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この記事は、三越伊勢丹が運営する、食メディア「FOODIE」の提供でお送りします。
砂糖といえば、料理やお菓子作り、ドリンクに……と欠かせない調味料のひとつ。甘さを加えるだけでなく、料理にコクや深みを加えたり、照りを出すなど、さまざまな役割を担っています。それにも関わらず、実際に使っているのは白砂糖ばかり、という方も多いのでは。でもちょっと待って! それぞれの砂糖の特徴を知り、目的ごとに使い分けたり、種類を変えてみるだけでも、料理が格段に美味しくなるのです!
そこで今回は、伊勢丹新宿店で調味料を扱うシェフズコレクション担当の田中大介さんに、料理別のおすすめ砂糖の7種類を紹介してもらいました。
【1】照り焼きや豚の角煮に〜コクと甘みのバランス抜群「波照間産特等純黒砂糖」
沖縄県波照間島で栽培されたサトウキビを、収穫したその日のうちに搾汁、煮詰めて固めた純粋の黒砂糖が「波照間産特等純黒砂糖」。白砂糖にくらべてミネラル分は多いものの、白砂糖のような洗練された味わいではなく、サトウキビの持つそのままの風味が出るため、雑味や多少のえぐみも感じます。ただそれが料理に加えるといい塩梅のコクに変わるのです。
「黒砂糖は沖縄各島で作られていますが、なかでも波照間島の黒糖はバランスのいい甘さとコク、すっきりとした後味が特徴。料理の邪魔をせず、上手に味わいを引き立ててくれます。おすすめは魚や鶏の照り焼き、豚の角煮など。お酒にも合い、特に焼酎とは相性抜群。溶かして和菓子用の黒蜜に、また小さな塊のまま蒸しパンに入れても美味しいですよ」
※取扱い:伊勢丹新宿店
【2】パンケーキやフィナンシェなどのお菓子作りに〜コク深く風味豊かな「島ザラメ」
鹿児島県喜界島産のサトウキビのみを使用した風味豊かな砂糖「島ザラメ」。喜界島は亜熱帯性気候や日照時間の長さ、水はけのよい地形などから、糖度の高い上質なサトウキビが穫れるそう。その搾り汁をそのまま結晶化した「島ザラメ」は、サトウキビ由来のコクや風味に加え、蜜の多さからしっとりとしているのも特徴です。
ちなみに、名前や見た目が似ている「中ザラ糖」と呼ばれる茶色いザラメと混同されそうですが、中ザラ糖の茶色はカラメルで着色したもの。それに対し「島ザラメ」は無着色。サトウキビの自然の色がそのまま生かされた砂糖なのです。
「黒砂糖のような使い方もできますが、個人的におすすめしたいのはお菓子作り。スポンジケーキというより、パンケーキやフィナンシェといった風味が決め手の焼き菓子に。サトウキビのコクと風味で一段と美味しくなりますよ」
【3】ジャム、シロップ作りに〜濃い甘みはあるが後味すっきり「無垢の星濤(せいとう)」
結晶がグラニュー糖より大きく、無色透明・高純度の砂糖が、ザラメ糖(白ザラメ)。通常の製糖に要する時間が2〜3時間のところ、なんと3週間もかけてじっくり丁寧に作った砂糖がこちら、「無垢の星濤」です。時間をかけて結晶化させることで、砂糖独特の甘ったるさが消えて雑味のない澄んだ味となり、甘さにもキレが出るそう。
「おすすめは季節のジャム。ザラメ糖は結晶が大きくなるようゆっくりと固めていくので、上白糖より味が濃くなって素材の甘さを引き立たせるので、ジャムにぴったりです。また一般にザラメ糖は合わないとされるコーヒーにも、この『無垢の星濤』に限ってはおすすめ。個人的にも自宅に常備するお気に入りの砂糖です」
※取扱い:伊勢丹新宿店
【4】梅酒など、果実酒作りに〜果実との相性抜群。時間をかけて結晶化させた「純氷糖」
氷砂糖は文字どおり、氷のように大きな結晶が特徴。溶けるのに時間がかかるので、果実酒作りには欠かせない砂糖です。特にこの「純氷糖」は、急速冷凍して一日で仕上げる一般的な氷砂糖とは異なり、室(むろ)と呼ばれる場所で、2〜3週間をかけて自然結晶、天然乾燥させて作る手間ひまかけた逸品。
「指名買いやまとめ買いする方も多い人気の砂糖です。梅酒のほか、季節の果物を使った果実酒やシロップづくりにもぜひ活用していただきたいですね。材料がシンプルな分、いい砂糖を使うとホントに味が変わるのが分かりますよ」
【5】紅茶に、毎日のお料理に〜まろやかで甘さやさしい「てんさい糖」
近年、人気上昇中の砂糖が、北海道生まれの「てんさい糖」。てんさい糖は、かぶのような農作物・てんさい(ビート)を原料とする砂糖。やさしい甘さとまろやかな風味が特徴で、その琥珀色は天然の色。ビフィズス菌を増やすオリゴ糖も含まれていることから、健康に気を遣う人の間で話題になり、注目が集まっています。
「これまで紹介した砂糖とは味がまったくといっていいほど違います。サトウキビのような香ばしさがなく、上品でまろやか。ただその分、砂糖としては物足りないということで、メインにてんさい糖、甘さ出しには上白糖を、と二重使いする方も多いですね。こうした合わせ技のほかには、紅茶にもよく合います。紅茶本来の風味を逃さず、少し甘みがほしいというときなどにぜひ」
※取扱い:伊勢丹新宿店
【6】スペシャルティコーヒーに〜純度の高いクリアな甘さ「特上白」
砂糖といえばコレ、というのが白砂糖=上白糖。「特上白」もそのひとつですが、こちらは特に長時間をかけ糖を3回結晶化させる特別な製糖方法により、純度の高い溶けやすい粉末状になっているのが特徴です。
「甘みがすっきりとしているので、コーヒー好きの方におすすめ。特にスペシャルティコーヒーなど、上質な豆を使って淹れたコーヒーは、豆の香りを邪魔せず上品な甘みが加わるので、あまりの美味しさにびっくりされる方も多いんです。料理なら、きゅうりとたこの酢のものはいかがでしょう。あえて三杯酢などは使わず、この特上白といいお酢を使うだけで、ぐんと美味しくなるんです」
※取扱い:伊勢丹新宿店
【7】コーヒーの風味づけに〜クセが少なく素材を引き立てる「有機ココナッツシュガー」
最後にご紹介するのが、ココナッツシュガー。ヤシの木に咲く花のつぼみから穫れる花蜜(樹液)を煮詰めて作るココナッツシュガーは、カルシウムや鉄といったミネラルが豊富な砂糖。なかでもこちらの「有機ココナッツシュガー」は、コクと旨みはありつつも、クセが少なくいろいろな用途に使えるのがポイント。
「コーヒーに少し風味を足したいというときには、ぜひこのココナッツシュガーを。ハワイのコナ・コーヒーなどキャラクターの立つタイプのコーヒーに特におすすめですね。コーヒーに味をあまり足したくないなら前出の『特上白』、風味足しには『有機ココナッツシュガー』。お菓子作りにもいいですね。カレーや料理の隠し味として使うのも、コクや風味が増すのでおすすめ」
「砂糖を使う上で大事なのは、必要な量を使うこと。そのときにいい砂糖を選んで使っていただくと、驚くほど味が変わって美味しくなります。そんな『味変』の感動体験をぜひとも味わっていただきたいですね」
文: 原口りう子
写真:八田政玄
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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