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江戸時代より、年末の文化として定着している「年越しそば」。由来は諸説あるが、「そばは他の麺よりも切れやすいので今年1年の災厄を断ち切る」というのが最も有力。ちなみに江戸時代中期の商家では、毎月三十日(みそか)にそばを食べる習慣があり、その頃は「三十日そば」と呼ばれていたとのこと。それが大晦日だけの習わしになり、「年越しそば」という習慣が根付いたといわれている。
そんな歴史の長い「年越しそば」。さすがにそば生地から作るのは手間がかかるので、ご家庭でそばを食べる際は乾麺を使うのが一般的。そこで今回は、年末に試したくなるおいしい乾麺の茹で方とアレンジレシピをご紹介。基本レシピを予習したら、さっそく材料を買いに行こう。
ゆがいた後に○○するだけで、のど越しが劇的に変化!?
江戸時代後期200年以上続く、出雲そば屋として日本で最も古い老舗である島根県・出雲市の「荒木屋」で修業を重ねたのち、虎ノ門にそば屋「元禄」をオープンした店主・木村巌さんにご紹介いただいたのは「蕎麦屋直伝 そばの茹で方(乾麺)」。
乾麺は気軽に購入できる上、保存もきくところが便利であるが、お店のようにのど越しの良い麺に仕上げるのはなかなか難しい。そこで木村さんに教えていただいポイントは、茹でた後に冷水でしっかりともみ洗いをすること。ぬめりをとることで、サラサラの仕上がりになるのだ。「ゴシゴシこすると麺がちぎれるのでは?」と心配になるかもしれないが、乾麺は意外と丈夫なので、この作業はきっちりと2度ほど繰り返そう。このひと手間だけで、プロの味に近づけることができる。
香ばしく焼けた鶏とねぎの風味が出汁とマッチするとり南蛮そば
同じく木村さんに紹介いただいたレシピは、先ほどの茹でそばを使った「蕎麦屋直伝 とり南蛮そば」。シンプルなざるそばも良いが、寒い季節は温かいそばでホッと落ち着きたいところ。
このレシピは塩などの調味料を一切使用していない。その理由は、具材の鶏モモ肉、シメジ、長ネギを、油を使用せず鶏の脂だけでしっかりと炒めてからそばつゆに入れるため。鶏の旨み、シメジの風味、ほんのり焦げ目のついた長ネギの甘みが溶け込んで、それだけで充分に深みのある味わいに仕上がるのだ。仕上げに三つ葉と柚子を飾れば、まるでお店さながらのとり南蛮そばが完成。
10分ちょっとで簡単に作ることができ、具材の旨みとホッとするような懐かしさを存分に味わえるこのレシピ。今年の年越しに、ぜひ活用していただきたい。
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