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港屋の閉店で"港屋ロス"続出!
突然の別れというものは、寂しいものです。
やみつきになる濃くしょっぱい味付けと、食べ応え抜群の自家製そばが特徴の肉そばは次郎系そばと言われ、平日のランチタイムには行列を作っていた「港屋」ですが、先月2月4日に突如閉店してしました。店先には「どうやら寿命が来た様です」の言葉とともに閉店を伝える張り紙が。
どうやら事前に閉店を知っていたのは仕入れ業者のみで、常連のお客さんにすら知らされていなかったそう……。ふいに訪れた喪失感の大きさに、港屋ロスに陥っている人が多いようで、SNSには港屋閉店を残念がるたくさんの書き込みが。
あのおいしさをもう一度味わうには、自分でつくるしかない!というわけで、元祖肉そばのやみつきになるあの味の再現レシピを考えてみました。
やみつきになる味の濃さ。港屋の元祖「肉そば」
港屋ロスを患っている方にとっては改めて伝えるまでもないことでしょうが、元祖肉そばの特徴は以下のとおり。
・ラーメンほど太く固めの自家製そば
・甘辛く味付けした豚肉
・濃いめんつゆとヒリッと辛いラー油
・うず高く盛り付けされた ねぎ、ごま、海苔
・普通盛りでも1.5人前はあるボリューム
この特徴を見る限り、肉そばを食べたことがない人にとっては常軌を逸したそばとも言えるのではないでしょうか?そばにもかかわらず、出汁の風味はほとんど感じられません。とにかく全体的に甘辛くしょっぱい濃い味なのですが、やみつきになってしまうんです。
そしてその濃い味がしっかり絡むのが太くて硬い自家製そば。自宅でそば粉から再現するのは無理があるので、今回はスーパーでそばを購入し作ってみました。
港屋の肉そばを再現してみた!
港屋の肉そばをおさらいしたところで、早速作っていきましょう。
材料
・豚バラ肉しゃぶしゃぶ用:300g
・長ねぎ:1本
・乾麺そば:1束
・めんつゆ:100cc
・水:200cc
・しょうゆ:大さじ1/2杯
・ラー油:適量
・刻みのり:適量
・白いりごま:適量
☆酒:大さじ1杯
☆みりん:大さじ1杯
☆砂糖:大さじ1/2杯
☆醤油:大さじ1杯
<トッピング>
・天かす:適量
・卵:2個
<下ごしらえ>
・長ねぎは斜め薄切りにし、サッと水洗いして水気を切ります。
・めんつゆと水は、1:2の割合で合わせ、しょうゆを加えます。
・大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かします。
作り方
フライパンに☆の調味料を入れ、ひと煮立ちしたら豚肉を加えて煮詰めます。汁気がなくなったら、火からおろし粗熱をとります。
大きめの鍋の沸騰したお湯にそばを入れて、表記時間より1分ほど早くザルにあけて冷水でしめます。
器にそば、②の豚肉、白ごまを盛りつけます。
長ねぎ、刻み海苔の順に、それぞれたっぷりとのせます。
最後にめんつゆにたっぷりとラー油を入れて完成!お好みでつけだれに卵と天かすを入れることでマイルドな味わいに変わります。
コツ・ポイント
めんつゆにしょうゆを加えることで甘みと塩気のバランスがとれ、より再現率の高い仕上がりになります。そばは少しかために茹でて、食感を残すのがポイントです。
果たして港屋の味は再現できたのか…
できる限り忠実に再現し、できたのがこちら。手前味噌ですが見た目の完成度は高いと思いませんか?気になるのがその味……。
ラー油がたっぷり入ったつけ汁にそばをくぐらせていただきます。あぁ!これ!豚肉の甘辛さとつけ汁のしょっぱさは港屋の肉そばにそっくり!ただやはり、あのもっさりとした自家製そばには到底近づけず……。
つけ汁には醤油を足して香ばしいしょっぱさを加えてみたのですが、微妙に港屋のつけ汁とは異なります。はじめの2、3口は元祖肉そばの味!と思ったのですが、そばの食感や微妙な味付けのバランスの違いが、この違和感を生んでいるようです。
ならばつけ汁に使うめんつゆも数種類用意して食べ比べてみよう!ということで、めんつゆ3種類とそば3種類を使ってそれぞれ食べ比べてみました。
めんつゆは「出汁風味弱め」、そばは「太麺」がポイント
今回用意しためんつゆ、そばはこちら。
〈めんつゆ〉
・ヤマキ めんつゆ……塩分控えめスタンダードなめんつゆ
・にんべん 有機つゆの素……上品な出汁の風味
・桃屋 ももやのつゆ特級……カツオ出汁、醤油の濃い目な味わい
〈そば〉
・茂野製麺 味川柳 ざるそば 国産……ほど良いコシ、国産そば粉を使用
・小川製麺 山形のとびきりそば……もっちりした食感で小麦の味わいがふわり
・山本食品 特選そば……国産そば粉100%、3つの中で一番太い
※それぞれ左から順に
まず結果的にどれが一番港屋の肉そばに近かったかというと、「山本食品 特選そば×ももやのつゆ特級」の組み合わせが一番近い味わいでした。固めに茹でることでもっさりとし、やや太めのそばにしっかりつけ汁が絡みます。つけ汁は出汁の主張があまりしない方がいいのかもしれません。出汁の主張が控えめなことでラー油、ゴマの風味がしっかり感じられ、より港屋の肉そばらしさを感じられます。
そばはそれぞれで大きな違いがなく、いかに太いそばを用意できるかが鍵となりそうです。
「にんべん 有機つゆの素」は、上品な出汁の主張が目立つので港屋の肉そばらしさはなかったのですが、これはこれでおいしくできました。
色々試して港屋の肉そばに近づけてみたはいいものの、あともうひといき何かが足らない気がします……。食べては感じるその違和感に本家の肉そばが恋しくなるばかり。もう二度とあの味を口にすることはできないのか……。途方にくれていると耳寄りな情報がはいってきました。
なんと「港屋“2”」があるというのです!
港屋ロスに朗報!港屋2で元祖肉そばが食べられる
港屋ロスの駆け込み寺「港屋2」は大手町にある、ホテル 星のや東京に内設されています。虎ノ門の本店の2号店で、メニューはもちろん肉そば一択。その作りはオリジナルそのままで、店内も立ち食いそば形式。路頭にまよう港屋ロスのみなさんにとって、まさに一縷の希望ですね!
店舗情報
住所:東京都千代田区大手町1-9-1 星のや東京 1階
営業時間:11:30〜売りきれ仕舞い
参考URL:https://tabelog.com/tokyo/A1302/A130201/13199414/
やはり本家の味は、本家で食べるのが一番
実際に作り、食べてわかったことは、本家の味を真似るのは到底難しいということ。あのシックでモダンな空間で立ち食いするのと、自宅で椅子に座り食べるのとでは感じるものが微妙に異なるような気がします。
はじめは港屋ロスで途方にくれていましたが、似ている味なら真似できるし「港屋2」で本家の味をまた食べられるということを知り、とても救われました。ただお気に入りのお店が突然なくなってしまうのはもう勘弁してほしいですね……。
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