ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

監修者 : 竹内 弘久

杏林大学医学部付属病院 外科医

むくみはなぜ起こる?

原因

  1. 運動不足
  2. 塩分の摂りすぎ
  3. 冷え
  4. ストレス
むくみとは、血液中の水分が血管外にしみ出して、皮膚や皮膚の下に水分がたまっている状態を指します。とくに足は重力の関係で水分がたまりやすい部位です。

運動不足によってふくらはぎの筋肉が衰えると、ふくらはぎに血液中の水分がたまります。また、冷えによる血行不良の状態だと、足の毛細血管における血液の循環が滞ります。いずれもむくみの原因です。

また、塩分の摂りすぎにより体内で塩分が過剰になると、水分を多くため込んで体内の塩分濃度を下げるため、身体がむくみやすくなります。そのほか、過労やストレスもむくみを引き起こします。(※1,2,3,4,5,6,7)

知っておきたい!むくみを取る栄養素と食べ物

1. カリウムが豊富な食べ物

カリウムが豊富な食べ物

  1. りんご
  2. アボカド
  3. ほうれん草
  4. ブロッコリー
  5. さつまいも
野菜や果物に豊富なカリウムは、塩分(ナトリウム)の排出を促す作用があります。塩分の摂りすぎによるむくみの対策に役立つ栄養素です。

カリウムは水に溶けやすい性質があるため、野菜や果物を生のまま摂ると、栄養を効率よく摂取できます。(※4,8)
竹内先生:
「ただし、腎臓の機能が悪い場合は、カリウムを摂り過ぎることにより、血液中のカリウムが上昇してしまい注意が必要です。

血液中のカリウムが上昇すると、手足に力が入りにくくなる(筋力低下)、吐き気、動悸、意識を失う(失神)などの症状が出てくることがあります。また、重度になる(高カリウム血症)と、不整脈が生じることもあります」

2. ビタミンEが豊富な食べ物

ビタミンEが豊富な食べ物

  1. アボカド
  2. かぼちゃ
  3. アーモンド
  4. オリーブオイル
ビタミンEは血流を促す作用があり、むくみ対策につながる栄養素のひとつ。種実類や野菜に多く含まれています。

とくにビタミンEは手や足など末梢血管の血流をよくしてくれるため、冷え対策にも役立ちますよ。冷えによるむくみを感じている方は、意識して摂りましょう。(※3,9)

3. ビタミンB1が豊富な食べ物

ビタミンB1が豊富な食べ物

  1. 豚肉
  2. 玄米
  3. うなぎ
  4. 大豆
ビタミンB1が不足すると、むくみの症状が出るおそれが。ビタミンB1は糖質の代謝に関わる栄養素で、糖質に偏った食生活をしていると大量に消費され、不足しやすくなります。

にんにくや玉ねぎには、ビタミンB1の吸収率を高めるアリシンという成分が含まれています。ビタミンB1が豊富な食品と組み合わせるとよいですね。(※10)

4. 食物繊維が豊富な食べ物

食物繊維が豊富な食べ物

  1. バナナ
  2. ごぼう
  3. さつまいも
  4. しめじ
  5. わかめ
むくみと同時に便秘の症状がある場合は、腸を刺激して排便を促す作用がある不溶性食物繊維を摂るのがおすすめ。便とともに腸内の水分が排出されると、むくみ対策につながりますよ。不溶性食物繊維は野菜やきのこなどに多く含まれています。

また、海藻類や果物に豊富な水溶性食物繊維は、ナトリウムの排出を促してくれます。(※11,12)

食べ過ぎ注意!むくみやすい食べ物

むくみやすい食べ物

  1. 梅干し
  2. ラーメン
  3. 漬物
  4. みそ汁
  5. 魚の練りもの(かまぼこ・ちくわ)
  6. 食肉加工品(ハム・ソーセージ)
前述したように、塩分の摂りすぎはむくみの原因のひとつ。むくみが気になるときは梅干しや漬物、ラーメンなど塩分量が多い食べ物の摂取を控えましょう。

日本人の一般的な食生活では、目標量以上に食塩を多く摂っている傾向があります。普段から減塩を心がけてくださいね。(※13)
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