ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

卵のカラザとは

卵かけご飯に卵焼き、クッキー、天ぷらの衣など私達の日々の食生活に欠かせない卵。毎日何かしら卵料理を食べているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな卵ですが、卵を割ると身に引っ付いている白いヒモのようなものを見たことはありませんか。なんだかよく分からないけれど気持ち悪いから……と、取ってしまっている方もいるでしょう。実はこのひもには「カラザ」という名前がついています。 今回は、そんな「カラザ」についてそもそも何者なのか、食べられるのか、栄養はあるのかなど、カラザにまつわるあれこれについてまとめてみました。

卵は黄身と白身だけじゃない

カラザは卵の中の「卵白」に属するものです。卵と言うと「卵黄」「卵白」のふたつに分かれると思っている方が多いようですが、正式には「卵殻(卵の殻)」「卵殻膜(殻の内側についている薄い乳白色の膜)」「卵黄(黄身)」「卵白(白身)」の4つに区分されます。このうち、卵白の仲間だけでも4つの組織に分類され、「内水様卵白」「濃厚卵白」「外水様卵白」、そして「カラザ層」となっているのです。 カラザは、卵黄を守るために存在しています。卵黄は栄養が豊富なため、微生物にとって絶好の栄養源。また、栄養価が高いゆえに腐敗もしやすくなっています。それを卵白で保護することによって、私達が新鮮な卵をいただくことができているのです。

カラザの意味

Photo by macaroni

カラザは薄い膜状態で卵黄膜を囲んでいます。卵の先端が尖った鋭端と丸みを帯びた鈍端に近い部分で厚い層になります。卵黄を中央に位置させ、偏って卵角膜に接触して微生物による変質を防ぐ役割を果たしているのです。いつもは何気なく避けていたカラザも、大切な役割を担っていることがわかりましたね。

カラザは食べられる?

カラザを気持ち悪いと取り除いている人も良く聞きます。実際に、料理番組や料理本でも丁寧に取り除かれている映像や写真を目にします。しかし、カラザは栄養満点で食べても害がないため、むしろ食べなければもったいない!

カラザの成分は主に各種アミノ酸と糖類から形成されています。このほかにも、さまざまな栄養がたっぷり!食べても影響がないどころかこんなに栄養価が高いのであれば、何とかしてカラザ部分も取り入れたくなりますよね。

ここまで聞くと、取り除くのはもったいない!と思いませんか?ぜひそのまま食べていただくことをおすすめします♪

カラザの上手なとり方

ここまでご説明しても、やっぱりちょっと見た目的にも気持ち悪いし、そこまでしてカラザから栄養を補わなくてもほかのもので摂取すればいい……という方もいるでしょう。取るのはもったいないですが、どうしてもカラザは受け付けられないという方のために、カラザの上手な取り方をご紹介しましょう。

カラザを取る際、菜箸、スプーンやフォークなどで取ろうとしたところ、悪戦苦闘しただけで結局取れなかったり、白身部分も一緒に流れてきてしまったという経験はありませんか?卵黄を傷つけて割ってしったこともあるでしょう。

そんな時は「先割れスプーン」を使いましょう。スプーンの先割れ部分をカラザめがけて一直線!白身が先割れ部分から流れ、綺麗にカラザのみが取れます。これ意外にも、カラザを取るための調理器具はいろいろと販売されています。写真のような棒状の商品もありますので、これから購入される方はぜひ検討してみてください。
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生卵の白身切り まぜ卵(まぜらん)【カラザ取り】【卵かけごはん】

¥315〜

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卵もカラザもおいしく食べよう

いかがでしたか。見た目はあまり綺麗ではないのでよく取り除かれてしまうカラザ。しかし、この記事を読んで食べないともったいないかも?と思いになった方も多いのではないでしょうか。

卵は昔から栄養満点の食べ物として、重宝されてきほかので、ぜひ毛嫌いせずにカラザも一緒に食べてみてください。よくかき混ぜてしまえばカラザは分かりません。また、加熱すればなおさら目立たなくなります。せっかく栄養満点の卵、カラザも含めおいしくいただくことをおすすめします♪
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