ライター : mau_naka

調理師 / 漢方コーディネーター / 発酵食品マイスター

「富有柿(ふゆうがき)」は柿の代表格!

柿の中でも甘みが強い甘柿。この甘柿の代表品種である富有柿は、柿の中で最も多く生産され、最も多く食べられている品種です。「甘柿の王様」と評されているほどなんですよ。富有柿の生産地は主に西日本となっていて、いちばん多く生産しているのは奈良県です。 次いで、福岡県と岐阜県が僅差となっていて、それに続くのが和歌山県となります。このたった4県で全国の富有柿の生産の7割弱をまかなっているのです。

富有柿の発祥と歴史

富有柿は岐阜県瑞穂市居倉にある「居倉御所(いくらごしょ)」と呼ばれる柿が発祥であるとされています。江戸時代末期に岐阜県の居倉村の小倉家によって栽培されていた柿で、味がとても優れていたそうです。 その柿の枝を1884年に福島才治という方が別の木に接ぎ木して育成したものが、のちに富有となり品評会で1位を取り、広く知れ渡ることとなります。 瑞穂市居倉には今でも原木が存在していて“指定天然記念物”として石碑が立てられています。

富有柿の特徴

富有柿は甘柿の中でも、常に甘い柿がなる完全甘柿に分類されます。種がなくても渋みが自然と抜けて甘くなるので、種が入っているものと入っていないものがあります。

見た目

角が取れたような四角い形が特徴で、張りがあり、皮はつるつるしていて光沢があります。この見た目は産地により色や形に若干の違いがあります。原産である岐阜県産のものはややオレンジ色が強く、福岡県産のもの濃い紅色なのが特徴です。

味わい

熟し具合によっても味や食感が変わるのもおもしろく、パリッとした食感とさわやかな甘みを堪能できる早めのものも人気があります。一方、完熟した果肉は甘い香りが強く立ち、濃い甘みをまとった肉厚な果肉はとろっとやわらかく、果汁も多いのが特徴です。
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