ライター : muccinpurin

製菓衛生師 / 料理家

「黒い器」の深い魅力とは

料理を盛り付ける器は、その料理のイメージを大きく左右するポイントのひとつ。いつもの器で食卓がマンネリ化していると感じたら、「黒い器」を取り入れることをおすすめします。 「黒って食卓が暗いイメージになりそう……」なんて思わずに、まずは料理を盛り付けてみて。いつもと同じ料理も、きっと驚くほど魅力的に映りますよ。

食卓をシックに演出する「黒い器」

洋服の趣味と同様、実は好みが偏りがちな食器。気が付くと食器棚に、同じ色や形の器ばかり並んでいませんか? 実は黒の器は、料理の魅力を引き出してくれる、理想のカラーだったんです。 黒は黒でも、釉薬のかけ方や艶の有無で、イメージがまったく違ってきます。手びねり風のこちらの器も、黒の中にほかの色が混ざることで、唯一無二の魅力を放っていますよね。フルーツをのせるだけでも、この迫力。
シンプルなディティールの黒い器をキャンバスに見立てて、ソースで絵を描くように盛り付けてみましょう。白い器では表現できない、シックななかにも鮮やかな色が映える、美しい一枚に仕上がります。 いつもの盛り付けも器を変えるだけで、こんなにも新鮮に生まれ変わるんです。

黒い器のフードスタイリング3選

1. スイーツがシックに華やかに

キューブ状のケーキを黒い器にのせたこちらの活用例は、かわいらしさを残しつつ、華やかな大人の上品さを演出したスタイリングです。 ケーキ自体が白いので、明るい色の器だとぼやっとした印象になりがち……。あえて黒にのせることで、シックにケーキの印象を際立たせてくれます。 ベリーのソースやあしらわれた花のトーンも、黒としっかり馴染んでいますね。

2. 黒いお皿ならいつものランチもグッと格上げ

料理研究家の西祐子さんが提案するのは、黒い器にデリをまとめて盛るスタイリング。カラフルなお惣菜も、マットな黒の器の上でパキっと引き締まった印象になります。 むずかしく考えずに、どんな素材も受け入れてくれる器使いは、お手本にしたいスタイリングです。 この画像で使われている、常滑の角掛政志さんの器も、独特の風合いで素敵ですね。

3. 空間を利用することで料理が印象的に

黒は、色そのものにインパクトがあるので、余白のスペースを利用するのもひとつのアイデアです。あえて料理に間隔を置いて並べることで、一つひとつをより印象的に魅せることができます。 黒いお皿をキャンバスに見立て、白いソースでアートを描くようなイメージで盛り付けましょう。
大きなプレートに片側だけ盛り付けた、アシンメトリーなスタイリング。丸いプレートに縦のラインを描くことで動きを持たせています。 黒に抹茶の若草色がよく映えた、美しいひと皿ですね。

おすすめの黒い器

手に入れやすいリーズナブルなひと皿から、じっくり吟味して手に入れたい人気の作家さんのものまで、おすすめの黒い器をご紹介します。 同じ黒い器でもさまざまなバリエーションがあるので、どれも欲しくなってしまいますよ。

Ittala teema(イッタラティーマ)

人気のブランドIttala(イッタラ)のなかでも愛用者が多い「teema(ティーマ)シリーズ」。"必要な装飾は色だけ"とデザイナーが語るように、その計算し尽くされたシンプルなデザインは、料理の魅力を最大限に引き出してくれます。 冷凍庫から食洗器まで幅広く対応する機能性と、洗練された美しさを持ち合わせた、理想的な食器です。

商品詳細

■サイズ:直径 17、21、26cm ■カラー:ターコイズ、ホワイトなど全7色 ■備考:冷凍、冷蔵、オーブン、食器洗浄機すべて使用可能

BRUNO マルチスレート

一大ブームを巻き起こした、ブルーノのスレートプレートの魅力はその"質感"。マットな黒に独特の波打つような風合いは、使い込むほどに味が出て、さらに温かみを感じさせます。 付属のチョークでメッセージを書き込めるのも、スレートプレートならではの特徴です。

商品詳細

■サイズ:30×20cm(ほかにラウンド、スクエアなどの展開あり) ■カラー:黒1色展開 ■備考:直火・電子レンジ・オーブン・食器洗浄機・食器乾燥機使用不可

スナオホーム 松本圭嗣さん

作家の松本圭嗣さんが作り上げる器は、「普段づかい」をコンセプトに、大きさ・軽さ・重なりにこだわって作られています。 どこかやさしさを感じる黒は、和食からスイーツまでどんな料理も受け入れてくれる万能さが受けています。

商品詳細

■サイズ:リムプレート丸 直径22、23、26cm(ほかにオーバル、深皿、取り皿などの展開あり) ■カラー:黒1色展開 ■注意事項:電子レンジ・食器洗浄機使用可、直火・オーブン使用不可

黒い器に心惹かれる

いかがでしたか?そのシンプルでなににも染まらない色は、どんな料理も受け入れてくれる大きな魅力がありました。同じ黒でもその風合いや質感の微妙な違いも、黒い器の魅力かもしれません。 ぜひ黒い器を取り入れて、新しいスタイリングの幅を広げてみませんか。
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