ライター : ☆ゴン

煮しめとはどんな料理のこと?

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煮しめとは本来、古くから伝わる宮崎県の郷土料理で、農林水産省にも認定されています。食材にしょうゆつゆをじっくり染みこませ、汁がなくなるまで「煮染める」ことからついた呼び名。いまは煮しめという料理名が、全国的に知られています。

普段は総菜として扱われますが、もとは祝い事や冠婚葬祭で提供されていた料理。いまでも正月のおせちに欠かせない、おめでたい料理のひとつです。使う具材にも意味があり、里芋は子宝に恵まれる、こんにゃくは縁結び、たけのこは成長と繁栄を願うなど。

れんこんやにんじん、大根などの根菜は、「ん」がつくので運が良いと、縁起かつぎによく使われます。また地域や地方によって、だしにいりこや干しあじ、昆布を使ったり、具材に地鶏や猪を使ったりと、個性豊かなのが特徴です。

煮物や煮込み、煮付けなどの違いは?

煮物とは、だし汁と調味料を合わせたつゆで、食材を煮る料理全般を指す言葉です。そんな煮物には、すでに紹介した煮しめをはじめ、煮込みや煮付け、含め煮、筑前煮などがあります。それぞれに微妙に調理法が違う、煮物料理の特徴を見てみましょう。

煮込み

食材を弱火で長時間コトコト煮込むことから、煮込みと呼びます。和食では肉じゃがやもつ煮、洋食ではシチューが有名ですね。

煮付け

煮付けとは、少なめのつゆで煮ながら味付けする調理法です。煮くずれしないよう、強火で短時間で仕上げるのが特徴。煮魚によく使われます。

含め煮

含め煮は、素材の色合いや持ち味を生かすため、薄めのつゆで煮含めます。つゆはたっぷりめで弱火で煮るのがポイント。火を消して、余熱で味を染みこませることもあります。がんもどきや高野豆腐の含め煮が、代表的な料理です。

筑前煮(がめ煮)

名前のとおり、かつて筑前国であった福岡県の郷土料理として有名。見た目は煮しめそのものですが、具材をすべて炒めてから煮るのが筑前煮です。また筑前煮には、必ず鶏肉を入れるのが特徴。がめ煮と筑前煮の違いは、鶏肉が骨付きか骨なしかだけとされます。
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