ライター : morico

WEBライター

スピリタスの桁外れの度数

成人すると、好き嫌いにかかわらずお酒を飲む機会は増えるものです。お酒とひと口に言っても、その種類はさまざま。ビールやサワー、ワインにウイスキー、日本酒など多岐にわたります。人によってお酒の強さに差はありますが、TPOにあわせてアルコール度数には気を遣って飲むという方も多いのではないでしょうか。

そんなアルコール度数ですが、世界で一番度数の高いお酒がなにかご存知でしょうか?それが「スピリタス」なのです。ポーランドを原産とするウォッカの一種であるスピリタスは、なんとアルコール度数96度を誇ります。

ポーランドでは飲料目的だけでなく消毒薬として利用されることも多いというスピリタスですが、どう飲むのがよいのでしょうか?

スピリタスの度数は96%?

スピリタスの度数は96度と前段でご紹介しましたが、これがどれほどすさまじいアルコール度数なのか、ピンと来ない方もいるかもしれません。私たちが普段よく飲む酒類のアルコール度数と比べてみましょう。

同じビールや日本酒でも品物によって差がありますので、比較的平均に近いものや一般的なものの度数を参考にしています。

・ビール:5度
・缶チューハイ:5度
・ワイン:14度
・日本酒:15度
・焼酎:25度
・ウイスキー:40度

いかがでしょうか。強いお酒というイメージのあるウイスキーですら、スピリタスの度数の半分にも及びません。スピリタスがいかに強いお酒かというのがよくわかりますね。

飲んでも大丈夫なの?

スピリタスはその度数の高さゆえに、北米では販売を禁止されている州もあるほどなんだとか。そんなお酒ですから、飲み方にも注意が必要です。 気になるのはもちろん味だと思いますが、ストレートで飲むと、感じるのは熱と痛み。味を感じるどころではないようです。慣れてくると最後に味を感じることもあるようですが、そこまで至るのは稀だとのこと。 もちろんお酒なので飲めますが、飲み方に工夫が必要なのは間違いないようです。

車の燃料にはなるの?

スピリタスはその度数の高さから、燃料としての利用を思いつく人もいるそうです。例えば山登りの際に緊急用の燃料として使用されることなどはあるそうですが、当然常用するものではありません。

車に入れてガソリン代わりにすることも当然不可能です。しかしこれは燃料として使えないという意味ではなく、車の燃料を生み出す部分がガソリンにしか対応していないため、スピリタスではむずかしいという理屈のようです。

もしスピリタスにも対応するようなエンジン部分が作られれば、あるいはスピリタスを燃料とすることも可能かもしれませんね。

タバコを吸いながら飲んではダメ!

お酒を飲むときにはタバコや葉巻を燻らせながら楽しむ……などという方も決して少なくはないでしょう。しかしこのスピリタスに関しては、喫煙しながら飲むことは絶対に避けなければいけません

なぜなら、先ほども述べたようにこのスピリタスは緊急時には燃料として使えるほどアルコール度数の高いお酒。つまり、引火性が非常に高いのです。液体に直接火をつけなくても、気化したアルコールの近くに火の元があるだけで引火する危険があるのです。

日本でも車の中でスピリタスを飲んでいた女性が、たばこを吸おうと火をつけた際引火し車は全焼。男女ふたりが乗っていましたが、スピリタスを飲んでいた女性は顔や腕にやけどを負い男性は軽傷という事件がありました。恐ろしいですね。

スピリタスの正しい飲み方とは?

そんなスピリタスですから、ストレートや一気飲みは避けたほうがよいでしょう。ストレートで飲むとしばらく声が出せないほどの喉が焼ける感覚、しびれ、強烈な熱さを感じます。さらに度数の高さゆえに、少し飲んだだけで急性アルコール中毒になるには十分な量を満たしてしまうので危険です。

おすすめの使い方としては、まず果実酒を漬け込むときのアルコールとして利用する方法。度数が高いので短期間でしっかり浸かりますよ。また雑味のない味のため、果物本来のおいしさを引き立たせてくれるのも特徴的。旬の果物で果実酒を作りたいという方は、使ってみてはいかがでしょうか。

ほかには、ウォッカの一種のためカクテルの材料として使用するのもよいでしょう。ストレートでは感じにくい甘みを、カクテルにすることで引き立たせることができます。ただし、口当たりがよいとはいえ度数が変わるわけではありません。飲み過ぎには注意しましょう。

自宅でもっと気軽に飲みたい!というときには、単純に好きなソフトドリンクに入れて飲むのがよいでしょう。基本アルコール分のみで味はしませんから、フルーツジュースやお茶系など、もともと味のあるもので割ったほうがよいとされています。

お好みに合わせて、スピリタスを楽しんでみてください。
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