をサーブしてくださった料理人や給仕のみなさんなど、廊下や出入り口がいっぱいになるほど多くの人に見送られ、とても温かい気持ちで家路についたことを強く記憶しています。

この体験を通して、私は"飲食店の底力"を見たような気がしました。

持てる技術を総動員して、その日一番の逸品を作り上げる料理人の魂、そしてお客様のことを思った最高のおもてなし……お店にいたのは2時間半ほどでしたが「こういう体験ができるからこそ、"食事"は本当に尊いんだ」と再確認しました。

緊急事態宣言下のなか、飲食店は本当に厳しい状態が続いています。
もちろん医療も逼迫しており、人命が最優先であることには変わりはありません。

ただ、誰もが想像していないこんな厳しい世の中だからこそ、自分なりに考えて、何かできることはないか模索しながら暮らしていこうと思った、そんな体験談でした。
▼野崎さんのインタビュー記事 詳しくはこちら
写真・文/大河内 美弥(macaroni編集部)
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。店舗によっては、休業や営業時間を変更している場合があります。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

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