ライター : FOODIE

三越伊勢丹グループが運営する食のメディア

この記事は、三越伊勢丹が運営する、「FOODIE」の提供でお送りします。
<日本橋 千疋屋総本店>で長年愛され続けるフルーツサンドイッチ。見目麗しく、香りも味わいもひときわ優れたフルーツとふわふわクリームのハーモニーが楽しめるサンドイッチは、まさに専門店ならではの匠のワザといえます。あのおいしさを、家庭でも再現できたら……!

今回はフルーツサンドイッチの作り方のコツを、同ブランドのフルーツパティシエで、レシピの開発者でもある両角剛さんに教えていただきました。

伊勢丹のスイーツはこちら>>

フルーツサンドイッチをとびきりおいしく仕上げる3つのポイント

「フルーツサンドイッチの作り方で、特別なことは何もしていません。ご家庭でも手に入る食材を使ってごくシンプルに仕上げています。ただし、材料の選び方や使い方、一つひとつのクオリティにはこだわっているので、そこで差が出るのだと思います」

そんな<日本橋 千疋屋総本店>のフルーツサンドイッチのポイントとは?
① 果汁の出にくいフルーツを選ぶ
使用する果物の選び方が最初のポイントです。切ったときに汁気が少ないフルーツ、いちごやキウイ、パパイヤなどを使うとサンドイッチが水っぽくなりません。果汁の出やすい桃やメロン、柑橘系のフルーツは避けましょう。

② フルーツは食べごろを見極めて使用する

主役のフルーツは、必ずベストタイミングのものを使います。若いと固くて甘みが足りず、逆に熟れすぎるとやわらかすぎて酸味がなくなってしまいます。フルーツそれぞれの食べごろを確認しましょう。

③ クリームには植物性のホイップクリームをブレンドする

フルーツの味を引き立てるために、クリームは主張しすぎないよう工夫します。おすすめは、動物性のクリームと植物性のクリームのブレンド使用。砂糖も控えめにして軽やかな仕上がりを目指します。

パイナップル…約1/6個(3mm厚さの半月切り8枚)
パパイヤ…約1/5個(3mm厚さの半月切り8〜10枚)
キウイ…約1/2個(3mm厚さの輪切り4枚)
いちご…4個(3mm厚さの薄切り)
食パン(12枚切り)…8枚
生クリーム(乳脂肪分47%)…80ml
ホイップクリーム(植物性)…80ml
グラニュー糖…12g
それでは実際にフルーツサンドイッチの作り方を見ていきましょう。

<日本橋 千疋屋総本店>直伝! フルーツサンドイッチの作り方

<材料>(2人分)

「フルーツは好みのもので大丈夫です。<日本橋 千疋屋総本店>では、彩りや味わいのバランスを考えてこの4種を使用しています。マンゴーやバナナなどのフルーツもおすすめですよ。ホイップクリームは2種をブレンドしていますが、市販の動物性のもの1種類のみでも大丈夫です」

まずはフルーツの食べごろをCHECK!

【パイナップル】
日本で出回っているパイナップルはすでに食べごろのものがほとんどなので、購入してすぐに使用してOK。スーパーで選ぶ際は、実が細いものよりぷっくり太っているものがおすすめです。色は、真緑よりも少し黄色がかったものが、酸味と甘みのバランスに優れています。

【パパイヤ】

スーパーに置いてあるパパイヤは緑色のものが多いので、購入したら常温で追熟させます。皮の色が黄色くなれば食べごろです。まれに緑色のまま熟れていくものもあるので、念のため手のひらで包んで確かめます。柑橘類の皮程度の固さがベストです。

【キウイ】

パパイヤ同様、手のひらで包んで、柑橘類の皮程度の弾力になれば食べごろです。

<作り方>

1.  パイナップルを切る
パイナップルは縦半分に切り、上下を切り落とします。

「パイナップルは個体差がありますが、糖度が上から下に下がっていくフルーツなので、上部になればなるほど酸っぱいという特徴があります。店では上部1/4ほどは使用しませんが、酸味が好きな方はサンドイッチには使用せず、カットしてそのまま召し上がってください」
2. パイナップルの皮をむいて、芯を除く
包丁を寝かせて果肉と皮の間に入れ、まな板と平行に動かして皮をむきます。中心部分にV字に包丁を入れ、芯を除きます。

「パイナップルの側面には茶色いぶつぶつとしたツメがあるので、果肉に残らないよう厚めに皮をむくといいでしょう」
3. スライスする
3mm厚さの半月切りにします。
4. パパイヤを切る
パパイヤは上(枝側)から繊維(色がやや薄い部分)をはがし(写真左)、スプーンで種をかき出します(写真右)。

「繊維は種周りにあり、少し苦みがあるので取り除きます。果肉を傷つけないよう手のひらでやさしく包んで、もう片方の手でそっとはがしましょう」
5. 上下を切り落とす
枝側の出っぱり部分はあまりおいしくないので切り落とし、果頂部(枝が付いているのと反対側)にはV字に切り込みを入れて、少し取り除きます。
6. 皮をむき、スライスする
片手でやさしく果肉を持ち、皮をむいて3mm厚さの半月切りにします。

「パパイヤの果肉は上の方が固く、果頂部にいくにつれてやわらかくなるので、皮をむく際は、やわらかい方から固い方へ向かってむいていくと、包丁がすべらず、安全です」
7. キウイを切る
枝側の端に包丁を入れ、芯のまわりを1周して切り込みを入れます。端側をひねりながら外し、芯を取り除きます。
8. 皮をむき、スライスする
なるべく薄く皮をむき、3mm厚さの輪切りにします。

「包丁でカーブのある果物の皮をむく際は、できるだけ細い幅で作業を行うと薄くむけます」
9. いちごを切る
包丁でヘタを除いて、3mm厚さの薄切りにします。

「いちごは、ある程度酸味のある品種を選ぶと甘いだけのものよりもホイップクリームとの味のバランスがよくなります」
10. クリームを泡立てる
ボウルに生クリーム、ホイップクリーム、グラニュー糖を入れ、泡立て器で8分立てにします。

「クリームはなるべく空気を含ませるように泡立てましょう。泡立て器の代わりにハンドミキサーを使っても大丈夫です」
泡立て器を持ち上げたときに、ツノがしっかり立って、跡が残るくらいが目安。

「泡立て具合は好みで大丈夫です。立てすぎるとクリームがぼそぼそになったり、分離したりすることもあるので、気をつけましょう」
11. パンにホイップクリームを塗る
パンの片面に10のホイップクリームをパレットナイフなどで薄く塗ります。

「ホイップクリームがお好きな方は厚めに塗っていただいてもいいですが、<日本橋 千疋屋総本店>ではあくまでもフルーツが主役なので、ホイップクリームは控えめにしています」
12. キウイ、パイナップルをのせる
パンのホイップクリームを塗った面の中心にキウイを1枚置き、その上にパイナップルを2枚のせます。

「切ったときの断面が美しくなるよう、中心部分に並べてください」
13. パパイヤをのせる
パパイヤを2〜3枚ずつのせます。
14. いちごをのせる
いちごを1個分ずつ(5切れ)写真のように四隅と中心に並べます。
15. パンを重ねる
パン1枚を、ホイップクリームを塗った面を下にして重ねます。残りも同様に作ります。
16. ラップで包んでなじませる
できあがったサンドイッチをラップで包み、冷蔵庫に入れて1〜2時間ほど休ませます。

「時間がないときは省略してもいいですが、サンドイッチを冷蔵庫で落ち着かせることで、ホイップクリームがフルーツの間に入って切りやすくなります」
17. 耳を切り落とす
「耳を切ったときの断面も美しくなるよう、少し太めに切り落としましょう。よく切れる包丁(ペティナイフや牛刀など)を使うと、切り口がぼそぼそにならず、きれいな仕上がりになります」
18. サンドイッチをカットする
サンドイッチを4等分の三角形になるよう切ります。

酸味×甘みのバランスがGOOD! 美しいフルーツサンドイッチ

できあがったフルーツサンドイッチがこちら! 華やかで美しい断面に見惚れてしまいます。味わいはほどよい酸味とやさしい甘さがバランスよく調和し、とても上品。ホイップクリームの存在感は控えめで、どこを食べても果実のみずみずしさと甘みが口いっぱいに広がります。まさにフルーツが主役のサンドイッチです!

編集部のおすすめ