ライター : 相羽 舞

管理栄養士

亜鉛とはどんな栄養素?

亜鉛はミネラルのひとつで、体内で200種類以上の酵素を構成したり、酵素反応の活性化したりするはたらきがあります。とくに、新しい細胞が作られる組織において欠かせない栄養素です。DNAやたんぱく質の合成、免疫機能の調節、味覚などにもかかわり、体の成長と維持に重要な役割があります。(※1,2)

亜鉛は普段の食事で不足してしまうことも……

亜鉛は体内で合成できない「必須微量ミネラル」のため、食事から摂る必要があります。若い女性は、過度なダイエットによって不足につながりやすいほか、アルコールによって排出量が増えるため、お酒をよく飲む人も注意しましょう。また、亜鉛は汗に多く含まれることから、体を動かす機会が多く発汗量が多い人も不足しないように意識することが大切です。(※1)

亜鉛不足による症状

症状

  1. 皮膚炎
  2. 味覚障害
  3. 貧血
  4. 食欲低下
  5. 成長障害
  6. 免疫機能の低下
亜鉛はさまざまな酵素反応にかかわっているため、不足による症状も多岐にわたります。なかでも特徴的なのは味覚への影響。これは味を感じる細胞を作る際に亜鉛が必須なためです。また、たんぱく質やDNAの合成にかかわるため、子どもでは成長障害につながるおそれもあります。

亜鉛不足による症状が疑われる場合は、病院を受診するようにしてください。(※1,2)

亜鉛の一日あたりの摂取量

日本人の食事摂取基準(2020年版)における、亜鉛の一日あたりの推奨量は、18~74歳の男性で11mg、成人女性で8mgです。

亜鉛の吸収率は約30%として推奨量が設定されていますが、吸収量には個人差が生じる場合があります。また、一緒に食べる食品によって、吸収が促進されたり妨げられたりするため、亜鉛を含むものだけでなく食事全体のバランスを整えることが大切です。(※2)

食事での摂取が重要!亜鉛が含まれている食べ物

亜鉛含有量
生かき14.0mg
豚レバー6.9mg
焼きのり3.6mg
しらす干し3.0mg
カットわかめ2.8mg
切り干し大根2.1mg
枝豆1.4mg
(※3,4,5,6,7,8,9)いずれも100gあたりの値です。
亜鉛といえば生かきのイメージがありますが、イメージ通り、生かきの亜鉛含有量は突出しており、豚レバーの約2倍の含有量です。焼きのりやカットわかめといった海藻類にも亜鉛が多く含まれていますが、一度に食べる量が少ないので、意識して食事に取り入れるとよいでしょう。(※2)

亜鉛を含む食べ物を使うレシピ4選

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